・PhysicsのHLって本当に取ったほうがいいの?
・IAのテーマがまったく思いつかない…
・物理が苦手で、大学進学にどう活かせるかも分からない
IBのPhysicsは高く評価してもらえる科目ですが、内容が難しいので、独りで対策するには限界を感じる方も多いです。
そんな方のために、Physicsで高得点を狙うための学習法・IAテーマの考え方・進路への活かし方まで、詳しく解説していきます。
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Contents
IB Physicsでつまずく2つの原因
Physicsで成績が伸びない理由は、「学習方法」や「思考アプローチ」に原因があることが多いです。
つまずきやすい2つの原因と、それぞれの対処法を解説していきます。
原因①:「量」に頼った学習をしている
Physicsの成績が伸びない生徒の共通点。それは、「量」に頼った学習をしていることです。
- ノートを丁寧にまとめる
- 教科書を何度も読み返す
- ひたすら問題を解く
これらは一見良い勉強のしかたに見えますが、内容を理解できていなければスコアに反映されません。
特にPhysicsでは、知識だけでなく「なぜそうなるのか?」を説明する力が問われます。つまり、「物理法則の意味」や「現象の因果関係」を、自分の言葉で説明できなければいけません。
ただの暗記・演習の繰り返しで止まってしまっているようでしたら、スコアが伸びないので注意しましょう。
原因②:「わかったつもり」で止まっている
Physicsを学ぶ多くの生徒が、教科書や授業で「なるほど」と感じた段階で、理解したと勘違いしてしまっています。
しかし、実際に問題を解いてみると手が止まり、実は理解できていなかったことに気づくことも多いです。
「見る→わかる」だけでなく、「説明できる→問題が解ける」までできれば、理解が定着したと言えますね。
「本当に理解できているか?」を自分に問いかけながら、勉強することが大切です。
どうしてこの式は成り立つんだろう?
この現象はどんな力が働いているんだろう?
このように自分に問いかけ、説明できるようにしておくことが、スコアアップにつながります。
IB Physicsの新シラバスにおける5テーマ
2025年からの新シラバスによって、Physicsは5つの大テーマが作られました。ここでは、それぞれのテーマの狙いや理解のコツを解説します。
Space, Time and Motion(時空と運動)
この単元では、物体の運動と力の関係について学びます。「ニュートンの運動の三法則」や「運動グラフの読み方」など、Physicsの基礎に必要なテーマです。
■「Space, Time and Motion」で学ぶ内容
- 位置、速度、加速度の関係
- ニュートンの運動の三法則
- 力と質量と加速度の関係(F=ma)
- 速度・加速度のグラフ分析
- 力のベクトル(張力・摩擦・垂直抗力など)
このテーマでつまずきやすいのは、「グラフ」や「数式」をなんとなくで理解してしまうことです。たとえば、複数の力が働くときのベクトルを正確に理解せず、向きや大きさを正確に捉えられないなどですね。
理解するためには、「図で表す」ことを意識しましょう。問題文を読んだら、まず図を描き、どんな力が働いているのかを目で整理します。
グラフも形の意味を理解し、「現象とグラフ数値にどんなつながりがあるのか」を自分の言葉で説明できるよう練習しましょう。
Particulate Nature of Matter(物質の粒子性)
物質が目に見えない小さな粒子(原子・分子)でできていることを前提とし、温度・圧力・熱エネルギーなどとの関係を学びます。
■「Particulate Nature of Matter」で学ぶ内容
- 粒子モデルと温度の関係
- 比熱容量と状態変化
- 潜熱と熱エネルギーの出入り
- 気体のふるまいと理想気体の法則(pV = nRT)
- 圧力と体積、温度の関係(ボイル・シャルルの法則)
目に見えない粒子の動きを想像しないといけません。エネルギーの変化をしっかりイメージできないまま、公式だけに当てはめてしまうと理解が進みにくくなります。
