・ビジネスマネジメントのIAテーマってどう決めればいいの?
・勉強法がわからなくて、手が止まってる…
・試験対策も進路も気になるけど、何から始めればいいのか迷う!
IBのビジネスマネジメントは内容が広く、IA・試験・進路への影響も大きいため、不安になってしまいますよね。
この記事では、Paperごとの出題傾向と対策・IAの構成方法・時間管理の工夫まで、成績アップにつながる方法をまとめました。
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Contents
IB ビジネスマネジメントのHL/SLの違い
IBのビジネスマネジメントは、HL(ハイヤーレベル)とSL(スタンダードレベル)の2つに分かれています。進学やキャリア選択にも関わる、大切な選択です。
まずは、HL/SLの違いが学び方や進路にどのような影響を与えるのかを解説していきます。
①学習内容・試験範囲の広さ|配点
HLとSLの最も大きな違いは、学習内容の難しさと試験範囲の広さです。
SL:ビジネス基礎や概念を学ぶ
HL:さらに深掘り、難しいトピックやケーススタディを通じて実践的なビジネスマネジメントを身につける
たとえば、「ビジネス戦略」というHL限定の単元があります。
「会社がライバルと差をつけるため、どんな工夫をするか」
「どんな方向で成長していくか」
このような実際のビジネスで考えられることを学ぶ単元です。「価格を下げる?」「新しい商品を出す?」といったことを、実在する企業の事例をもとに考えます。将来マーケティングや経営の仕事に興味がある人にとっては、かなりリアルでためになる学びですね。
またHLにはPaper 3という試験があり、論述力や戦略的思考も鍛えていきます。試験構成が違うため、配点もHLとSLで異なりますね。
HLの最終成績配分
- Paper 1: 25%
- Paper 2: 30%
- Paper 3: 25%
- IA: 20%
SLの最終成績配分
- Paper 1: 35%
- Paper 2: 35%
- IA: 30%
②進路や大学評価への影響
IBのビジネスマネジメントは、大学進学や卒業後にも大きな強みになります。
IBでビジネスマネジメントのHLを履修していれば、「経営理論や実践的な分析を学んできたんだな」となるので、商学部系の学部入試や企業面接で高く評価されやすいです。
多くの大学が、IBの履修による単位認定・学部選考の優遇措置を実施しています。大学受験を志望する人には大きな武器になりますね!
HL履修はただの学習ではなく、進路や就職の道を切り拓くカギになります。
IB ビジネスマネジメントのIAで高得点を狙う方法
ビジネスマネジメントのIA(内部評価)は、SLでは最終成績の30%、HLでは20%を占める課題です。特にHLでは、ビジネス理論を活かして調査・分析・提案を行えるかが見られます。
ここでは、IAで高評価をゲットするためのステップを紹介します。
Research Questionの決め方と構成ステップ
Research Questionは、IAで「何を調べるのか」と「企業や社会にとってなぜそれが重要なのか」を明らかにする計画書で、IAの土台になる書類です。
各手順ですが、まず実際の企業の課題を参考にした問いを、最大500語で設定しましょう。
たとえば「企業Aは商品のパッケージデザインを変更すべきか?」といったような内容で、具体的に書きます。
次に、調査や分析に使用する理論やビジネスツールを書きます。以下のようなフレームワークが使われることが多いです。
■SWOT分析
- 企業の強み(Strength)
- 弱み(Weakness)
- 機会(Opportunity)
- 脅威(Threat)
これらを分析し、企業や市場の現状を把握します。
■PESTLE分析
- 政治(Political)
- 経済(Economic)
- 社会(Social)
- 技術(Technological)
- 法律(Legal)
- 環境(Environmental)
この6つの観点から、会社のまわりで起きている変化・影響を、広い目で見て整理する方法です。
さらに、「どのようにデータを集めるか(Methodology)」「調査中に起こりそうな問題とその対策(Anticipated Difficulties)」「いつ何をするかというスケジュール(Action Plan)」までをまとめていきます。
