IB Global Politicsを徹底解説!試験とIAで高得点を狙う勉強法

・Global  Politicsってどこから勉強すればいいの?

・Paperごとの解き方のコツが分からない…

・IAのテーマ設定の方法を知りたい!

Global Politicsの試験対策やIAは、一人で取り組むと不安になりがちです。

この記事を読めば、IB Politicsの学習の優先順位・試験ごとの攻略法・IAのしあげ方が整理され、自分に合った戦略が見えてきます。

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IB Global Politicsで成績を伸ばすための2つの基本

Global Politicsで成果を出すには、「試験のしくみ」を理解して学習することが大切です。

まずはGlobal Politicsの基本を知り、日々の学習や演習の方向性をハッキリさせましょう。

Global Politicsシラバスの全体像と政治概念

Global Politicsのシラバスには、全員が共通で学ぶ4つの政治概念があります。

  • Power(権力)
  • Sovereignty(主権)
  • Legitimacy(正当性)
  • Interdependence(相互依存)

これと並行して下記のテーマ的ユニットがあり、このテーマを通して上の政治概念を学ぶしくみです。

  • Human Rights(人権)
  • Development and Sustainability(発展と持続可能性)
  • Peace and Conflict(平和と紛争)

このようにGlobal Politicsはいろんな政治概念を知り、批判的思考や現実とのつながりを学ぶ科目です。

Assessment Objectives(評価基準)を理解して答案につなげる

Global PoliticsにはAOAssessment Objectives:評価基準)という評価基準があり、それに合った答案を作ることが大切です。

評価項目ごとに点数配分・求められる内容を示しており、回答の設計図として活用できます。

たとえばPaper試験は次のような段階評価の枠組みです。

AOAssessment Objectives:評価基準)

AO1:知識と理解
政治概念や政治課題を正確に理解し、資料やケーススタディを使って知識を示す力。

AO2:応用と分析
政治概念や事例を使って、論理的に問題を分析・議論する力。

AO3:統合と評価
いろんな視点や証拠を比較・統合し、政治課題を評価する力。

AO4:適切なスキルの使用と応用
政治の用語や構成を正しく使い、研究や表現を論理的に提示する力。

これに沿って答案を構成すると得点につながります。

より詳しいAOの範囲はIBの公式ガイドを確認したり、学校の先生に確認したりしましょう。

AOを逆算して答案を作る習慣をつければ、目的意識をもって回答する力が身につきます。

IB Global Politicsの政治概念を理解しよう

すでに説明した通り、Global Politicsではいくつかの政治概念があります。

これらを押さえれば政治現象を分析しやすくなり、一貫した回答やIAの作成が可能です。

代表的な概念の特徴を確認していきましょう。

Power・Sovereignty

まず「Power(力)」と「Sovereignty(主権)」という概念ですが、これらはGlobal Politicsでの学習の土台となるものです。

Power(力)

相手に行動を起こさせる能力、つまり影響力のことです。

例としては「軍事力」や「経済力による抑止」で、これらはハードパワーと呼ばれます。

また映画・音楽・ニュース報道などを通じて、人の考え方や価値観に影響を与える「ソフトパワー」も含まれます。

Sovereignty(主権)

ある国が他国の干渉を受けず、自国を支配・統治できる権利のことです。

「国家の独立性」を表しています。

この2つの概念はPaperやIAでも頻出です。

たとえばPaper 2では「どのように国家が力を行使し、主権を維持しているのか」を論じると高得点につながります。

Legitimacy・Interdependence

次は「Legitimacy(正当性)」と「Interdependence(相互依存)」という概念です。

Legitimacy(正当性)

国のルールや政府・政党が「人々から認められているかどうか」を表します。

例えば選挙で選ばれた政党は「みんなが選んだから正しい」と考えられやすいですが、これが正当性の一例です。

Interdependence(相互依存)

資源・経済・安全保障などを通して、国や地域がお互いに依存している関係を指します。

たとえば貿易における輸出国・輸入国の関係や、環境協定のような協力関係がそれに当たります。

この2つは論述やIAの分析のときに、「なぜこの政党が支持されるのか」「国家どうしの協力が必要な理由は何か」といった視点の切り口となる概念です。

Human Rights・Development and Sustainability・Peace and Conflict

「Human Rights(人権)」「Development and Sustainability(発展と持続可能性)」「Peace and Conflict(平和と紛争)」は、セットで学ばれる政治概念であり、学習テーマでもあります。

Human Rights(人権)

すべての人が年齢・性別・人種などに関係なく、当然持つ「基本的な自由と権利」を意味します。

世界共通の価値とされる概念です。

Development and Sustainability(発展と持続可能性)

