・Language ab initioってどんな科目なの?
・Language Bとの違いがよく分からない…
・うちの子、初心者だけどIBで外国語を選んでも大丈夫かな?
外国語科目の選択で、このような不安を感じる保護者の方は多いですよね。
Language ab initioは、まったくの初心者でも安心して学べる科目です。
この記事では学習内容・試験の流れ・家庭でのサポート方法までわかりやすく解説します。
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Contents
Language ab initioとは?安心して学べる教科である理由
Language ab initioは「外国語をイチから学ぶ生徒」のための科目です。
内容や評価方法は初心者向けに設計されており、英語が得意でなくても安心して学習を始められます。
まずはLanguage ab initioに安心して取り組める理由を紹介します。
初心者でも安心して履修できるしくみ
Language ab initioは「これまでその言語をまったく学んだことがない人」を対象とした、外国語入門科目です。
文法や語彙力だけではなく、その言語を使う文化や社会を理解することも大切にしているため、初心者にもスッと理解できるようになっています。
また初心者にオススメな他の理由としては、次の通りです。
理由① 授業が簡単な内容から始まる
まずは簡単な日常表現から始め、少しずつ難しい文を学びます。
最初はあいさつ・自己紹介・食べ物・趣味といったテーマから学び、後に意見を述べたり、比較をしたりする内容に進む設計です。
理由② 聞く・話す・読む・書くをバランスよく育てる
4つの技能をバランスよく伸ばせるよう設計されています。
偏った語学の勉強とならないような授業設計です。
こうしたしくみのおかげで、初心者の学生でも安心して履修できる科目になっています。
少ない学習時間とやさしい学習レベル
Language ab initioの授業時間は、2年間で約150時間を想定されています。
これは他の科目より少なく、量に追われる不安を感じにくい授業時間です。
またすでに説明した通り、学ぶ内容のレベルが高すぎず、初心者でも安心して勉強できます。
- 新聞記事・短いエッセイ・日常会話文など、理解しやすい文章や音声で学ぶ
- 文法は基本〜中級の表現が中心
この設計で初心者でも達成感を味わえるため、Language ab initio は「学習時間とレベルのやさしさ」が両立されているといえます。
ムリなく育つ「異文化理解」と「国際的な視野」
「自分の国とは異なる文化を理解し、グローバルな視野を持つ能力」が育つよう設計されているのも、Language ab initioの特徴です。
のちに説明する5つのテーマを通じて、生徒が自分の文化と他の文化とを比較し、それについて対話できるようになる工夫がされています。
例えば「食文化」というテーマで、別の国の伝統料理や食習慣について学びます。
それを自国の文化と比較し、ディスカッションを行うのです。
世界にはいろいろな生き方や考え方があって、自分たちもこの中の一つなんだな。
言語だけでなく、他の文化を理解して多様性を受け入れる力が身についていきます。
Language ab initioの学習と試験の流れ
Language ab initioでは身近なテーマで言語の基礎を学び、試験で「読む・書く・話す」の3技能を中心に実力を測ります。
ここでは学習の進め方と試験のしくみを紹介しましょう。
5つのテーマと20のトピックで学ぶ日常表現
Language ab initioでは5つのテーマを軸に学び、その中でさらに20のトピックを扱います。
5つのテーマ(テーマと簡単な説明)
■Identities(アイデンティティ)
- 自分自身とは何か・他者との関係などを学び、「自分らしさ」を知るテーマです。
- トピック:Personal relationships(人間関係)、Eating and drinking(食生活) など
■Experiences(経験)
- 日々のできごと・行事・旅・時間の使い方など、人生の経験を振り返ります。
- トピック:Holidays(休暇・祝日)、Festivals and celebrations(祭り・行事) など
■Human Ingenuity(人間の創意工夫)
- 技術・メディア・芸術・発明といった分野で、人間の創造性を探っていきます。
- トピック:Transport(交通・移動手段)、Media(メディア・報道・通信手段) など
■Social Organization(社会のしくみ)
- 教育・仕事・地域・制度など、社会がどう構成され・運営されているかを考えるテーマです。
- トピック:Education(教育)、The workplace(職場・仕事の世界) など
■Sharing the Planet(地球を分かち合う)
- 環境・資源・持続可能性など、地球全体への関わりを学びます。
- トピック:Climate(気候・気象)、The environment(環境) など
これらのテーマとトピックにより、言語と文化を結びつけた日常的な表現力が育てられます。
Paper 1・2で読む力・書く力を育成
Language ab initioのテストはPaper 1(書き)とPaper 2(読み・聞き)に分かれます。
■Paper 1
決められた語数(通常 70〜150語)で文章を書く課題が2つ出題されます。
例えば自分の経験について書いたり、あるテーマに関して説明したりする形式です。
文章構成や表現力を評価します。
■Paper 2
いくつかの文章を読んだり、音声を聞いたりして、内容の詳細や要約を答える課題です。
リーディングでは記事やエッセイ、リスニングでは短い会話や説明文などが出てきます。
これらのテストにより、生徒は言葉の理解と表現をバランスよく訓練できる設計です。
Individual Oralで話す力を強化