理解しやすくするために、身近な現象(湯気が出る、鍋が沸騰する)などと結びつけながら学習しましょう。YouTubeなどの動画や図を使って「粒子の動き」を目で理解するのもオススメです。
Wave Behaviour(波動)
この単元では、音や光などの波の性質・波の伝わり方・干渉や反射といった、波特有の現象を学びます。
■「Wave Behaviour」で学ぶ内容
- 横波・縦波の違い
- 波の伝播速度と周波数
- 波の重ね合わせ、干渉、定常波
- 音波の特徴(振幅・音速・ドップラー効果)
- 光の干渉・回折・屈折
波の動きは直感で捉えにくいです。干渉や定常波のような現象は、頭の中で整理しづらい点が難しいです。
まずは実験のシミュレーションや動画で、波の動きを目で見て確認し、その後に図を描いて言葉で説明する練習を重ねていきましょう。
Fields(場)
重力・電気・磁気といった力を「空間の中に存在する場の影響」として学びます。応用範囲も広い分野です。
■「Fields」で学ぶ内容
- 重力場と重力加速度
- 電場と電位差(電気力線)
- クーロンの法則
- 磁場と電流・磁石の関係
- 複数の場の重ね合わせ(スーパー・ポジション)
「場」は目に見えず抽象的なので、力の向きや重ね合わせが感覚的に理解しづらくなりがちです。
場を「力が届く範囲」と考え、やはり図や矢印を使ってイメージするようにしましょう。電場・磁場の実験動画も理解を助けてくれます。
Nuclear and Quantum Physics(原子核・量子)
原子・光の性質・放射線など、高度で抽象的な内容です。大学レベルの基礎にもつながる内容を学びます。
■「Nuclear and Quantum Physics」で学ぶ内容
- 原子構造と放射線(α、β、γ崩壊)
- 質量欠損と結合エネルギー
- 光電効果と光の粒子性
- エネルギー準位と電子の遷移
ボーアモデルとスペクトル線
学ぶ現象が小さすぎて目に見えず、日常とのつながりが薄いので理解が難しいことも多く出てきます。
まず「何を説明したいテーマなのか」を明らかにし、図や動画でイメージしましょう。式の意味を理解しながら使うことが大切です。
IB PhysicsのIAで高評価を取るためのテーマ設定
IA(Internal Assessment:内部評価)では「物理的な探究活動」をする中で、次のような力を身につけます。
- 仮説を立てる力
- データを収集・分析しする力
- 結論を導き出す力
ここで重要になってくるのが「テーマ設定」。どんなテーマを選ぶかで、IA全体の方向性が決まります。ここでは、テーマ選びで意識するポイントを詳しく解説しましょう。
避けるべきテーマ例|評価が伸びない原因
IAで避けるべきテーマの例は次のものです。
- 結論がすでに明らかなテーマ
- 分析が浅くなりやすいテーマ
- 実験の再現が難しいテーマ
- 日常の観察レベルで終わってしまうテーマ
たとえば、「振り子の周期と長さの関係」「ボールの落下運動」などは、一見扱いやすそうに見えますよね。ですが、データの収集・分析が単純で、オリジナリティや深掘りが難しく、高評価につながりにくくなります。
「自転車のブレーキ距離と速度の関係」は、実験する人や物によって結果が変わるので、避けるべきテーマです。
「素材が異なる靴下の、摩擦力の比較」も、摩擦力の正確な測定や再現が難しく、生活実感の範囲のテーマなので、評価につながりません。
誰でも思いつくような単純な実験ではなく、「なぜその現象を調べるのか」がはっきりしていて、測定や検証が工夫できるテーマを選びましょう。
高得点者がやっている「問い」の立て方・検証方法
IAで高得点が取れる生徒は、「なぜそのテーマを調べるのか」という問いを最初に立てています。
たとえば以下のような違いです。
悪い例:「ペットボトルロケットの飛距離に影響する要因を探る」
いい例:「発射角度が飛距離に与える影響は、放物運動の理論通りか?」
このように、やみくもに実験するのではなく、「物理的な仮説」と「検証結果」が結びつく問いを最初に立てることが大切です。
検証方法における、次のような要素の精度も高くするよう、高得点者は心がけています。
- 感想ではなく、数字を使った測定
- 実験ごとに変わる数字(飛距離や温度)のチェック
- 実験の回数
- 実験誤差への考察
「問いの質」「検証の説得力」の両方を大切にし、IAの得点を伸ばしましょう!