国や地域が「経済的・社会的に豊かで、安定した状態」になることを指します。

単に経済成長するだけでなく、誰も取り残されない社会を作ることが求められるという概念です。

Peace and Conflict(平和と紛争)

争い・暴力の原因と解決を学ぶ分野の概念です。

ただ戦争がない状態というだけでなく、不公平や差別も解消し、調和のある社会を築くことを指します。

試験やIAで「なぜある国の政治が安定しているのか」「なぜ対立が解消されないのか」といった問いに答える際、これらの政治概念を使って回答します。

IB Global PoliticsのPaper 1・2・3攻略法

Global Politicsの試験はPaper 1・2・3に分かれており、それぞれ異なる力を測る設計です。

Paperごとの特徴を理解して学習すれば、出題形式に振り回されず得点できます。

各Paperの攻略ポイントを確認しましょう。

Paper 1【資料分析の型をマスターする】

Global PoliticsのPaper 1は「資料(テキスト・図表・写真など)を分析する力」を試す試験です。

SLでもHLでも同じ問題形式で受験し、75分で実施されます。

なおSLでは外部評価全体の30%・HLは20%の配点です。

4つの資料に対し、以下のように4つの質問が出題されます。

  • 質問1(3点):資料の理解(AO1:知識と理解)
  • 質問2(4点):資料の論点や用語を解釈(AO2:応用・分析)
  • 質問3(6点):2つの資料の比較/対比(AO3:統合と評価)
  • 質問4(12点):資料を評価し、自分の知識と組み合わせて論じる(AO:適切なスキルの使用と応用)

このように「AOに応じた解答構成と配点」を意識することが大事です。

・資料を読む前に出題形式と配点を確認して、解く順番を決めよう!

・質問ごとの回答の型を意識して進めよう!

このように考えられるようになるため、Paper 1の得点力をアップできます。

Paper 2【論述問題の構造と高得点のカギ】

Paper 2は論述力を問う試験です。

次の流れで論述を進めるよう心がけましょう。

① はじめに質問を分解して意味を理解する
まず「指示語(command term)」を読み取り、問いが何を求めているかを正確に把握しましょう。
② 構成を明確にする
「導入・本論・結論」の構成で論述します。
導入では問いの「背景」と「論点」を明確にしましょう.
本論では自分の意見と想定される反論も扱い、「Power」や「Sovereignty」などの概念や例で裏づけをします。
③ 結論で自分の立場を最後に伝える
主張を再提示し、「問いがなぜ重要だったか」をしっかり示すパートです。

この構成を意識すれば、説得力のある答案を書きやすくなります。

「指示語(command term)」について詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでください。

Paper 3(HL限定)【時事と理論を結びつける方法】

Paper 3はHL受験者だけの試験です。

まず文章・図表・グラフなどの資料を読み解くことがスタートになります。

  • 気候変動
  • 貧困問題の統計データ
  • 政策の一部

こういった資料を次の流れで読み解き、問いに答えるためのヒントとして活用しましょう。

Paper 3資料の使い方

① 資料を読み取り、「これは環境問題を取り扱っている」「貧困と経済政策の関連を示している」などを把握する。

② 「Power」や「Interdependence」などの概念と、自分が調べた実例と結びつけながら、資料の裏付けにする。

③ 「理論 → 実例 → 解決策」の流れで答案を組み立てる。自分の研究や事例を使って理論を説明し、最後に現実的な対応策を提案する。

この構成を守れば、Paper 3で求められる応用力と分析力を示せます。

IB Global PoliticsのIAをしあげるためのポイント

IA(Internal Assessment)は自分で選んだテーマを調査・分析し、レポートにまとめる課題です。

自分の興味を活かして学べますが、テーマ選びや構成を失敗すると得点につながりません。

ここではIAをしあげるためのポイントを紹介します。

失敗しないテーマ選びの基準

Global PoliticsのIAでは、テーマ選びこそが勝負の分かれ目です。

テーマは必ず「自分が関心を持てる政治課題」を選びましょう。

自分の実体験と結びつけられるテーマは、レポートに独自性と説得力を持たせられます。

たとえば生徒会役員の投票に参加した経験は、「選挙が社会や政治にどう影響するか」という現実の政治のしくみを感じるきっかけになりますね。

また選ぶテーマは「Power」や「 Sovereignty」などの政治概念とつながっていることも必要です。

上の投票の例だと、次のように概念と結びつきます。

「自分たちで役員を選んだから納得できる」→Legitimacy(正当性)