Research Questionがしっかり組まれていると、調査の方向性がぶれず、信頼性の高いIAができあがります。企画書やビジネス提案書を書く力につながる練習になるでしょう。
評価基準から逆算して構成を組み立てよう
IAの評価基準(ルーブリック)を確認し、「どんな内容を書けば高得点になるか」を逆算して考えると高得点につながります。
まず、IAの評価項目(Criterion)が「研究計画」「分析と考察」「結論」「提言」「構成力」「プレゼン力」など、合計7〜9個に分かれているので、ルーブリックを確認しましょう。
あわせて、各評価項目で重視されるポイントも確認しておきます。下記は例です。
■研究計画
研究テーマが分かりやすいか、企業の課題に合っているかなど。
■分析と考察(Analysis & Evaluation)
情報を並べるだけではなく、「なぜそうなるか」を論理的に説明できているか。
■理論やツールの活用(Use of Tools & Theories)
SWOTやPESTLEなどを使って、実際のデータをもとに議論できているか 。
■結論と提言(Conclusions & Recommendations)
調査から導いたアイデアと、「研究結果をもとにどう行動すればいいか」を示せているか。
最後に、この逆算をもとに構成を整えます。
- IAの最初に「研究目的」を明確にする(Criterion A を意識)
- 本文では「分析→考察→提案→結論」の流れで段落を組む
- それぞれのパートで「分析の論理的なつながり」「ビジネス理論やツールの適用」「実行可能な提言」を盛り込む
この例のように、評価されるポイントを意識して構成を作ると、得点アップにつながります。
「目的から逆算して提案を設計する力」は実際のビジネスでも大切なので、このスキルを早めに身につけましょう!
高スコアの生徒に共通するIAの特徴
ビジネスマネジメントのHLで高得点のIAには、共通する特徴が見られます。
■研究内容が現実的
IBでよく出るキーワード「Change」「Creativity」「Ethics」「Sustainability」などとリンクしたテーマを扱い、研究質問(RQ)も分かりやすく、企業課題にマッチしています。
■信頼できる3~5つの資料を活用
インタビュー・企業データ・大学論文など、質の高い情報源をバランスよく取り入れると、説得力がアップします。
■ビジネス理論を使い、JAM構成で論理的に展開
SWOTやPESTLEを使いつつ、Justification(根拠)、Analysis(分析)、Mini‑Conclusion(小まとめ)という「JAM構成」の流れ。この構造だと考えが整理され、評価されやすくなります。
■評価基準(ルーブリック)に合った結論と提言
分析結果をもって、「調査でわかったこと」から「実際に企業が取るべき行動」への提案に繋げましょう。
■スムーズな構成と見た目の整理
タイトルページ・目次・エグゼクティブサマリー・本文・参考文献・付録などフォーマットを整えて、「読みやすくて信頼できる報告書」の形にします 。
このようなパターンを意識すると、論理性・信頼性・実用性の高いIAに仕上がります。
IBビジネスマネジメントのPaper 1・2攻略法
IBビジネスマネジメントの試験は、内容の理解だけでなく「答え方の型」や「時間配分の工夫」もスコアに影響します。
それぞれの試験の特徴を理解して、実際に使える対策を把握しましょう。
【Paper 1】構成と出題のパターンを理解しよう
Paper 1は、事前に配られるケーススタディ(事例資料)に基づいて答える試験です。このケーススタディに沿って出題されるため、事前準備が得点につながります。
また「コマンドターム(Command Terms)」という設問の指示を正しく理解し、それに合わせた答え方をすることが大切です。
- Define(定義しなさい):意味を簡潔に答える
- Explain(説明しなさい):理由やしくみを順序よく解説する
- Discuss(議論しなさい):賛成・反対など両方の意見を挙げる
- Evaluate(評価しなさい):長所・短所を比較し、自分の結論を述べる
またPaper 1は、以下2つのSectionに分かれています。
Section A(20点):短答式。コマンドタームに沿って用語の説明や議論を行う
Section B(10点):記述式。2つの問いから1つを選び、深く分析する
事前に準備してPaper 1に備えることは、実際のビジネスやコンサルティングの準備力と仮説思考を鍛える練習になります。計画的にしっかり取り組みましょう!
