「Language and LiteratureのPaper1ってどう書けばいい?」
「Paper2のエッセイで点が伸びない…」
「IAやOralで高得点をとる方法は?」
IBのEnglish A Language and Literatureを学ぶ多くの高校生が、こんな悩みを抱えています。「分析や構成が大事」と言われますが、よくわからないこともありますよね。
今回は、Language and Literatureの試験・評価ポイント・高得点戦略を解説します。
この記事を読むと、高得点を取る生徒が実践している3つの力(分析・構成・独自性)がわかります。試験で何をどう見られているのかがクリアになり、「どこを直せば点が伸びるのか」が見えてきますよ!
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Contents
【基本】language and literatureの試験内容と評価ポイント
IBのLanguage and Literatureでは、4つの課題で総合的に評価されます。ここでは、
- 4つの課題の試験内容と配点
- 評価されるポイント
を解説します。この基礎を押さえると、課題ごとの対策がやりやすくなりますよ!
4つの課題の試験内容と配点
IB Language and Literatureの4つの課題では、それぞれが異なるスキルが求められます。
■4つの課題で求められる力
課題①:Paper1
- 与えられた初見のテクスト(資料)を分析できるか
- 筆者の考えや表現の効果を答えられるか
課題②:Paper2
- 2つの文学作品を比較し、テーマに沿ってエッセイを書けるか
課題③:IA(内部評価)
- 翻訳文学(英語以外の言語作品を英語に翻訳したもの)に関するエッセイが書けるか
課題④:Oral(口頭試験)
- 2つのテクストとグローバルイシューに関する10分プレゼンができるか
また、4つの課題の配点比率は、Higher Level(HL)とStandard Level(SL)で変わってきます。
■レベル別配点
Higher Level(HL)
- Paper1:35%
- Paper2:25%
- IA:20%
- Oral:20%
Standard Level(SL)
- Paper1:35%
- Paper2:35%
- IA:20%
- Oral:10%
レベルによって配点が違うことも知っておきましょう!
高得点者が意識している「ルーブリック(評価ポイント)」
Language and Literatureの4つの課題すべてで、「ルーブリック」という評価ポイントがあります。これを満たす文章が高得点になるということですね。
■Language and Literatureのルーブリック
①Criterion A:作品の内容を把握し、的確に説明できるか
②Criterion B:表現の工夫(技法・構成・文体など)の効果を説明できるか
③Criterion C:エッセイや発表が論理的な構成になっていて、読む人に伝わりやすいか
④Criterion D:語彙・文法・表現力が豊かで正確か
高得点をとる生徒は、Criterion BとCを鍛えている人が多いです。
自分の文章がこれらルーブリックを満たせているかを確認し、足りていない箇所を見直すクセをつけましょう!
Language and Literatureの課題攻略①:Paper1
Paper1とは?
- 試験当日に初めて見るテクストを分析し、論述する課題
- 評価基準に沿った「深い分析」と「構成力」が求められる
ここでは、Paper1でよく見るテクストの種類や、点数のあげ方を紹介します。
よくあるテクストの種類
Paper1では、広告・スピーチ・社説・記事といったテクストが出ます。
- 環境問題
- 人権
- 教育
など社会的なテーマが多いです。そのテクストが書かれた背景(誰が・いつ・どこで・なぜ)を把握し、テクストを分析していきましょう。
Paper1では、ただ要約するだけではダメ。「このテクストにはどんな工夫があるんだろう?」と考える姿勢で読み進めましょう!
分析ポイント(修辞技法・文体・視覚要素)
Paper1の分析ポイントですが、
- 修辞技法
- 文体
- 視覚的な工夫
に注目し、それらがどんなはたらきを持っているのかを深く考えてください。
■修辞技法
修辞技法には、
- 比喩(あることを別の物にたとえ、意味を強調する)
- 対比(正反対の2つの物を並べ、違いを際立たせる)
- 反語(伝えたいこととあえて反対のことを言い、皮肉を表す)
- 音的表現(同じ音で始まる語や擬音を繰り返し、リズムをつける)
などがあります。これら技法の名前を挙げるだけではなく、「その技法を使うことで、どんな効果があるのか」を説明できるかがカギです!
■文体
テクストの文体が丁寧な言葉づかい(フォーマル)か、くだけた話し方(カジュアル)かによって、読む人にとって「親近感」や「信頼感」などの印象が変わります。
「文体が読者にどんな印象を与えているか」
「文体が筆者の伝えたいことにどう関係しているか」
を考えるようにしましょう。
■視覚的要素
広告のような、写真などの視覚要素が入ったテクストでは、色・フォント・レイアウトが読む人に対し、どんな印象を与えているかも分析対象です。
これらのポイントをしっかり分析できれば、採点者に「深く読めているな」と伝わり、高得点につながりますよ!
構成の型・時間配分
分析だけでなく、文章構成も高得点に関係します。読みやすく、読者がちゃんと理解しながら読める構成が評価されますね。そのために、読みやすい構成の「型」を身につけましょう!
