【実例あり】差がつくIB CASの進め方!大学進学に活かす方法も伝授

・CAS活動って何をすればいいの?
・リフレクションで何を書けばいいのか分からない…
・CASって大学出願にも関係ある?

CASは自由度が高い分、自分で考えて動く力が必要なので、何をどうすれば評価されるのか分かりづらいですよね。

でもご安心ください。この記事では、IB生が悩みやすいCAS活動の進め方から、リフレクションのコツ、大学出願につなげる方法まで解説します。

世界トップレベルのIB卒業生による個別指導が受けられるIB専門塾「国際バカロレアアカデミー」なら、大学受験で評価が高かったCAS活動のアイデアを提供し、計画を一緒に立てられます。

IB CASを計画的に進める3ステップ

IBの勉強とともにCASを進めるためには、計画性が何よりも大切です。まずは、時間の使い方・活動の選び方・記録の残し方について説明していきます。

①現実的なスケジュールを逆算で立てる

CASを期限までに完了させるためには、逆算スケジュールを立てましょう。

まずは、IB DP2年目終了時のCAS提出締切(例:3月初旬)をゴールとし、そこから逆算して月・週単位の計画を立てましょう。

逆算スケジュールのポイントは次の3つです。

割り当てる時間を明らかにする

週のどこに何時間使うか、例外(テスト期間や休暇中)を含めて一覧にします。

重要期限を見える化する

例えば「夏休み中にプロジェクト提案を完成させる」「12月にポートフォリオ中間レビュー」と、重要なポイントを期限付きで設定します。

アプリでリマインダーを入れる

Googleカレンダーやスマホアプリに「CAS時間」として予定を入れてリマインダー設定し、見落としを防ぎます。

このように、いつ・どのくらい・どんな目的で活動するかを逆算すれば、「いつ始めればいいか分からない」「締切前に余裕がない」ということが減り、勉強との両立も可能になります。

また通常のCAS体験とは別で最低1つ、1か月以上継続する協働型CASプロジェクトも必要です。こちらも短期間で逆算し計画を立てましょう!

②興味や得意なことをCreativity・Activity・Serviceに落とし込む

CASでは、自分の興味や強みを活かせる活動を選びましょう。やりたいことに取り組めば継続もしやすく、深い学びにつながるからです。

CASの活動は、次の3つのカテゴリに分類して取り組むことが求められます。

Creativity(創造性):創作や企画など、創造的な考えが求められる活動

例:絵画を制作して地域展示を開催する

Activity(活動):運動など体を動かす健康的な活動

例:週末にスポーツの指導や試合運営を手がける

Service(奉仕):他の人や地域に貢献するボランティア的な行動

例:家庭教師として児童に勉強を教える

1つの活動で複数のカテゴリを満たした例も。「手作りマスクを地元に配布する活動」は、創造性(Design)と奉仕(Service)を同時に満たせていますね!

自分の「やってみたいこと」「得意なこと」を3つの評価に当てはめ、活動を選びましょう。

③評価基準に合う成果を記録していく

CASは活動の「量」だけでなく、「どのように学び、それを記録・振り返りができているか」も評価されます。

記録のポイントは以下の3つです。

活動ごとにメモを残す習慣をつける

写真や日時も残し、わかりやすく記録しましょう。

7つの学習成果のどれに結びつくか意識しながら感想を書く

後で説明する「7つの学習成果」のうちのどれに当てはまるか考えましょう。

スーパーバイザーに定期的に確認とフィードバックをもらう

担当教員や指導者から「この活動でこんな学びや変化があった」というコメントやサインをもらいましょう。リフレクション(自分の学びや気づきを振り返る文章)も一緒に伝えると、より信頼性がアップします。

こうした記録の積み重ねがCAS活動の「見える化」となり、最終評価でも高く評価され、大学出願のアピール材料になります。

IB CASのリフレクションをうまく書くコツ

CASのリフレクション(振り返り)で評価されるポイントは、「失敗も含め自分の経験をどう捉えたか」という姿勢です。具体的な構成・表現の工夫・誰でも書けるようになるコツをお伝えします。

リフレクションに必要な7つの学習成果とは

CASには、生徒がどのように成長したかを示す「7つの学習成果(Learning Outcomes」という指標があります。リフレクションでは、これらのどれを達成したかを明確に書きましょう。