【Paper 2】CUEGISを使いこなそう
Paper 2は、「CUEGIS」という6つの視点のどれかを使い、1つの問いに対して分析・議論をする試験です。
■CUEGIS
- Change(変化):社会や技術の変化に会社がどう動くか
- Culture(文化):その会社の考え方・働き方が決断にどう影響するか
- Ethics(倫理):利益追求と社会責任のバランスをどう考えるか
- Globalisation(国際化):海外展開が企業にどう影響するか
- Innovation(イノベーション):新しい商品や仕組みをどう導入するか
- Strategy(戦略):目標達成のために企業がどんな計画を立てるか
例えば以下のような問題が出題されます。
“With reference to an organization of your choice, discuss the ways in which innovation can influence organizational change.”
「あなたが選んだ組織を参考に、イノベーションが組織の変化にどのような影響を与えることができるかについて議論してください。」
この問いに答えるため、必要なステップを解説しましょう。
①やるべきことを整理する
問いに答えるために必要なことを整理します。上の問題で必要なのは以下2つです。
- イノベーションによって組織が変化した企業(organization)を調べる
- イノベーション(innovation)が企業の組織変化(organizational change)にどう影響するかを議論する(discuss)
②使うCUEGIS概念を選ぶ
今回は Innovation(イノベーション) が中心なので、もう1つ関連するCUEGIS概念として Change(変化) を深掘りして組み合わせます。
- Innovation → 新商品の導入・仕組みの改良
- Change → 社内のルール・部門構成の変化
③企業事例を準備する
イノベーションによって変化があった実在する企業を選びます。
- Kodak(写真フィルム → デジタル化):イノベーションを怠った結果、組織変化への対応に失敗した
- マクドナルド(セルフキオスク導入):新たな注文方法が組織文化や働き方に影響した
④JAM構成で文章を組み立てる
- Justification(根拠):なぜそのイノベーションが選ばれた/選ばれなかったのか
- Analysis(分析):そのイノベーションが組織の何をどう変えたか
- Mini‑Conclusion(小結):その結果として何を得たのか/失ったのかをまとめる
このステップをおこなった結果、以下のような本文が準備できますね。
Introduction(導入)
「私はKodakを例に選びます。Kodakがデジタル技術を取り入れなかったため、組織の柔軟性が失われたと考えます。」
段落1(Innovation → Change)
「Kodakはデジタルカメラの参入に乗り遅れました(Justification)。その結果、販売体制や開発部署の構成が変わらず、組織が旧来のまま固まりました(Analysis)。結局、市場競争力が落ち、大きな打撃を受けたと評価されます(Mini‑Conclusion)。」
段落2(Innovation → Change)
「一方、マクドナルドはタッチパネルのセルフキオスクを導入し(Justification)、注文カウンターの業務や人手配置を変え(Analysis)、オペレーションの効率化や顧客体験の向上につながりました(Mini‑Conclusion)。」
Conclusion(結論)
「Innovationは組織変化を促す一方で、適応できないと競争力低下につながるという両面性があると考えます。」
得点に直結するコマンドタームの使い方とテンプレ一覧
ビジネスマネジメントのテストでは、「コマンドターム(設問の指示語)」に合わせて答え方を変える必要があります。これを正しく理解すれば、得点がぐっと上がります。
■すぐに使えるテンプレート
Define:「Marketing mix is…」
→ 専門用語の意味を短く書く。「〇〇とは~です。」の形。
Explain:「This is because…」
→ 原因や理由をくわしく。「~だから~になる」
Discuss:「On one hand…, but on the other hand…」
→ 良い点・悪い点を両方書いて、自分の考えをまとめる。
Evaluate:「While X has advantages, it also has risks…」
→ 複数の選択肢を比べて、どちらが良いかを判断する。最後に「だから〇〇がベスト」と自分の意見でしめくくる。
コマンドタームの意味をおさえておくだけで、何を書くべきかがすぐに分かるようになりますね。
IBビジネスマネジメントで成績を伸ばすための工夫
ビジネスマネジメントでは、専門用語の理解・教材の活用が成績につながります。
よく出るビジネス用語の覚え方や、教科書・参考書・過去問の使い分けを紹介しましょう。
頻出用語と日本語の意味をセットで覚える
ビジネスマネジメントの試験で正しい答えを書くためには、専門用語の意味を日本語で理解し、そのまま使える形で覚えましょう。
たとえば、「profit(利益)」「revenue(売上)」「cost(費用)」のような基本用語は、見た瞬間に意味が浮かぶ状態にする必要があります。
どの場面で使われる用語なのかも一緒に覚えておくと、実際の設問で迷わず使えますよ!