■文章構成の「型」
Step① 導入:「テクストの種類」「目的」「対象の読者」を簡潔に説明
Step② 本文:2〜3段落で書き、技法・文体・視覚的要素などの効果を分析
Step③ 結論:全体をふり返り、「筆者の考え」と「分析」のまとめを書く
時間配分の目安としては、
- 読解とメモ取り:20分
- 構成案の作成:10分
- 執筆:50分
- 見直し:10分
が理想です。本番で焦らないためにも、この配分バランスを意識して練習しましょう!
練習法|毎日10分でできる分析トレーニング
Paper1で大事な分析力は、毎日10分でもトレーニングをすることでグーンとアップします。
■おすすめのトレーニング方法
Step①:短めのテクスト(広告や社説など)を選び、内容を理解(3分)
Step②:技法や視覚的要素を2〜3個ピックアップし、その効果を簡潔に説明(5~6分)
Step③:筆者の思いや読者への影響を一文で要約(2分)
最初は日本語の素材でもOK。分析の“型”を体に覚えさせたら英語のテクストにしましょう。大切なのは、「読んで・見て・考える」を毎日続ける習慣です!
Language and Literatureの課題攻略②:Paper2
Paper2とは?
- 2つの文学作品を比較し、出題されたテーマに沿ってエッセイを作る課題
- 2つの作品の共通点や違いを述べるだけではダメ
- 「何が言いたいのか」が分かりやすく、説得力のある書き方が評価される
Paper2の点数を伸ばすヒントをお届けしますね。
よく出るテーマと最初にやること
Paper2では、
- 「アイデンティティ」
- 「権力」
- 「社会的役割」
- 「移民」
- 「文化の衝突」
などのいろんなテーマが出されます。そして授業で扱った作品の中から、テーマに沿った2つを選んで比較。
たとえば「アイデンティティ」がテーマなら、
①「家族とのつながりの中で『自分らしさ』を見つけていく主人公」の作品
②「偏見や環境のせいで『自分らしさ』が分からなくなる登場人物」の作品
といった2作品を比較します。同じテーマの2作品の共通点や違いを、分かりやすく説明することが第一段階です。
分析するポイント
Paper2では、ただ作品の違いを並べるだけでは不十分です。
「なぜ筆者はこんな表現方法にしたのか?」
「それが読む人にどんな影響を与えるのか?」
といったことを書くことも大切ですね。
たとえば「主人公の気持ちがどのように変化していくか」を述べるとして、その変化を表すために、作者がどんな表現を使っているかを比べます。
- 「誰目線で語られているのか」
- 「物語の場面の順番」
- 「作品に登場する象徴的なモノの意味」
という点を比べると、2つの作品を比べる意味やポイントが読む人にも分かりやすいですね。
テクストの構造・文体の違いにも注目しましょう!こういう違いが見つけられれば、評価の高いエッセイができあがりますよ。
最初に「2作品の共通テーマは何?」次に「それぞれで異なる表現方法は?」を考えることを意識してくださいね。
「結論」の書き方【読む人を納得させよう】
「結論」にはただのまとめではなく、全体をふまえて読者に「なるほど!」と思わせる工夫を入れましょう。たとえば、
「どちらの主人公も「まわりから孤立している」と感じていますが、育った国や社会が違うために、気持ちの表し方や物語の描き方が全然違っています。」
と付け加えると、本文で伝えたかったポイントをより強調できます。
ただのまとめにならないよう、何が言いたいかを再確認し、新しい気付きを加えましょう。
Language and Literatureの課題攻略③:IA・Oral
IA(内部評価)とOral(口頭試験)では、「自分の考えを言葉でわかりやすく伝える力」が求められます。「採点者がどこを重視しているか」を理解し、高得点への準備をしましょう。
【IA】翻訳文学の分析方法
IA(内部評価)とは?
- 翻訳文学(英語以外の言語の文学作品を、英語で読めるようにしたもの)を分析する課題
- ただあらすじをなぞるだけでは不十分。テーマや「なぜこの構成にしているのか」などを分析できているかが評価のカギ
IAで高得点を取っている生徒は、次の2つをしっかり分析しています。
①「なぜこの作品が書かれたのか」という背景
②世界中の人が共通して感じるようなテーマ(たとえば友情、家族、教育など)
「この登場人物の行動は、その国の文化や価値観とどういう関係があるのかな?」
と、作品の背景まで考えると、読む人に新しい気づきを与えられますね。
また分析をするときは、
- 象徴的なアイテム(例:手紙、服装、場所)
- 登場人物の立場の違い
などに注目を!作品の奥にある意味まで考えるヒントになっていることが多いです。
最後の結論では、
「自分はこの作品を通じて何を感じたか」
「何を考えたか」
をはっきり伝えることで、自分らしい視点(=独自性)が出るため、評価につながります。
H3:【Oral】10分間の論理的な発表の「型」がカギ
Oral(口頭試験)とは?