考察と結論の書き方のコツ
結果をただ述べるだけでなく、「なぜそうなったのか」を論理的に説明する力が、IAでは必要です。
たとえば、グラフの傾きが期待と異なったなら、「ミスかもしれない」だけで終わらせるのはNGです。
・物の動きが速すぎて正確に測れなかった
・使った道具の精度に限界があった
このように、ズレが生じた理由を分析してしっかり書きましょう。
そして結論で、「今度はどうすればもっと正確な実験ができるか」も書き添えると、ちゃんと理解していることが伝わります。
数字による結果も大切ですが、自分の考えも書いていきましょう。
IB Physicsでスコア7を狙う人の勉強方法
Physicsの高得点を取る生徒は、「勉強すべき順序」や「情報の整理のしかた」を知っていて、自分のスタイルを持っています。
Physicsで7を狙う生徒の勉強法と、すぐに取り入れられる工夫を紹介します。
定義から覚えよう
Physicsで高得点を取る生徒は、「定義」を覚えることからスタートします。
たとえば「速度」という用語を、ただ暗記するだけでは終わりません。
- 「どれだけ速く、どの方向に進んでいるか」を表すもの
- 毎秒3メートル」だけだと速さ、「東に毎秒3メートル進んでいる」は速度
このように、自分の言葉で説明できるレベルまで理解します。
定義があいまいだと、応用問題で何を聞かれているのかが分からなくなることも。定義を固めて知識をつければ、いろんな問題に対応できます。
定義を理解するクセをつけ、理解と応用力を伸ばしていきましょう。
Paper1・2の違いと勉強ポイント
Physicsの筆記試験は、Paperごとに形式と求められる力が異なります。
■Paper 1対策
- 選択式とデータ解析問題
- 定義・単位・グラフ読み取りの精度を高める
- 「公式の使い分け」や「定義の暗記」が大切
- 小テスト形式の反復練習を日々行うのが効果的
■Paper 2対策
- 記述と計算の組み合わせが中心
- 記述形式の問題・計算問題の両方を演習する必要がある
- 「計算方法」や「説明の根拠」を言葉にする力が問われる
- 「なぜその式を使うのか」を説明できるようにしておく
Paperの学習には過去問を活用しましょう!それぞれの特徴を理解し、対策できるようになります。
問題の型を理解し、試験ごとに対策をしましょう。
今すぐ取り入れたい3つの習慣
Physicsで高得点を取るために、3つの習慣をつけていきましょう。
■シラバスを把握する習慣
2025年から統一された5つのテーマで、「どの単元が試験に出やすいか」「どの順で学ぶと、テーマどうしのつながりが理解できるか」を理解しておくと、Physics全体が理解しやすくなります 。
■IA(Internal Assessment)の下書きを早めに始める習慣
テーマ選び・実験方法・グラフやデータ整理など、書いて考えれば頭の中が整理されます。評価される構成を早く作れるようになりますので、少しずつ準備を進めていきましょう。
■毎週の演習習慣
ペーパーごとの出題形式に頭を慣らしておけば、どんな問題も解けるようになります。少しずつの演習量でもいいので、1週間の勉強スケジュールを立てましょう。
日々の積み重ねがスコアにつながります。先生や塾と相談しながらスケジュールを立てていきましょう!
