IB Command Term攻略法!正しい答えが書けるようになる得点UP術

・Command Termって何?

・回答のしかたが分からない…

・自分の回答が採点基準に合っているのか不安…

IBの試験では知識があっても、Command Termを理解していないと減点されます。

そのため主なCommand Termの意味と解答アプローチが理解できる記事を執筆しました。

この記事を読めば、試験本番で迷わず得点できるようになります。

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IB Command Termの基本・AOとの関係(導入文)

IBの試験ではCommand Termを正しく理解できていないと、減点される可能性が高くなってしまいます。

まずはCommand Termの役割・AO(評価基準)との関係を理解しましょう。

Command TermはIB特有の「指示用語」

Command Termは「IBの試験で使われる指示用語」で、回答の深さ・形式を統一して評価するために、各設問で使用されています。

その背後にはAssessment Objective(AO)という1〜4の評価基準が設定されており、その基準に合うよう「どのように書くべきか」が、Command Termによって指示されているのです。

Command Term例と評価基準

  • Define(定義しなさい):概念や用語の意味を正確に示す(AO1)
  • Explain(説明しなさい):理由や原因を詳しく述べる(AO2)
  • Evaluate(評価しなさい):強みや限界を比較検討し、判断を示す(AO3)

Command Termは回答の方向性を示すものなので、しっかり理解して回答しましょう。

AO1〜AO4の特徴|Command Termとの関係

評価基準であるAOは1〜4まであり、各AOで評価ポイントが異なります。

AO1:知識

AO2:分析・応用

AO3:総合・評価

AO4:スキル実技(理系科目に特有)

各Command TermはこれらのAOと対応しており、「その設問で何が必要とされているか」が分かるようになっています。

各AOの内容

AO1

  • Define/Describe/Stateなど
  • 知識の理解、正確な列挙を求めるものが多い

AO2

  • Analyse/Explain/Suggestなど
  • 内容を分析する、理解したことを述べる、仮説を提案するなど、応用的な思考が必要

AO3

  • Evaluate/Discuss/Compare/Contrastなど
  • 複数の主張や状況を比較して考察する力、判断力が問われる

AO4

  • Draw/Construct/Annotateなど
  • 図表作成の設問が多い
  • 理系科目に特有のAO

AO1〜4とCommand Termの関係を理解できれば、回答の方向性をしっかり定められます。

IBのCommand Termを正しく理解するメリット3つ

Command Termを理解すれば、ムダなく得点につながる解答ができるようになります。

そのメリットを押さえて、IBでの得点力を高めましょう。

減点のリスクを回避できる

Command Termを誤解して回答していると、たとえ知識が正しくても、減点されてしまう可能性が大きいです。

Command Termは「各設問の意図」に合うよう設定されています。

ですのでCommand Termを無視して回答してしまうと、設問の意図とズレてしまい、的外れな回答になってしまいます。

たとえば「Describe(記述しなさい)」と書いてあるにもかかわらず、「Evaluate(評価しなさい)」のような評価回答を書いてしまうと、大きく得点を失う可能性も。

Command Termの意味を理解して、指示に合った回答をすれば、減点されるリスクを回避できます。

試験中に迷わず回答の構成が作れる

Command Termの意味を理解していれば、試験中に迷わず回答の構成を組み立てることが可能です。

Command Termが求めている回答の形式や深さを理解していれば、必要な構成をすぐ判断でき、余計な迷いを減らせるので時間のロスを防げます。

Evaluate(評価しなさい):

メリット・デメリットを比較し、最終の結論を盛り込む構成が必要

Describe(記述しなさい):

特徴や手順を順序立てて簡潔に述べることが求められる

Command Termの理解は「試験中の構成力」と「時間管理」につながるので、迷わず得点につなげられます。

AOに沿った得点戦略が立てやすくなる

AO1〜AO4を意識してCommand Termを理解すれば、得点戦略を立てやすくなります。

その設問でのCommand Termが、どのAOに対応するかを意識することで、時間配分や文章構成の最適化につながります。

AOごとの戦略例

AO1(Define・Describeなど)

正確で簡潔に事実を述べるだけで得点できるので、短時間でまとめる戦術が有効です。

AO2(Explain・Analyseなど)

背景や原因に踏み込む必要があるため、理由→例の構成で深く解答しましょう。

AO3(Evaluate・Discussなど)

利点と限界を比較・評価し、最後に明確な結論を示す構成が望まれます。

評価と結論をバランスよく盛り込むのがカギです。

AO4(Draw/Construct/Calculateなど)