「クラスの意見が政策や活動に影響を与えると感じた」→Power(権力・影響力)

最後に、「IAのための活動を自分から行えているか」も重要です。

文献を読むだけでなく、インタビューやイベント参加などを通じて政治課題に接していると、その経験をIAに盛り込めます。

関心のあるテーマ選び・概念との結びつき・積極的な活動の3つで、IAを充実させましょう。

Engagement Projectの進め方と評価基準

上で触れた「自分から行う活動」をEngagement Projectといいます。

ここでは活動そのものをどう計画し、評価基準に沿ってまとめるかがポイントになります。

例えば生徒会の選挙を活動の題材にした場合、取り組みを下の流れでまとめればレポートの完成度が高まります。

① 政治課題にどう関わったのか

②そこからどんな学びを得たのか

③理論や概念にどう結びつくのか

また評価基準は次の4つに整理されます。

評価基準A~D

  • A:課題設定の明確さと取り組みの適切さ
  • B:活動の記録・そこから得られた気づきの具体性
  • C:政治的概念や理論を使った深い分析
  • D:複数の視点からの総合的な評価

つまりEngagement Projectは「自分の体験をIAの分析・評価に落とし込む取り組み」ということです。

IB Global Politicsで避けたい4つの落とし穴

Global Politicsで高得点を取るには、知識だけでなく「やってはいけないこと」を避けることも重要です。

受験者がやってしまいがちな4つの落とし穴を、具体的に紹介します。

Grade boundariesを見落とす

PaperやIAではGrade boundary(級境界点)を意識しないといけません。

Grade boundaryとは各評価レベル(1~7)に必要な最低点の目安のことです。

試験の難易度や受験者全体の成績に応じて、その年ごとに調整されます。

この基準を知らずに勉強すると、目指している得点に届かない可能性が高いです。

Grade boundaryを把握すれば、目指す目標が分かりやすくなります。

・Paper 1では19以上、IAでは16以上を目指す!

・Paper 2では49を取るぞ!

このように超える基準が明確であれば、勉強のモチベーションもアップします。

論証の根拠が不足している

根拠なしで自分の意見だけ書いても、高得点は得られません。

背景情報・統計・過去の実例がなければ、説得力が落ちてしまうからです。

多くのIB生が「ただ事実を並べているだけ」「具体的な例が足りない」と指摘されています。

以下の方法を取り入れて改善しましょう。

具体例を使う

実際の国や地域の事例を挙げて、主張を裏付けるとより説得力が増します。

反論も意識する

自分の主張と反対の意見を簡単に紹介し、それをどう退けるかを示せれば、論理の広がりが出ます。

「根拠不足」を避ける工夫をすれば、説得力のある答案を作成できます。

暗記だけで批判的思考を軽視する

Global Politicsでは「Power」や「Sovereignty」などの政治概念を、現実の出来事や自分の経験と結びつけて考えなくてはいけません。

ですので暗記だけで乗り切ろうとするのは大きな落とし穴です。

たとえば「国家間の相互依存が深まっている」と書くだけではなく、

  • なぜ互いに依存するようになったのか
  • どんな利点や問題があるのか

このように検証すれば、答案に深みが出ます。

知識をつけるだけでなく、知識を使った分析や検証をする習慣をつけましょう。

ケーススタディをただの事例紹介で終わらせてしまう

ケーススタディ(実例)をただ紹介するだけでなく、概念と結びつけることを忘れないようにしましょう。

「現実の事例を理論とつなげて分析できるかどうか」が評価ポイントとなります。

たとえば「南シナ海の領有権争い」を取り上げるとしましょう。

「どの国がどこを主張しているか」だけではなく、概念に基づいて下記のことが書けるとベストです。

「どのように自国の力の行使しているか?」(Powerの概念)

「何を根拠に主権を主張しているか?」(Sovereigntyの概念)

ケーススタディは政治概念と結びつけ、分析することがカギです。

IB Politicsの攻略法を把握してハイスコアを目指そう

「IBのGlobal Politicsで成績を伸ばすための学習と試験対策のポイント」を解説しました。

  • シラバスの全体像と評価基準を理解し、答案を逆算して準備することが大切
  • PowerやSovereigntyなどの政治概念を実例と結びつけ、批判的思考を示すことが得点のカギ
  • Paperごとの出題形式に合わせた解答の型をマスターし、時間配分を意識する
  • IAでは主体的な活動と概念分析を結びつけ、評価基準に沿って論理的にまとめることが必要

・IAのテーマの設定に自信がない…。

・Paperでどう論理を組み立てればいいの?

・効率的に学習して高得点を狙いたい!

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