・Design Technologyってどんな科目?
・IAや試験でどう対策したらいいんだろう?
・大学進学に役立つのか知りたい!
IBのDesign Technologyは内容が専門的に見えるだけに、不安になりやすい科目です。
この記事では、Design Technologyの基本・評価方法・進路につながる学びまでを分かりやすく整理しました。読み進めれば、上の悩みを解決するヒントが見つかります。
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Contents
IB Design Technologyの基本について解説
IBのDesign Technologyは、一言でいえば「身の回りの問題を解決できるデザイン力を身につける科目」です。
この科目を学ぶことで、自分で考え・調べ・工夫して・改善する力が身につきます。
どのような科目なのか、詳しく見ていきましょう。
Design Technologyとは「調べて・確かめて・改良する科目」
Design Technologyとは「身の回りのモノやしくみを観察・調査し、改良していく科目」です。
・どうして自転車のハンドルはこの形なんだろう?
・なぜスマホの角は持ちやすい丸みになっているのかな?
こういった疑問からスタートします。
そして形の理由や素材の特性を調べたり、実際に使う人に意見を聞いたりしてデータを集め、「もっと便利にする方法」を考えていく科目です。
授業では「スケッチや模型を作って試し、問題点があれば修正する」というサイクルを繰り返します。
「調べる・試す・改良する」という流れで、実生活に役立つモノづくりの力を育てるのが、Design Technologyの特徴です。
学ぶ内容【デザインと実社会のつながり】
Design Technologyではアイデアを考えてテストを繰り返すことで、社会のためのデザイン力を育てます。
実際に起きている問題を意識してモノ作りをすることで、「これがどこで役に立つか」を考えて設計ができるようになるのです。
通学カバンが重くて大変!
例えばこういう意見があったとすれば、次のようなアプローチで進めていきます。
- ①ユーザーが持っている問題を調べる
- どの年齢・身長の生徒が使っているか調べ、なぜ重いのかをヒアリングする
- ②アイデアを考えて、たくさん案を出す
- 軽い素材を使う/持ち手を改善する/リュックの形を変えるなど、案をスケッチしたり模型を作ったりする
- ③試作品を作ってテストする
- 紙や布を使って簡単なモデルを作り、重さ・使いやすさ・構造を実際に確かめる。
- ④振り返って改善する
- 試作品を使った人の感想を聞き「ここが使いにくかったからこう直そう」と改善する。
このようにして、「人に優しい設計」「社会・環境のためのデザインを考える力」を育てていきます。
授業・IA・試験の全体像を把握しよう
Design Technologyでは、授業・内部評価(IA)・外部試験で成績が決まります。
これらにより「理解力」「応用力」「創造性」が評価されるしくみです。
授業:
デザイン・素材・技術について学び、理論と実践両方を学びます。
内部評価(IA):
自分でテーマを決め、問題を調査して既存製品を分析し、研究→試作品作り→評価を行うプロジェクトです。
外部試験:
Paper 1 が主に選択問題、Paper 2・3が記述問題や実例を題材にした問題となります。
Design Technologyを選ぶ学生は「自分で考えて作る経験」や「まとめて書く力」を身につけられます。
※2027年の新シラバスより、Paper 3は廃止予定です。
Design Technologyで身につく3つの力
Design Technologyの学びにより、進学やキャリアにつながるスキルが身につきます。
学習を通じて育つ3つの力を紹介し、どのように役立つのかを整理しましょう。
アイデアを形にする力
Design Technologyでは「アイデアを形にする力」という、とても大切な力が育ちます。
なぜなら試作品を作ることで、「自分のアイデアが実際にどう具現化し、機能するか」を確認できるからです。
- スケッチやCADを使った図でデザインを見えるようにする
- 厚紙や発泡スチロールなど手に入れやすい素材で簡易モデルを作る
こうした方法を取り入れることで問題点を見つけやすくなり、授業やIAでより良い評価となります。
自分のアイデアを形にする経験が、Design Technologyを学ぶ自信にもつながります。
CADを使いこなせる力
Design Technologyの特徴の一つが、CAD(Computer-Aided Design:コンピュータ支援設計)を活用できることです。
CADとは
設計図や3Dモデルを、パソコン上で作成できるソフトのこと。
紙では描きにくい立体的な形や細かい部品も、画面上で確認できます。
実際に作る前に「どこが弱いか」「寸法は合っているか」のシミュレーションが可能です。
- 設計した椅子を3Dで回転させ、使いやすさや安定感を確認する
- 部品の寸法のズレを発見し、組み立てる前に修正する
このような使い方ができます。
高校生のうちからCADに触れておくと、デザイン・工学・建築の分野に進学・就職したときに強みとなります。
このような仕事をしたいと希望しているなら、Design Technology履修の中でCADに慣れ親しんでおきましょう。
ユーザー目線で問題を解決する力
「ユーザー目線で物事を考え、問題を解決する力」が身につくのも、Design Technologyの魅力です。
どんなにかっこいいデザインでも、使う人のことが考えられていなければ、不便だったり使いにくかったりするため、良いデザインとは言えません。
例えば「折りたたみ傘」を例に考えましょう。
・重さはちょうどいいかな?
・開閉は片手でできる?
・風でひっくり返らないか?
