・IBスコアってどのくらい必要?
・Predicted GradeとFinal Scoreの差を埋める方法がわからない…
・EEやTOKの具体的な戦略を知りたい!
IB受験では、スコアについてわからず不安になることがありますよね。
この記事を読めば、国内外大学のIBスコア基準・科目別の得点アップ戦略・バウンダリーやEE/TOKでの得点方法まで理解できます。
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Contents
IBスコアの仕組みを知って不安をなくそう
IBスコアは45点満点。その内訳や評価方法を理解すれば、自分の現状と課題が分かります。
まずはスコアの計算方法・Predicted GradeとFinal Scoreの違い・バウンダリーによる変動など、IBスコアの全体像を整理して不安を解消しましょう。
IBスコアの計算方法
IBスコア45点の内訳は「6科目の成績(最大42点)」+「TOK(知識の理論)とEE(エッセイ)によるボーナス(最大3点)」です。
6科目はそれぞれ1~7点で点数がつき、「HL(高レベル)」「SL(標準レベル)」ともに同じ配点になっています。
その最大42点に、TOKとEEのボーナス3点が付与され、最大45点です。
ちなみにCAS(創造性・活動・奉仕)は必須ですが、点数には影響しません。未達の場合はディプロマが授与されないので、取り組む必要はあります。
このようにIBスコアの計算方法を理解しておけば、自分はどこが強く、どこを伸ばせばよいかが見えてきます。
Predicted GradeとFinal Scoreの違い
IBのスコアにはPredicted Grade(予測スコア)とFinal Score(最終スコア)の2つがあります。
- Predicted Grade:大学出願前に先生が見込んだ成績
- Final Score:実際のIB試験結果による公式スコア
Predicted Grade は模擬試験・内部評価・授業態度などから先生が判断し、「入学までに特定の条件(例:最終試験で⚪︎点以上取得 など)を満たせば入学が認められる」という「条件付き合格」の判断材料として使われるものです。
Final Scoreは外部試験や内部評価をIBが評価した結果であり、合格の最終判断になります。
注意したいのが、Predicted Gradeで40点を目指して進路相談を進めていても、Final Scoreが38点になった場合、条件付き合格が取り消されるリスクがあることです。
逆にいえば、Final ScoreがPredicted Grade以上なら安心ということですね。
Predicted Gradeと Final Scoreの違いを理解し、それぞれのスコア対策が大切です。
スコアが動く「バウンダリー」とは?
バウンダリーとは、科目ごとの成績を1〜7の評価に変換するときに設けられる「得点の境界ライン」です。
毎回の試験ごとに、「試験の難易度」や「受験生全体の成績」を考え、統計と専門家の判断でバウンダリーをIBが設定。
その結果、同じ点数でも成績評価が変わることがあり、
例えばある年では正答率80%がスコア6の最低ラインでも、試験が難しかった別の年には78%でもスコア6となる場合も。
これによってPredicted GradeよりFinal Scoreが期待より低くなってしまう可能性が出てきます。
バウンダリーの調整によるPredictedとFinal Scoreのギャップを防ぐため、バウンダリーの最新傾向にも注意しましょう。
自分のIBスコアが全体のどれくらいなのかを知る方法
世界・日本のスコア平均と自分のスコアを比べ、今自分がどの位置にいるのかを知ることは大切です。進学の選択肢や、今後伸ばすべき科目が見えてくるからです。
ここでは、最新の平均スコアの推移・スコアインフレの影響・合格基準との差の見極め方を解説し、現在の立ち位置を分析する方法を紹介しましょう。
世界/日本平均スコアの移り変わりと傾向【2025年版】
統計処理されたIBスコアが毎年発表されます。
2025年5月の世界平均スコアは 30.58点で、前年度の30.32点からほぼ横ばいです。
またディプロマ取得者の平均も、 30.3点でほぼ一致しています。
世界平均は全受験者(合格者+不合格者)を含むので、やや低めに出ます。ディプロマ取得者平均は合格者(24点以上)だけで算出するため、世界平均より高くなることがほとんどです。