- 2つのテクスト作品と1つのグローバルイシュー(世界的な社会問題)を結びつけ分析し、10分間で論理的に発表する課題
Oralは限られた時間でいろんな要素を整理・構成しないといけません。ですので「型」を作ってしまうことが高得点への近道です。
■発表の基本的な型
①選んだと2作品とグローバルイシューを紹介し、比較の軸を分かりやすく説明(約1分)
②それぞれの作品で以下を具体的に説明(7〜8分間)
- どのような技法や表現で描かれているのか
- 作者がどんな思いやねらいを込めているのか
- テクストの種類(スピーチ・広告・記事など)によって表現にどんな特徴があるのか
③全体をふり返りながら、自分の主張を簡潔にまとめる(1分)
大切なのは、
- 話す順序が明確であること
- 評価基準に沿って大事なポイントが全て入っていること
ムリにすべてを詰め込んではいけません。伝えるべきポイントを整理して、論理的で「なるほど!」と思える構成が評価されます。時間内で言い終われる練習もしてくださいね!
採点者が重要視する「独自性」
IAやOralでは、「独自性(オリジナリティ)があるか」が大きな評価ポイント。これは、奇抜な意見を言うということではありません。自分なりの目線で作品を読み、どこをどう分析したのかが伝わるように話すということです。
■独自性の例
- 他の生徒があまり注目しない脇役の描写
- 時間の流れをあえて前後させた構成の発見
- 視点が途中で別の登場人物に切り替わる演出
- あるできごとを何度も描くことで印象づける工夫
こういったことに焦点を当てて分析し、他の生徒とは違う独自性を出しましょう!
絶対やろう!模擬練習&セルフチェック
IA・Oralの高得点ゲットのために欠かせないことが2つあります。それは、
- 「本番想定の模擬練習」
- 「冷静なセルフチェック」
です。
■模擬練習の方法
タイマーを使って発表やエッセイの流れを練習し、時間内に収まるかを確認しましょう。できれば家族や先生に聞いてもらい、意味が分かるか、単語や文法に変なところはないかをチェックしてもらえると効果大です!
■セルフチェック
①ちゃんと内容を理解できているか(知識と理解)
②作品の特徴やテーマをしっかり説明できているか(分析)
③文章の流れがわかりやすく、話がスムーズにつながっているか(構成)
④使う単語や文法が正確で、表現が豊かになっているか(言語表現)
この4つを意識して自分の文章をチェックすると、どこを直せばもっとよくなるかが見えますよ!
内容だけでなく、構成や時間配分まで意識して練習しましょう。
Language and Literatureで必要な「グローバルイシュー」
IBのLanguage and Literatureでは、「グローバルイシュー(世界的な社会問題)」について考え、それを作品内容とつなげて説明する力が評価されます。
ここでは、グローバルイシューのテーマや作品の選び方を解説します。
テーマの選び方
グローバルイシューを選ぶときは、テーマが広すぎず、テクストと関係があるものを選びましょう。
使いやすいテーマは、
- 「移民」
- 「環境問題」
- 「ジェンダー」
- 「権力と抑圧」
- 「言語とアイデンティティ」
など。これらは多くのテクストで取り上げられており、比較や分析がしやすいです。
分析の始め方としては、
「テクストの登場人物が社会からどう疎外されているのかな?」
「この作品はどうして作られたんだろう?」
といった問いから始めれば、グローバルイシューのテーマとテクストを関連付けやすいですね。作品の内容とグローバルイシューのテーマが自然につながっていると、読む人(採点者)にも「考えが一貫していて深く理解できている」という印象を与えられますよ。
正しい作品選びの方法
グローバルイシューのテーマが決まったら、次は作品選び。ただテーマに関係する作品を選ぶのではなく、そのテーマについて考えを広げやすい作品かどうかを意識しましょう。
たとえば「ジェンダー」をテーマにする場合、
- 1つ目の作品では、女性の悩みや自由への思いが丁寧に描かれている
- 2つ目の作品では、社会制度や差別がテーマになっていて、外側からの圧力が描かれている
というように、視点や描き方が違う2つの作品を選ぶと、比べやすく、内容にも深みが出ます。
また、HL(Higher Level)の生徒は、必ず1つは「翻訳文学」(英語以外の言語で書かれた作品)を使わなければいけません。自分が理解しやすい作品かどうかも、選ぶときに確認しておきましょう。
Language and Literatureのスコアの上げ方は、実はシンプル!
「IB Language and Literatureの課題別対策・高得点のコツ」について解説しました。
- Language and Literatureの試験はPaper1・Paper2・IA・Oralの4つ。課題ごとに求められる力と対策法を理解しよう
- 評価基準(ルーブリック)に沿った構成力・分析力を身につければ、安定した点が取れる!
- Paper1では、修辞技法・文体・視覚要素の深い読み取りがカギ
- Paper2では、テーマに合った2作品の比較、説得力のある主張・結論づくりが重要
- IAとOralでは、「自分の視点」をどれだけ論理的に伝えられるかが高得点の決め手
「先生に聞いても『分析の深さ』がよく分からなくて…」
「IAやOralの『独自性』って、具体的に何をすればいいの?」
「英語の表現も評価されるなら、添削してくれる人が必要かも…」
そう感じているなら、IBを乗り越えた卒業生から直接教わるという選択肢を考えてみてください。
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