動画・Study Guide・個別指導の選び方と使い分け
自分の理解度や目的に合わせて、学習ツールやサービスを使い分けることが大切です。必要に合ったリソースを使いましょう。
■動画
「全体の把握」や「目で理解する」にはベストな方法です。難しい内容でも、アニメーションや実験映像なら直感的に理解できますね。
■Study Guide(市販の参考書やIB専用ガイド)
知識の確認や授業の復習に使いましょう。試験前の見直しにも役立ちます。
■個別指導塾
一人では理解するのが難しい分野があったり、IAの指導が必要だったりする場合は、IB専門の個別指導が最も効果的です。特にIAでは、「問いの立て方」や「論理的な展開」のアドバイスが高得点につながります!
それぞれを使い分け、自分に合った最短ルートの理解を目指しましょう。
国際バカロレアアカデミーでは、新シラバスのカリキュラムにも完全対応。
- 週単位のスケジュール作成
- 月ごとの学習チェックとフィードバック
- Paperごとの演習の設計と進捗管理
- IAの徹底指導
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IB Physicsは大学進学・キャリアにどうつながるのか?
IPhysicsで身についた力は、理系進学やその後のキャリアに大きなプラスになります。Physicsと進学・将来の関係を見ていきましょう。
海外大学で評価される「Physics HL」
PhysicsのHLは、海外大学の入学で特に評価されます。
なぜなら、理論と実験のバランスを身につけていて、大学レベルに近い物理的な思考力があると判断されやすいからです。
イギリスの理系学部では「Physics HLの成績が条件に含まれる」というケースも多くあります。アメリカの大学でも、STEAM分野の専攻希望をする生徒にとって、有利になることも多くあります。
Physics HLは他の科目以上に、大学側から「学習の適性」として判断される材料になっているのです。
IBのPhysicsと大学物理の共通点・違い
IBのPhysicsと大学の物理学では、扱う内容に共通点もあります。
たとえば、「運動」「エネルギー」「電磁気」「波」などのテーマはIBでも学びますが、そのまま大学での学びに繋がることが多いです。
ただし、大学ではもっと数学を使って細かく説明する力が必要になります。微分や積分といった高校ではあまり扱わない計算を使って、物理の法則をより深く理解しなければいけません。実験も「正確さ」がより求められ、細かい測定やデータ処理が必要です。
IBではまず「イメージで理解する」ことを大事にしているので、数式に入る前の準備段階に近いですね。
IBで「物理の考え方」に慣れておくことが、大学での学習をスムーズに進めるカギになります。
Physicsを活かした進路例
Physicsで身につく「数理的に物事を考える力」や「複雑な現象をモデル化する力」は、さまざまな分野の仕事で必要になります。
■AI・データサイエンス分野
物理で使う数式や統計処理は、AIの機械学習やビッグデータ分析に似ている部分が多く、分析力が必要なのでPhysicsの力が活用できます。
■エネルギー・環境分野
熱力学・波動・電気などの知識は、再生可能エネルギーや発電技術の基礎なので、環境工学や資源系の分野で活かせます。
■航空宇宙・機械分野
力学・流体力学・運動の法則などIBの基礎物理は、ロケットや航空機の設計にも関係する大事な知識です。
これらの分野ではIBのように「なぜこうなるのか」を深く考える力も必要なので、Physics HLを履修していることが強みになります。物理を学ぶことで、選択肢の幅を大きく広げることが可能です。
IB Physicsで結果を出すために大切な5つのこと
「Physicsで高得点を狙うための勉強法やIA対策、進路への活かし方」について解説しました。
- シラバスのつまずきやすいポイントと克服法を知ることが大切
- Physics HLは理系進路の中でも特に評価されやすい
- IAでは「テーマ選び」と「問いの立て方」がスコアに直結する
- 過去問はPaperの特徴ごとに戦略的に活用しよう
- 大学・キャリアでもIB Physicsの学びは強力な武器になる
・IAのテーマが見つけられず止まってしまいました…
・独学では点数が伸びず、方向性が正しいのか不安
・志望大学にPhysics HLがどう活きるか、明確に知りたい!
そんな方は、国際バカロレアアカデミーの個別指導・進路サポートをご活用ください!