なお日本では、K.インターナショナルスクール東京が平均42.0点、広島叡智学園高等学校も32.5点を記録し、世界レベルを上回る成果を出しました。
自分のスコアを判断する際には、世界・日本平均と比べ、自分の位置づけと目指すべき目標を明らかにしましょう。
IBスコア「インフレ現象」によるスコアの価値の変化
IBスコアの「インフレ現象」とは同じ点数でも時代によって価値が変化することを指します。
近年では「40点=安全圏」とは言い切れません。志願者と高得点者の増加・上位大学の高い要求水準により、40点の価値が変化してきているからです。
2021年の40〜45点取得者は15,513名で、前年の9,701名より大幅増となり、ハイスコア層が厚くなりました。その一方で、出願競争は高水準のままです。
もちろん40点は高得点ですが、さらに差別化するためには、科目選択・Predicted Grade→Final Scoreの上げ幅・TOK・EEの質など戦略設計が必要です。
目標スコアとの差を見える化しよう
自分のIBスコアと志望大学の合格ラインを比較すると、必要な対策が見えてきます。
先に解説したとおり2025年の世界平均は30.58点で、上位大学には38〜42点の高いスコアが必要です。このギャップを把握すれば、どれだけスコアを伸ばすべきか判断できます。
例えばトータルスコア34点の学生が、ケンブリッジやオックスフォードなどを目指す場合、目安の40点まであと6点が必要。それが分かれば「HL科目で6→7を目指す」「EEやTOKで高評価を狙う」などの具体策が見えてきます。
スコアの差が明らかになれば、自分に必要なアクションと目標が分かりやすくなります。
IBスコア別で狙える国内・海外大学は?
国内の大学ごとに、IB入試や総合型選抜で必要なスコアが異なります。海外大学でも国・地域・専攻によって、点数やHL科目要件が細かく設定されているのでチェックが必要です。
国内大学と海外大学のIBスコア要件をスコア帯ごとに整理し、大学ランキング・出願条件・目標スコアごとの進学戦略を解説します。
国内大学のIB入試で必要なスコア
多くの国内大学では、IBスコアを含めた総合評価での合否判断になりますが、明確な基準は設けられていません。
一方で医学部などの一部では、具体的なスコア要件が公表されています。
大学名 | 学部・学科 | 必要スコア(目安) |
---|---|---|
横浜市立大学 | 医学科 | 40点以上 |
東北大学 | 医学科 | 38点以上 |
筑波大学 | 全学群 (文系・理系など) | 36点以上 |
長崎大学 | 多文化社会学部 | 32点以上 |
岡山大学 | 医学科 | 30点以上 |
関西学院大学 | 全学部 | 24点以上 |
志望大学・学部の募集要項にスコア基準が書かれているかを早めに確認し、計画を立てることが重要です。
スコアが足りなくても、EE・TOKや面接など他の要素でカバーできるので、諦めずに取り組みましょう。
海外大学のIBスコア要件と傾向【欧米・アジアの代表例】
世界トップ大学では、IBスコアが38点以上で志望できるケースが多くなっています。
以下、欧米やアジアの大学例です。
大学名 | 地域 | 必要IBスコア(目安) |
---|---|---|
ハーバード大学 | 米国(アイビーリーグ) | 42~45点 |
スタンフォード大学 | 米国 | 40~44点 |
オックスフォード大学 | 英国 | 38~42点 |
ロンドン大学 | 英国 | 36~40点 |
香港大学 | 香港 | 最低35点、一般は37~42点 |
各大学・学部ごとで要件が異なるため、海外でも出願情報をしっかり確認しましょう。
大学ランキングとスコアの相関関係
当然ですが、ランキング上位の大学ほど必要なIBスコアが高い傾向にあります。
QSやTHEといった有名ランキングを見ても、上位大学は「学術的な評価」や「研究力」の高さが特徴であり、そのぶん入学にも一定以上の学力が必要です。
ですのでランキングと必要なIBスコアには相関があるといえます。
大学名 | ランキング (QS/THE 2025) | 必要なIBスコア目安 |
---|---|---|
オックスフォード大学 | QS 3位 / THE 1位 | 38〜40 |
ケンブリッジ大学 | QS 2位 / THE 5位 | 40〜42 |
スタンフォード大学 | QS 5位 / THE 3位 | 40〜42 |