学習成果評価ポイント
①自分の強みと成長領域を理解する自分の得意なこと・苦手なことに気づき、改善点を見つける姿勢。

例:「リーダー役を任され、自分の調整力に自信を持てた反面、計画性の弱さにも気づき、「次は事前に準備したい」と振り返った。
②新しい挑戦に取り組み、スキルを身につける初めての経験・難しいことに積極的に挑戦し、その過程と学びを具体的に表現できているか。

例:英語のスピーチに挑戦し、練習を重ねて発表できるようになったプロセスを書いた。
③活動を計画・立案し、自ら実行する活動を「やらされる」のではなく、自分で企画・準備・実行できたか。

例:イベントの進行表を自作し、チームを動かした結果や反省点を記録した。
④持続的な努力を続ける途中で困難があっても、粘り強く進めたことを書けているか。

例:モチベーションが落ちた時期をどう乗り越えたか、活動の頻度や工夫について述べた。
⑤他者と協力する力を高める自分の役割や、チームで他者との関係性をどう築いたかを振り返れているか。

例:意見の食い違いがあったときの話し合いや、分担作業の中で気づいたことなどを書いた。
⑥地域・社会・世界の課題に関心を持ち行動する社会課題に対して「なぜそれに取り組んだのか」「どう感じたか」を書けているか。

例:環境保護活動を通じて、身の回りの課題を意識するようになったことを書いた。

「何をしたか」だけでなく「どのように学び、どう成長したか」までをリフレクションに載せれば、自己成長として評価されやすくなります。

リフレクションのテンプレート例

リフレクションを書くときは、「事前(Pre‑reflection)」と「実施後(Post‑reflection)」の両方を書きましょう。下記はテンプレート例です。

事前(Pre‑reflection)

目的:地域の子どもに英語を教えて、言葉での表現力と自信をつけたい

期待成果:人前で話すスキル、協働スキルを手にいれる

準備:週1回・全10回、教材準備、NPOと調整

予測課題:初回は緊張するかもしれない

実施後(Post‑reflection)

結果:全10回を予定通り実施し、子どもたちの理解度が上がった

成功例:教え方を工夫し、生徒からの質問が増えた

失敗例:準備不足で時間が足りなかった → 次回は早め準備へ

学習成果:人に教えるスキル、他の先生と協同するスキル

自己変化:人前で話せるという自信がつき、教える楽しさに気づいた

次回へ:もっと分かりやすい教材を用意する、難しい言葉を噛み砕いて説明する

「期待効果」と「学習成果」は7つの学習成果に沿ったものを書きましょう!