このようにユーザー(傘を使う人)の立場から考え、使う場所も想定して「使いやすいデザイン」を考えつつ改善していきます。
この経験を通じて「使う人のことを考えて設計する力」を身につけることが可能です。
Design Technologyの評価方法
Design Technologyでの評価方法を理解すれば、勉強の優先順位がわかり、効率よく得点できます。
ここでは、IAと試験の評価ポイントを紹介しましょう。
内部評価(IA)で取り組むデザインプロジェクト
IAはDesign Technologyでとても重要なパートで、成績の約40%を占めます。
- アイデア出し
- 調査
- 試作
- 評価
デザインに必要なこれらの過程全体で評価される仕組みです。
評価は以下のような基準に分かれています。
IAの評価基準
Empathize / Analysis(共感/分析)
ユーザーや問題をどれだけよく理解しているか
Defining the Project(プロジェクトの定義)
設定する課題が明確で、現実的かどうか
Ideation & Modelling(アイデア創出とモデリング)
アイデアの数と質、試作品やスケッチを利用しているか
Designing a Solution(解決策の設計)
デザイン案をしっかり設計できているか
Presents a Solution(解決策の提示)
試作品を評価し、改善点を含めて報告できているか
特に「分析のクオリティ」「アイデアの多さ」「改善点」が評価されやすい部分なので、時間をかけて準備しましょう。
外部評価(Paper 1・2)の試験内容
Paper 1・2は授業での知識を正確に思い出し、応用できるかどうかが問われます。
■Paper 1
- 定義・原理などの知識を問う多肢選択問題が中心
- 短時間で正確に答えることが大事
■Paper 2
- データや設計の状況が与えられ、それを分析して回答・説明を書く問題
- 理解力と論理力が試される
Paper 1は「すばやく正確に回答できる基礎固め」、Paper 2は「思考の深さと説明力を身につけること」が得点アップのカギです。
どちらも日々の授業をしっかり受け、問題を解く練習を重ねましょう。
Design Technologyと他科目の違い
Design Technologyは「社会や人に役立つしくみをデザインすること」が大きな特徴です。
そのため「問題発見→アイデアを形にする→改善」の流れを重視するため、他の理科系科目と学びのスタイルが異なります。
ここでは他科目との違いを整理します。
自分に合った科目選びの参考にしてください。
Computer Scienceとの違い
Computer ScienceとDesign Technologyの一番の違いは、「学ぶ目的」と「学びの方法」です。
■Computer Science
目的:社会で必要とされる情報技術の基礎を理解すること
方法:プログラミングやアルゴリズムを使って、システムやソフトを作る
■Design Technology
目的:人の生活や環境に役立つ「モノ」や「しくみ」を設計すること
方法:ユーザー調査からアイデアを出し、試作品を作って改善を重ねる
つまりComputer Scienceが「内部のしくみ作り」に強いのに対し、Design Technologyは「使う人や社会とのつながり」を重視している点が大きな違いです。
何を学びたいかで選択科目が変わってきますので、この違いを理解しておきましょう。
「Computer Science」について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
Physics(物理)との違い
同じ理科系科目のPhysicsとDesign Technologyでも、学ぶ目的に大きな違いがあります。
■Physicsの目的
「電気回路」や「波の速さ」を観察・実験・測定を行い、「自然にはどんな働きがあるか」を研究すること
■Design Technologyの目的
電気回路を扱う場合も、「それを使ってどんな製品を作れるか」「使う人の操作のしやすさや見た目などにどう活かせるか」を考え具現化すること
つまりPhysicsは「理論を知り研究すること」、Design Technologyは「実用のために実験すること」がそれぞれの目的です。
「Physics」について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
Design Technologyで見えてくる進路
Design Technologyでどのような進路があるのかを理解すれば、自信を持って取り組めるようになります。
進学先や就職の例と、大学入試で評価される理由を見ていきます。
デザイン・エンジニアリング系の進学・就職
Design Technologyでの学びは、デザイン・工学・製品開発などの分野に強みがあります。
Design Technologyで身につける設計力や創造的な思考は、以下の職業で強く求められるからです。
- 工業デザイナー
- 建築家/建築デザイナー
- 工学者
- UX/UIデザイナー(アプリやHPの見た目・使い心地をデザイン)
モノづくりや設計をする仕事を志望するなら、Design Technologyはとても役立つ科目です。
グローバル大学入試で評価される理由
大学入試において、Design Technologyが高く評価される理由は以下の2点です。
- 国際的に認知されているIBDPの一科目だから
- この科目で身につく「考える力」「実践力」「持続可能性への意識」を持った人材を、大学側も求めているから
Design Technologyを履修していることは「仕事でプロジェクトを進めるスキルを身につけている」というアピールになる、ということですね。
こうした背景があり、特に海外大学や工学・デザイン系学部を志望する生徒には強い武器となります。
Design Technologyを理解して得点アップ
「IBのDesign Technologyの基本・評価方法・進路とのつながり」を解説しました。
- 効率よくハイスコアを狙うには、評価基準を理解し、計画的にIAと試験に取り組むことが大切
- 初心者がつまずきやすいポイントは、専門用語よりも実例を通じて理解すること
- 将来の進学やキャリアを意識し、学んだ内容をどう活かすか考えながら学習することが必要
・IAの評価基準をどう満たせばいいのか不安…
・Paper1・2の対策を一人で進めるのは心配…
・大学進学につながる勉強法が知りたい!
こういった悩みは、IB専門塾国際バカロレアアカデミーの個別指導・進路指導で解決できます。
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