正確な図解や計算過程が評価されます。

グラフの軸にはラベルやタイトルを付け、定規や計算機を使って正確に書きましょう。

AOまで意識すると、設問の意図に沿った構成が自然と選べるようになり、得点力がアップします。

主なCommand Termの意味と解答アプローチ

IBの試験では多くのCommand Termが設問に使われますが、特によく出る用語を押さえておくことが得点のカギです。

よく出るCommand Termを分類し、それぞれの意味と解答アプローチを紹介します。

Define/State/List【事実を正確に示す】

「Define(定義しなさい)」「State(述べなさい)」「List(列挙しなさい)」は、事実や用語を正確かつ簡潔に示すためのCommand Termです。

これらは専門用語の意味や、情報の羅列が評価されます。

詳細な説明や分析は不要で、必要なことを漏れなく記述することが評価につながりますよ。

「Define osmosis.(「浸透」という用語を定義しなさい。)」

  • 「半透膜を通過する水の移動のこと」と正確に述べることが求められます。

「State one function of the mitochondrion.(ミトコンドリアの機能を 1 つ述べなさい。)」

  • 「エネルギー(ATP)の生成」と短く答えてしまいましょう。

「List three greenhouse gases.(温室効果ガスを3つ挙げなさい。)」

  • 「二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素」のように並べます。

Define/State/List を使い分け、必要な情報を短時間で伝えられるようになりましょう。

Explain/Describe【理解を示す】

「Explain(説明しなさい)」と「Describe(記述しなさい)」は、知識をちゃんと理解していることを示すCommand Termです。

「Explain」:因果関係や理由を詳しく述べる

「Describe」:特徴や手順を順序立てて記述する

「Explain how natural selection leads to evolution. (自然選択が進化につながる理由を説明しなさい。)」

  • 有利な特徴を持つ生物が生き残りやすく、その性質が子孫に伝わって広がることを書きます。

「Describe the process of photosynthesis.(光合成の過程を記述しなさい。)」

  • 光のエネルギーを使って二酸化炭素からブドウ糖をつくる流れを、順番通りに書きます。

ExplainとDescribeでは知識を正しく使い、ものごとの理由や特徴を正確に記述するようにしましょう。

Compare/Contrast/Analyze【思考力を問う】

「Compare(比較しなさい)」「Contrast(対比しなさい)」「Analyze(分析しなさい)」は知識を整理し、共有点や異なる点を明らかにするCommand Termです。

これらは似た意味ですが、下記の点に違いがあります。

Compare(比較):共通点と異なる点の両方を書く

Contrast(対比):異なる点だけを強調して説明する

Analyze(分析):問題点を指摘するだけでなく、「なぜそうなるか」まで書く

「Compare the economic systems of capitalism and socialism.(資本主義と社会主義の経済システムを比較しなさい。)」

  • それぞれの特徴や重要なポイントの共通点・異なる点を書きます。

「Contrast plant and animal cells.(植物細胞と動物細胞を対比しなさい。)」

  • 細胞壁や葉緑体の有無、光合成する/しないといった異なる点を説明します。

「Analyze the impact of social media on youth behavior.(ソーシャルメディアが若者の行動に与える影響を分析しなさい。)」

  • 学習や交流ができる一方、依存や集中力低下といった問題があるなどを挙げ、なぜそうなってしまうのかを整理します。

このように使い分けることで、論理的に考えた答案が作れます。

Evaluate/Discuss/To what extent【比較し評価する】

「Evaluate(評価しなさい)」「Discuss(議論しなさい)」「To what extent(どの程度〜か)」は比較・検討し、結論を示すCommand Termです。

Evaluate(評価):良い点と悪い点を比較し、最終的な結論を示す

Discuss(議論):複数の立場から検討し、バランスよく意見を述べる

To what extent(程度):ある要因がどれくらい重要かを判断し、立場を明確にする

ただの説明で終わらず、良い点・悪い点を比較し、自分の立場や結論を示すことが大切です。

「Evaluate the effectiveness of renewable energy sources.(再生可能エネルギー源の有効性を評価しなさい。)」

  • 再生可能エネルギーの良い点(環境に優しい)と懸念点(コストや安定性)を比較し、総合的にどうなのかを示します。

「Discuss the impact of globalization.(グローバル化の影響について議論しなさい。)」

  • 「経済的な利益」と「社会的な不平等」両方の側面を取り上げ、複数の立場から検討します。

「To what extent was World War II caused by the Treaty of Versailles?(第二次世界大戦はどの程度までベルサイユ条約によって引き起こされたのでしょうか?)」