これらの項目で作成すれば、「活動がどのように学びにつながっているか」が分かりやすくなり、説得力のあるCAS記録ができあがります。

良いリフレクションと悪いリフレクションの違い

良いリフレクションとは、その活動を通して何を感じ、どのような学びを得たのか、そして今後にどうつなげていくかを、自分の言葉で丁寧に振り返っているものです。

地域清掃に参加したなら、「楽しかった」「達成感があった」だけで終わってはいけません。

初めて班長として全体をまとめる役割を担当し、計画通りに進める難しさを知った。次回は作業時間に余裕を持った指示を心がけたい。

このように、具体的な経験からの学びや、今後の改善点を盛り込みましょう。

「どんな経験を通じて、何を感じ、どう変わったか」の3点を意識すれば、ただの報告ではなく、自分の成長を示すリフレクションになります。

IB CASポートフォリオをまとめる方法

ポートフォリオとは、CAS活動を記録し、自分の成長や学びをまとめたものです。評価者がひと目で理解できるよう整理する必要があります。

初めてでもポートフォリオをスムーズにまとめられる方法を紹介していきます。

ポートフォリオの基本構成と記録のコツ

CASのポートフォリオは「自分がどのように成長したか」を示すストーリーの集大成です。

基本的な構成は、大きく3つのパートに分けられます。

①活動の概要

活動名・実施した時期・関わった人々・実施目的・対象となるCAS要素(Creativity/Activity/Service)などです。

②活動の詳細と過程

写真・スケジュール表・チャット記録・作成物などを使って、「いつ・何を・どうやって」行ったかを見えるようにします。

③リフレクションと学習成果の達成記録

7つのうちどの学習成果を満たしたのか、それを裏付けるリフレクション(振り返り)を考えましょう。

「活動が終わってからまとめて書こう」とする人が多いですが、時間が経つと忘れてしまいます。思ったこと・感じたことをその場で記録しておくとよいでしょう。

ポートフォリオに書く活動は、決して完璧な内容である必要はありません。むしろ失敗や苦労があり、そこからの学びを書ければ、より説得力のある記録になります。

ManageBacの活用ポイント

多くのIB認定校では、CAS活動を記録・整理・提出できる「ManageBac(マネージバック)」というオンラインシステムを使用しています。これをちゃんと使えば、ポートフォリオ作成の負担を大きく減らせられます。

活動ごとに「活動名」「開始・終了日」「CASの要素(Creativity / Activity / Service)」「学習成果」「リフレクション」などを入力し、証拠ファイル(写真・文書・動画など)をアップロードする仕組みです。

重要なのは、すべての項目を丁寧に埋めること。どれか一つが欠けていても、最終的にCASが認定されない場合がありますよ。

特に注意したいのが、「スーパーバイザーの確認(Supervisor Review)」と「学習成果の達成チェック」です。

各活動には必ず一人のスーパーバイザー(外部講師・顧問・団体代表など)を登録し、活動後に承認してもらう必要があります。依頼して入力しましょう。

7つの学習成果についても、各成果を一度は満たすように活動を計画・記録することが必要です。ManageBacには「どの成果を満たしたか」を選ぶチェック機能があるので、各活動で1つずつ設定し、リフレクションでもその成果を説明するとよいでしょう。

週1回でもこまめに入力しておけば、最終提出前に焦ることもなく、クオリティの高いポートフォリオを作れます。

評価されるポートフォリオの共通点

評価されるポートフォリオには共通点があります。下記を念頭においてポートフォリオを作成しましょう。

■活動の多様性がバランス良く配置されている

→ Creativity・Activity・Serviceのすべてをバランスよく取り入れている。

■活動の長さやタイミングが適切に割り当てられている

→ 活動が18ヶ月間、継続的に行われている。

リフレクションの質が高く、学習成果に紐づいている

→ リフレクションに学習成果との結びつきがしっかり書かれている。

記録の証拠がしっかり揃っている

→ 写真や承認などの証拠がすべての活動に添付されている。

■成果の偏りがなく、全成果を満たしている

→ 7つの学習成果すべてをカバーしている活動が記録されている。

これらの特徴を意識すれば、見た目も中身もハイレベルなポートフォリオを作成できます。

IB CASと教科の勉強を両立させる時間管理術

IBでは、CAS以外にも6教科やコア科目(TOK、EEなど)の課題に取り組む必要があります。なかには「CASに時間を取られて他の勉強が追いつかない…」というIB生も…。

ここでは、勉強とのバランスを取りながらCASを進めるための時間管理のコツを解説します。

1日の中にCASタイムを確保する

まず、平日にCASの時間を組み込んでしまいましょう。

たとえば、放課後や夕方のスキマ時間に「CASタイム」として15〜30分ほどを予定に入れておきます。毎日少しずつ積み重ねれば、大きな目標も自然と達成できますよね!