シンガポール国立大学 | QS 8位 / THE 19位 | 37〜42 |
志望校のランキングや学部の競争率を参考にし、スコア目標を設定するといいでしょう。
IBスコア以外の大事な評価要素
IBスコア以外に、英語能力・科目選択・課外活動・エッセイなどの評価が合否に影響します。
特にアメリカの大学では、IBスコアだけでなく、IBのコース内容・CASやEE・英語力(TOEFL/IELTS)なども踏まえ、総合的な判断をします。
イギリスでは志望学部に応じたHL科目の内容も重要視していますよ。
スコアを伸ばすだけでなく、科目選び・英語力アップ・課外活動も取り組んでいきましょう。
IBスコアを最大限に活かすための戦略
せっかく努力して取ったIBスコアも、活用方法を間違うと価値を発揮できません。
IBの国際的な力を最大限に活かすためには、出願先の要件や評価方法を理解し、スコア以外の要素と組み合わせ、戦略的に活用することが大切です。
Final Scoreを上げる方法
Predicted GradeとFinal Scoreの差を小さくするには、あなたが苦手な科目・単元をはっきりさせ、短期間で成果を出すための学習をすることが必要です。
まず模試や過去問演習で弱点を見つけ、1〜2か月集中して克服の対策をします。
そしてその後に提出する課題や模擬試験の結果で、1〜2か月前より成績が上がったことを数字やグラフで示せば、努力の成果を証明することが可能です。
このような具体的な証拠を作れば、大学出願時にPredictedスコアが低めでも学習意欲や成長をアピールできます。
EE・TOKの高評価を狙う方法
EEとTOKの高評価には、「自分の得意分野からテーマを選ぶ」「使う視点(WOK/AOK)を意識する」ことが大切です。
たとえばEEで最高評価のA評価、TOKでB評価が得られれば高評価となり、ボーナス点がつきます。そのためには「テーマ選び」や「論理構成」が重要です。
■EEでの工夫
自分が得意な科目・興味あるテーマで調査を行えば、最後までモチベーション高く研究できます。しっかり取り組んで研究プロセスや結論を明確に書けば、A評価を取ることも可能です。
■TOKでの工夫
感情(Emotion)や理性(Reason)などのWOK(知識の方法)をいくつか使い、知の領域(AOK)と関連づけた論理構成が、評価者の評価を高めます。
EEやTOKの具体的な戦略について知りたい方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
バウンダリーを味方につけるスコア戦略
試験で高く評価されるためには、「過去の傾向から推測されるバウンダリー」より数パーセント上の得点を目標にし、余裕を持った学習をすることが大切です。
すでに解説したとおり、バウンダリーは「試験の難易度」や「受験者の平均点」などによって調整されます。そのためスコア7を取るにも、年によって必要な点数が変わります。
ですがバウンダリーは試験終了後に発表されるので、バウンダリーの過去データを基準にして、過去の基準より少し上を狙う戦略が大事になるということです。
例えばバウンダリーの過去データより、「数学SLで7を取るには全体の75%を解く必要がある」という予測が立ったとします。それを1〜2ポイント上げた、77〜78点を目標とするのがベストな計画です。
RevisionDojoやIB Predictといったツールを使えば、「あとどのくらいで7になるか」を確認できるのでオススメですよ。
過去のバウンダリーを参考に「少し余裕を持った目標点」を設定し、実際の得点との差を確認しながら学習を進めましょう。
IBスコアの不安を解消して選択肢を広げよう
本記事では「IBスコアの活用方法と大学進学戦略」を解説しました。
- IBスコアは大学入試の重要な評価基準で、学部や国によって必要スコアが異なる
- 平均スコアやバウンダリーを活用し、目標スコアとの差を埋める戦略が必要
- Final Score・EE・TOKの得点アップは、計画的な学習と対策が鍵
- IBスコアだけでなく、英語試験(TOEFL/IELTS)・履修科目・課外活動なども大学合格に直結する
- ランキング上位大学は高いスコアが必要。志望校に合わせた早期戦略が可能性をアップさせる
・志望大学のIBスコア基準に到達できるか不安…
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