  • 条約の影響がどの程度大きかったのかを、他の要因(不況・独裁者の台頭)と比較して示します。

比較と評価をして、結論を示す力を測るものだと考えてください。

Command Term対応に役立つ「模範解答」と「要約ノート」

Command Termごとに、得点につながる「解答の型」があります。

これをマスターしておけば、設問を見た瞬間に答え方を決められるので、時間のロスを防ぐことが可能です。

それを実践するために役立つ模範解答と、ノートを使った学習法を紹介します。

模範解答で「解答の型」をマスターする

試験の模範解答を活用すれば、Command Termごとの「解答の型」を効率的にマスターできます。

実際の模範解答は、どの部分で知識を示して、どの段階で評価や結論を書くかが整理されているので、その型をマネすれば得点につながる回答が書けます。

模範解答の入手方法

  • IB Past Papers:公式過去問の「Markscheme(採点基準)」に、模範解答が載っています。
  • IBO公式サイト:学校や先生を通じてアクセスでき、模範解答や試験解説が確認可能です。
  • 予備校・家庭教師サービス:模範答案例や過去問を分析した解説を行なってくれます。
  • 教科書やガイド:CambridgeやOxford系のIB専用テキストには、設問ごとの回答例が収録されています。

模範解答で型を学んで繰り返し練習し、試験本番で迷わず回答できるようになりましょう。

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要約ノートを使った「型」の反復練習

Command Termごとの解答の型は、要約ノートで繰り返し練習すると身につきやすいです。

試験本番ですぐに正しい構成を思い出すには、短時間で繰り返し思い出す練習が効果的です。

ノートでシンプルに整理すれば、スキマ時間でも効率的に復習できます。

まずは模範回答などで「型」を学びます。

その型を次の項目でノートにまとめましょう。

  • 意味
  • 解答の型
  • キーワード
  • ミニモデル
  • NG例

ノートを見ながら声に出して型を確認し、過去問で1問ずつ練習します。

時間をあけて繰り返し練習すると、より定着しますよ。

要約ノートを使い、解答パターンをすぐ再現できるようになっておきましょう。

IB生がやりがちなCommand Termの失敗例

「知識は勉強しているのに、Command Termに合わない答え方をしてしまって減点されてしまうケース」はよく見られます。

IB生が実際にやりがちな失敗例を取り上げ、どのような点に注意すべきかを整理しましょう。

「Describe」なのに評価してしまうケース

「Describe(記述しなさい)」と問われているのに、評価や意見を書いてしまうのは典型的な減点パターンです。

Describeは事実や手順を順番に述べることが目的なので、良し悪しを判断する必要はありません。

にもかかわらず意見や評価を加えてしまうと、設問の意図から外れてしまって採点基準に沿わない回答となります。

例えば以下の設問があったとします。

「Describe the process of photosynthesis.(光合成のプロセスを記述しなさい。)」

この場合、「①光を吸収 ②エネルギーをATPに変換 ③二酸化炭素から糖をつくる」の流れを順に記述すれば十分です。

「光合成はとても効率が良い」など評価コメントは求められていない情報なので、減点対象となります。

Describeでは余計な評価を入れず、事実や手順だけを書くようにしましょう。

「Evaluate」で意見を書かず事実だけ述べるケース

「Evaluate(評価しなさい)」なのに事実の羅列で終わってしまうと、大きく減点されます。

先ほどの「Describe」とは逆に、「Evaluate」は事実だけでなくメリット・デメリットを比較し、最後に自分なりの評価を述べるCommand Termです。

事実だけでは「評価」ではなく「説明」とみなされ、採点基準に届きません。

「Evaluate the effectiveness of renewable energy sources.(再生可能エネルギー源の有効性を評価しなさい。)」

こんな設問があって、下のような回答をしたとします。

  • 「再生可能エネルギーは二酸化炭素を出さない」
  • 「一方でコストが高い」

こういった事実を挙げるだけでは不十分です。

最後に「全体として環境的な利点が大きく、導入拡大に値する」と結論づけます。

Evaluateでは事実を挙げるだけで終わらず、比較・判断を加えて結論を示しましょう。

複数の指示を混同して減点されるケース

1つの設問に2つ以上のCommand Termが含まれている場合がありますが、これらの指示を混同すると減点になるので注意が必要です。

「Explain and evaluate」「Compare and contrast」のように、複数の指示が同時に出されることがあります。

この場合、両方の要素を満たさなければ採点基準を満たせません。

「Explain and evaluate a government’s response to unemployment.(失業に対する政府の対応を説明し、評価しなさい。)」

この設問では、政策のしくみを説明したうえで、その効果や限界についての評価まで述べなければいけません。

Command Termが複数あるときは、1つずつ丁寧に対応して減点を防ぎましょう。

Command Term攻略で得点力を高めよう

「IB試験におけるCommand Termの意味と解答アプローチ」を解説しました。

  • Command Termごとに必要な答え方を理解し、出題意図に沿った解答を心がける
  • AO(評価基準)も意識し、それらに合った回答をする必要がある
  • 複数のCommand Termが含まれる設問では、それぞれの指示を漏れなく満たそう

・DescribeとEvaluateの違いがうまく整理できない…、

・試験本番で時間配分がちゃんとできるかな?

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