・IBのMusicってどんな科目なの?
・SLとHL、どちらを選んだ方がいいの?
・演奏や作曲の課題を子どもがこなせるか不安…
IB生の保護者様から、こうした声をよく耳にします。
初めてIBのMusicに触れると、すべてが専門的で複雑に見えてしまいますよね。
この記事を読めば、Musicの基本内容・課題の種類・成果を出すための戦略まで理解できます。
さらに家庭でできるサポート方法も紹介しているので、お困りの保護者様は最後まで読んでください!
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Contents
初心者でも分かるIB Musicの基本
IBのMusicは、DP(ディプロマプログラム:高校カリキュラム)で選択できる科目のひとつです。
作曲・演奏・音楽分析などを学び、音楽力を育てます。
IB Musicで学ぶこと【作曲・演奏・音楽分析のバランス】
IB Musicでは「作曲(クリエーション)」「演奏(パフォーマンス)」「音楽分析(リサーチ・理論の理解)」の三つをバランスよく学べます。
■作曲
自分のアイディアを曲にする創造力を育てつつ、音楽素材の選び方・作曲テクニックも学びます。
■演奏
1人もしくは複数人での演奏です。表現力や発表準備も含まれます。
■音楽分析
異なる文化・時代の音楽を聴いたり、形式・リズムなどの要素を比較したりして理解を深めます。
これら三つのスキルは、Musicでの全課題において大切です。
一つに偏ることなく、バランスよく学んでいきましょう。
一般高校での音楽との違い
IBのMusicと一般高校の音楽を比べると、学習内容・学習量が明らかに異なります。
■学習内容
IB Music:演奏だけでなく「作曲」や「音楽理論・文化的背景の分析」も行うので、創造性・リサーチ力・批評的思考が身につきます。
一般高校:演奏・音楽史の基礎が中心で、創作・分析までする学校はほとんどありません。
■学習量
IB Music:作曲課題・演奏録音・レポート提出・発表準備など、多くのアウトプットが必要です。
一般高校:月に1〜2回の演奏発表や、楽譜の読み取り練習を中心に行います。
高校音楽よりIB Musicは学ぶ内容の幅が広いですが、そのぶん学生の音楽力を大きくアップさせてくれます。
IBでMusicを学ぶメリット
音楽のスキルはもちろん、お子様の成長・将来進路にも良い影響を与えてくれるのがIBのMusicです。
ここではMusicが持つメリットを、音楽的な側面以外もあわせて解説しましょう。
自己表現力のアップ
IBのMusicでは演奏・作曲・分析のスキルだけでなく、「自分の考えや思いを表現する力」が育ちます。
IB MUsicでは、以下の三役をすべて経験するしくみです。
- 作曲 → 創作する人
- 演奏 → 演奏する人
- 音楽分析 → 研究する人
これらの役割の中で「なぜその音を選んだか」「どう聴かせたいか」「この音楽理論を使うとなぜ良いのか」といった、表現の意図まで考える力がつきます。
このような表現方法を身につけることが、「自分の考えや思いを表現する力」につながるということです。
グローバルな視点・多文化の理解
IB Musicでは様々な文化・時代・地域の音楽に触れるので、生徒のグローバルな視野を広げてくれます。
IB生は以下のように、異なるジャンルの音楽を聴き比べ、楽器・リズム・背景文化を調べていきます。
- 自国の伝統音楽 vs 西洋クラシック
- 現代ポップ vs 民族音楽 など
世界中のいろいろな音楽に触れることで、
・このリズムを使ってみたい!
・この楽器の音色を曲に入れてみよう。
といった発想が生まれます。
その積み重ねによって、自分だけの音楽の特徴や個性を作り出す力が育っていくのです。
IB Musicを学ぶことで「他文化を理解し、自分の音楽に取り入れる力」がつきます。
大学進学や就職に有利
IB Musicは大学進学・将来の就職で、他の人と差をつけられる科目です。
演奏や創作、研究を通して「責任感」「創造性」「批判的思考」など大学で大切な力がつきます。
例えばIBには課題がたくさんあり、それぞれ期限とクオリティをしっかり守らなくてはいけません。
- 演奏発表
- 作曲作品
- レポート提出
このようにMusicでも多くのアウトプットがあり、しっかり取り組めば「自律心」や「創造する力」をアピールできます。
またこれらの経験を出願書類やポートフォリオに書くことで、選考担当者に「ただ成績が良いだけでなく、責任感があり、芸術的なスキルがある生徒なんだな」という印象も与えられます。
Musicは将来の道を広げる強い武器になるので、大学や就職で有利になる科目です。
IB Musicの授業と課題
Musicの授業で身につけた演奏・作曲・分析の力は、そのまま課題の評価につながります。
ここではMusicの授業のしくみ、そして提出物の種類について分かりやすく解説しましょう。
SLとHLの違い【負担・学習内容】
MusicはSL(スタンダードレベル:標準)とHL(ハイヤーレベル:高度)の2つから難易度を選べます。
大きな違いは「学習時間」「扱う範囲」「課題の量」などです。
SL(スタンダードレベル) | HL (ハイヤーレベル) | |
---|---|---|
学習時間 | 約150時間 | 約240時間 |