Language ab initioの「Individual Oral(個人口頭試験)」は、クラスで学んだテーマに関係する写真・ポスターなどを使って、生徒が発表と対話を行う課題です。
Individual Oral(個人口頭試験)
1〜2分程度で写真・ポスターの内容を説明し、学んだテーマや文化との関係を言語化します。
次に3〜4分ほど質問応答が実施される流れです。
その後の3〜4分で通常の会話を行うことで、対話力が評価されます。
この形式によって「即興で話す力」「対話して考えを広げる力」を鍛えます。
日常的なテーマで自分の意見を説明したり、質問に応えたりすることで、語学力が自然と伸びていく設計です。
Language ab initioとLanguage Bの違い
Language ab initioとLanguage Bは、どちらも外国語を学ぶ科目です。
よく比較されるLanguage ab initioとLanguage Bですが、それぞれで明確な違いがあるので、どんな生徒にどちらが向いているのかを確認しましょう。
対象者【初心者か経験者か】
まず大きな違いとして、それぞれを学ぶ対象者の違いがあります。
■Language ab initio
その言語をまったく学んだことがない人や、ごくわずかな経験しかない人が対象です。
■Language B
すでにその言語を数年学んだ経験がある人向けのコースです。
たとえば5年程度学んだ語学力を生かし、より深く読む・書く・話す能力を伸ばしたいというような人に向いています。
お子様がまったくの初心者なら ab initio、すでに語学の基礎があるならLanguage Bの方が力を伸ばしやすいでしょう。
到達レベル【CEFR A1〜A2かB1〜B2か】
Language ab initioで扱う単語や文法は初心者向けで、授業で使われる文章や音声も簡単なものが中心になっています。
これは語学力を表す国際基準であるCEFRの、A1・A2レベルの力を身につけることを目指しているからです。
CEFR A1は「ごく簡単な日常表現がなんとなく理解できる」レベル、A2は「身の回りのことについて簡単な会話や表現ができる」レベルとされています。
一方でLanguage Bでは、B1やB2レベルの「日常会話はほぼ問題なくできるレベル」を狙う内容が多いです。
Language ab initioとLanguage B の到達レベルには大きな違いがあることを理解しておきましょう。
大学進学や将来への影響
Language ab initioの履修が、受験で有利にはたらく大学もあります。
多くの大学でIB自体が認識されており、ab initioを含む科目構成でも大学受験の資格を満たすことが可能です。
ただしLanguage Bや他の言語科目のHL(Higher Level = 高レベル)と比べ、ab initioは難易度や学習の深さが抑えられています。
そのため語学力が重視される学部(言語学・国際関係・翻訳など)では、有利にならない場合もあるのです。
大学で言語を専門的に学びたい気持ちがお子様にあるなら、English Bなどを履修するようにしましょう。
ご家庭でできるLanguage ab initioのサポート
家庭での保護者様の関わり方によって、Language ab initioへの理解の深まり方が大きく変わります。
ご家庭で実践できるサポートの工夫を紹介しましょう。
実生活にLanguage ab initioのテーマを取り入れる
授業で学んだ内容をご家庭でも使っていくと、学びを定着させる近道になります。
たとえば授業テーマの「Identities(自分らしさ)」や「Experiences(経験)」を、家族の会話に取り入れてみましょう。
・あなたの自分らしさって、どんなところだと思う?
・最近の学校生活で印象に残っているできごとは何?
このような問いかけに学んだ言語で答え、学んだ言語を実際の会話に結びつけられます。
Language ab initioは、言葉を通じて文化や社会を理解する科目です。
家庭でその環境をつくることで、学習と社会をつなげる練習ができます。
役立つ教材リンク
Language ab initioの学習に役立つサイトやリソースを紹介します。
きちんと使えば、普段の学習をさらに充実させたり、復習・演習に役立てることが可能です。
まずLanguage ab initioの基本をしっかり押さえたければ、IB公式サイトの課程情報が最も信頼できます。
シラバス構成・評価方法・テーマ一覧など、科目の全体像を正確に把握可能です。
実践的な演習を重ねたい場合は、次の教材が役立ちます。
IB Language Ab Initio Student Workbook(MIH Unlimited)
4技能(読む・書く・聞く・話す)を段階的に練習できるワークブックになっています。
試験形式に慣れるのにベストな教材です。
IB French Ab Initio Predicted Papers(RevisionDojo)
模擬試験形式の予想問題を収録し、本番に近い形での練習が可能です。
IB Spanish Ab Initio Past Exam Papers(IBSpanish.com)
過去問をPDF形式で閲覧できるサイト。
出題傾向の確認で利用しましょう。
また総合的な教材サイトも紹介します。
これら教材やサイトを活用し、Language ab initioの学習に役立てましょう。
Language ab initioを理解してお子様をサポートしましょう
「Language ab initioの特徴や学習・試験・家庭でのサポート方法」について解説しました。
- お子様が初心者でも、安心して履修できる科目
- 学習内容を把握し、日常とつなげてサポートする
- Language Bとの違いを知り、進路や大学入学後の学習計画を見据えることが大切
- 家庭でも会話を通して、学んだことを言葉で表現する時間を持つ
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