具体的には、スマホのカレンダーToDoリストアプリを使って、CAS活動としての時間をブロックしてしまいます。

夕食後の30分間「CAS記録&リフレクションを書く」

このように予定を設定しておくと、活動の記録忘れも防げます。

大切なのは「少しずつやる習慣」をつけることです。週末にまとめてやりたくなる気持ちはわかりますが、「今日のCAS」を習慣化しておくと精神的にも楽になります。

毎日のCASタイムの積み重ねが成果につながり、他の学習や課題ともバランスを取りやすくなるでしょう。

短期間で成果が出る活動を選ぶ

短期間で取り組めるCAS活動を選ぶと、学業との両立がしやすくなります。

たとえば、「10回で完結するボランティア」や「1か月で発表できるプロジェクト」など、期限が明確な活動は取り組みやすいです。

  • 手作りキャンドルの製作
  • 販売ワークショップを週2回行う
  • 地域の清掃イベントを計画して実行する

こういった活動は、学習成果の達成とリフレクションの執筆を短いサイクルで行えます。

短期間で成果を出すためのポイントは以下の通りです。

期間を設定する

「4週間で〇〇を作る」「週1回・全8回の講習を開催する」というように、ゴールとスケジュールがはっきりした活動を選ぶ。

成果が見える活動にする

作品制作やイベントの開催など「何かを形にする」タイプの活動は、達成感を感じやすく、やりがいもあります。

リフレクションとのセットを意識

「何を学び、どう成長したか」を一緒に書くことで、学習成果とのつながりがハッキリします。

こういった工夫をすれば、限られた時間内でも勉強とCASで成果を出し、記録しやすい活動を選ぶことが可能です。

モチベーションが下がったときの「リセット法」

CAS活動の中で「やる気が出ない」「意味を感じられない」といった時期があるのは自然なことです。気持ちが沈んだときはうまくリセットし、前向き気持ちに戻してあげましょう。

たとえば、活動ログやポートフォリオを読み返してみます。

これまでにこれだけのことをやってきたのか!

とポジティブに振り返られますよ。

また、「今日は5分だけやる」という日を作るのも、良い再出発の方法です。

他にも、次のような活動もオススメです。

  • 友人と一緒に活動する
  • 写真やSNSに記録して「見える化」する
  • 先生やスーパーバイザーに相談してアドバイスをもらう

気分の波は誰にでもあるもの。「自分なりのリセット法」を持っておけば、学業とCASを両立できます。

IB CASを大学出願に活かす方法

IB CASの活動は、大学出願の大きな武器になります。特に海外大学では「社会貢献」「リーダーシップ」「継続力」など勉強以外の力も見られるため、CASでの取り組みがカギを握ります。CASの経験をしっかり伝えるためのポイントをつかんでいきましょう。

大学側が評価する活動とは?

まず「どんなCAS活動が大学から高く評価されるのか」を理解しておくことが大切です。多くの大学がみているのは、次の3点です。

社会性やリーダーシップを伴う活動

ボランティア団体の立ち上げや、チームのまとめ役など、「他の人と協働して課題を解決する力」が問われます。

継続的な努力と成長が見える活動

一度きりの活動よりも、数カ月間取り組んだ活動や、その中で直面した課題への工夫が評価されます。

自分の進路や興味と結びついた活動

医療系学部を志望する生徒が地域の健康相談ボランティアに参加していたり、環境問題に関心のある生徒が清掃活動やエコイベントを主催したりすると、説得力が高まりますね。

「この生徒はどんな姿勢で物事に取り組むか」「入学後はどんな活動に取り組みたいのか」を大学は見ています。その大学側の考えを意識して、自分のCAS活動を表現しましょう。

スーパーバイザーとの面談で伝えるポイント

スーパーバイザーとの面談も、大学出願に必要な要素です。面談での対話内容が、推薦状や自己推薦エッセイに反映される海外大学も多くあります。

面談では、「最初に何を計画し、実行時にどんな工夫をし、振り返りではどんな発見があったか」を簡潔に説明しましょう。活動の深みと継続性がスーパーバイザーにも伝わります。

「7つの学習成果」に結びつく活動であることも示しましょう。たとえば「他の人と協働し、リーダーシップを発揮した」と伝えられれば、活動と学習成果がわかりやすくなり、大学が求める「行動力と観察力を持った人物像」の印象を強められます。

スーパーバイザー面談は、単なる活動報告ではありません。自分の成長を表現し、将来の進学や推薦につながる「公式な記録」です。しっかりと準備し、面談に臨みましょう!

IB CASを計画的に行って進学につなげよう

IBのCAS活動をするうえでのポイントや、進路に活かす方法を解説してきました。

  • CASの基本ルールや7つの学習成果を把握しておこう
  • 興味や得意なことをCreativity/Activity/Serviceに落とし込むことが大切
  • 記録の取り方やリフレクションの書き方にもコツがある
  • 面談や活動記録が大学進学にも有効的にはたらく

・CASのリフレクションを自己PRにつなげられない…
・大学出願に向けて、どの活動を重点的に進めればいいの?
・スーパーバイザーとの面談で何を話せばいいんだろう…

そんな方には、国際バカロレアアカデミーの個別指導・進路サポートがおすすめです。プロによる1対1の指導で、教科はもちろんCASも強みに変えてみませんか?

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です