学ぶ範囲 | 作曲・演奏・音楽分析の基本 | SLより深い研究や課題 |
HL専用課題 | – | Contemporary Music Maker (現代的な音楽制作プロジェクト) |
演奏時間の目安 | 約15分 | 約20分以上 |
作曲・分析課題 | 基本的な課題が中心 | 曲数や分析量が多く、内容もハイレベル |
負担の大きさ | 少なめで取り組みやすい | 学習量・難易度ともに高め |
SLは比較的負担が少なく、Musicを試してみたい人に向いています。
一方でHLは、音楽に自信があり、より深く学びたい人向きです。
お子様の性格・時間の余裕・将来の目標を考え、SLかHLを選びましょう。
4つの探究領域
IBのMusicでは、音楽素材を「4つの探究領域」に分けて扱います。
この分け方によって、生徒はいろんな音楽スタイルや背景を理解し、自分の曲や演奏に様々なテイストを入れられるようになります。
4つの探究領域
社会・文化的表現
- 社会や文化の背景を映した音楽です。
- 抗議歌・国歌・宗教音楽などで、「人々にどんな影響を与えたのか」を考えます。
聴くこと・演奏
- 音そのものの美しさ、演奏を楽しむことに着目する領域です。
- 室内楽・ジャズ・実験音楽などを演奏・分析し、テクニックと表現力を高めます。
劇的表現・移動性・娯楽
- 映画音楽・ミュージカル・ダンス音楽など「物語性」や「演出」と結びついた音楽です。
- 音楽が聴き手に感情を伝えるテクニックを学び、表現に活かします。
■電子技術・デジタル時代の音楽
- DTM・電子音響・シンセサイザーなど、現代的な音楽を扱う領域です。
- ポップやEDMなど、最新の音楽表現につながるスキルが身につきます。
こうした学びにより、演奏や作曲の幅だけでなく「なぜその音を選ぶのか」という考えも深まっていきます。
成果物と提出課題【演奏・作曲・レポート】
Musicで学んだことを「演奏・作曲・レポート」という成果物・提出課題として提出します。
授業での学びを自分なりの形にまとめ、それを評価してもらうしくみです。
■演奏
- ソロまたはアンサンブルでの演奏を録音・録画して提出します。
- テクニックの正確さだけでなく、表現力や曲の理解も評価対象です。
■作曲
- 自作の音楽作品を楽譜や録音で提出します。
- メロディ、リズムの工夫、楽器の使い方などが大切です。
■レポート
- 音楽分析や探究の結果を、文章でまとめる提出課題です。
- 異なる文化や時代の音楽を比較し、分析したことを2,000語前後で記述します。
HLではさらに「Contemporary Music Maker」という現代的な音楽制作に挑戦するプロジェクトがあります。
これらの課題を計画的に進められるよう、提出スケジュールや準備の流れを把握しておきましょう。
IB Musicで成果を出すためのヒント
Musicは課題や成果物が多く、計画的に取り組まないとハイスコアが難しい科目です。
保護者や生徒が実践しやすい学習の工夫を紹介します。
課題の準備は早めに始める
Musicで成果を出すには、課題の準備を早くから始めることが大切です。
多くの課題が構想・作成・修正など時間がかかるため、締め切り直前で始めるとクオリティが落ちてしまいます。
さらに演奏や作曲の課題では、リハーサル・録音チェック・修正時間も確保しなければなりません。
スケジュールですが、課題提出の1〜2か月前に構想を立て、そこから作成する期間、修正する期間、最終チェック期間を確保しましょう。
早めに準備を始めれば余裕が生まれ、クオリティの高い作品を提出できます。
スコア7を狙う学習戦略
Musicで最高スコア7を目指すには、戦略的な学習が欠かせません。
単に演奏や作曲をすれば良いわけではなく、「分析」「文脈理解」「技術と表現の両立」が問われるからです。
これらを実現するために、次のような戦略を取りましょう。
- 演奏・作曲・分析すべてに時間を作り、弱点を放置しない
- 過去問や模範解答を使って出題傾向を把握する
- 先生や仲間から積極的にフィードバックをもらって改善
これらの戦略を意図的に取り入れ、ハイスコアを狙いましょう。
家庭でできる IB Music のサポートと環境づくり
Musicの成果には、家庭環境や保護者様の関わりも大きく影響します。
以下のようなサポートを行いましょう。
- 親子でシラバスを読む時間を持つ
- ジャンルや国の違いに注目して音楽を聴き、特徴を話し合う
- 録音機器としてスマホやマイクセットを準備する
- ライブやYouTubeでいろんな音楽を聞く機会を作る
- 過去作品・模範例・評価基準を親子でチェック
ご家庭でできるサポートや環境整備が、お子様の安心感と成績アップにつながります。
IB Musicを理解してハイスコアを目指そう
「IB Musicの基本内容・成果を出すための学習ヒント」を解説しました。
- Musicは「演奏・作曲・分析」をバランスよく学ぶ科目
- SLとHLの負担の違いや、4つの探究領域を把握して学習計画を立てる
- 演奏・作曲・レポートは計画的に準備し、締切に余裕を持つ
- 家庭ではシラバスについて話し合ったり、他文化の音楽に触れたりする機会が大切
・課題が多くてやり切れるのか不安…
・うちの子はHLを選ぶべき?それともSL?
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