和訳を見ただけで英語の用語が思い出せるよう、「英語→日本語」「日本語→英語」の両方で練習するのも大切です。暗記カードやQuizletのようなアプリを活用して、繰り返し確認しましょう。
実際の問題で使える状態で用語を覚えることが、スムーズな答案作成と得点アップにつながります。
教科書・参考書・過去問の使い分け方
「何を使って勉強するか」もとても大切です。次の3つを目的に合わせて使い分けましょう。
教科書(例:Oxford, Hoang)
→ 基礎知識をしっかり学ぶために使います。まずはここからスタート。
参考書・まとめノート
→ 覚えた内容を整理したり、テスト前に見直すときに便利です。
過去問
→ 実際の出題形式に慣れるために活用します。時間をはかって解くのがおすすめ。
特に過去問は、実際に試験を受けている感覚が身につき、本番で焦らず答える力を育ててくれますよ!
この3つを順番に勉強すれば、「理解する」→「整理する」→「書けるようになる」という流れで勉強できます。
IBビジネスマネジメントの時間管理術
ビジネスマネジメントはやることや覚える言葉が多いので、計画的に勉強しないといけません。特に日本語が母語の生徒にとっては、英語の資料を読む・書く時間もかかりがちです。
「どれを先にやるか」や「短時間で何ができるか」を意識して動く、時間管理の方法をお伝えします。
IA・試験対策の優先順位を決める
ビジネスマネジメントでは、時間配分を意識して取り組むとバランスよく進められます。
IA
→締切が早く、点数への影響も大きいので、一番に時間を確保しましょう。
試験対策(Paper 1・2)
→IAの進み具合を見ながら、空いた時間に過去問で練習していきましょう。
優先順位を決めることで、迷わず動けるようになります。
1日30分からできる「ポモドーロ・テクニック」
短時間で集中力を高めたいなら、ポモドーロ・テクニックがとてもオススメです。
これは「25分集中+5分休憩」を1セットとして勉強を繰り返す方法で、気軽に始められます。集中する時間が短いので、やる気が出ない日でも取り組みやすいです。
たとえば、過去問で出題される事例文を25分間集中して読み、どのCUEGIS概念が使われているか考えます。その後5分休憩し、次の設問に取り組むという流れです。
勉強習慣が身につかないときは、まずは「1日30分・1セット」から始めてみましょう。
集中できない日の「ながら学習」
どうしても集中できない日は、机に向かわなくてもできる「ながら学習」で勉強しましょう。
無理に勉強するよりも、気軽に知識をインプットできる方法が効果があります。
- 移動中や休憩中にビジネス用語の単語帳アプリを使う
- YouTube動画を視聴する
これらはスマホ一つでできる学習方法です。音声だけ聞いていても、用語や事例が少しずつ頭に残りますよ。
「集中できない=何もしない」ではなく、できる範囲で続ければ成績アップにつながります。
IBビジネスマネジメントで結果を出すための方法を知ろう
IBのビジネスマネジメントの勉強法・IA・試験対策について解説しました。
- Paperごとの出題傾向・コマンドターム対策を知ることは大切
- IAのリサーチ計画の立て方・評価基準の把握がスコアアップのカギ
- 教材の使い分けや時間管理術で学習効率アップ
- ポモドーロテクニックや「ながら学習」も活用しましょう
・IAのテーマが決まらず、手が止まってしまった…
・過去問の分析が難しくて、何から始めればいいのかわからない
・推薦入試でIBスコアを伸ばしたいけど、どう勉強すればいいの…?
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