・IB MusicのIAって何?
・作曲や録音をどう進めたらいいか分からない…。
・高得点を取るための工夫を知りたい!
そんな悩みを持つご家庭も多いと思います。
IB MusicのIAは作業の幅が広く、どこから手をつければよいか迷いますよね。
この記事ではIAの全体像から進め方、クオリティを高める工夫、避けたい失敗例をわかりやすく整理しています。
IB専門塾の国際バカロレアアカデミーなら、世界トップレベルのIB卒業生による個別指導や、一人ひとりに合わせた学習計画と進捗(しんちょく)管理で、お子様を徹底サポート。
完全オンライン対応だから、場所を選ばずIBの学習を進められます。
Contents
IB Music IAの全体像をつかもう
MusicのIAは生徒が音楽的な力を発揮する、大切な評価課題です。
まずはIAの基本的な意味と流れを、シンプルに解説しましょう。
IAとは「授業内での評価課題」
IA(Internal Assessment:内部評価課題)とはMusicの授業内に行われる課題です。
Musicでは筆記試験だけでなく、実際に音楽を作ったり演奏したりして、「実践力」「表現力」「思考力」をIAで評価します。
Music IAの流れ
①自分で音楽の素材を選ぶ
②実験的に作曲・演奏・録音を行う
③そのプロセスと結果をレポート形式で提出する
IAは音楽的な成長を授業内で評価する「実践型の課題」と理解しておきましょう。
IB MusicにおけるIAの役割
IAには「学んだことを使えるようにする」という役割があります。
「知っている」だけではなく「実際にできること」までが評価されるのが、IB全体の特徴です。
ですのでMusicにおいても、「実際に作曲・演奏・分析できる」ことが高評価につながります。
素材選び → 作曲・演奏・録音 → レポートによって、覚えた知識を「自分で音楽をつくる力」につなげられることを示せます。
IAは「知識を活用して実践する課題」と言えるのです。
IB Music IAを進める3つのステップ
Music IAの作業をやみくもに始めるよりも、ステップ通りに作業をした方が成果につながりやすいです。
ここではIAを成功させるための3つのステップを紹介しましょう。
Step① 素材を選びテーマとつなげる
作品の方向性を決める第一歩が「素材選び」です。
良くない素材を選んでしまうと、作曲や演奏、レポートに一貫性がなくなり、評価を落とす可能性があります。
次のようなポイントで選ぶとよいでしょう。
テーマとの関連性
「伝統音楽の再構築」など、自分の関心のあるテーマを設定する
背景とのつながり
自分の住む地域・文化・社会的なできごとと関係のある素材を取り入れる
幅と多様性
異なるジャンル・時代・文化の素材で、それらを比較・融合できるものにする
扱いやすさ
自分が弾ける楽器で演奏できる素材、録音しやすい素材を優先する
たとえば「自身の地元に伝わる民謡」を素材として選び、それをジャズ風にアレンジすれば、「背景+テーマ」でつながった作品になります。
素材選びでオリジナリティと評価基準を両立させることが、IA成功のカギです。
Step② 実験を形にする【作曲・演奏・録音】
素材が決まったら、作曲・演奏・録音の3つを順に取り組みましょう。
■作曲
選んだ素材やテーマから作った短い断片やアイデアを、楽譜や音で形にします。
例:ジャズ風にアレンジした旋律を書き起こす
■演奏
自分で楽器を演奏し、表現やニュアンスを付け足してオリジナリティを出します。
例:その旋律をピアノで演奏する
■録音
音質・バランス・ミックスにも配慮し、最終的な音源を整えます。
例:演奏をマイク録音し、リバーブなど効果を加えて調整する
この三つを丁寧に行えば、「自分で音をつくり出す力」をIAで明確に示せます。
Step③ 振り返りで評価基準を満たすポイント
作品が完成したら、自分の作品や作業の過程を振り返りをします。
IAは「作品そのもの」だけでなく、過程も評価されるからです。
次のような点を意識して振り返りましょう。
- なぜその素材・実験を選んだか
- 作業の途中で起きた変化・失敗・改善点
- 結果から学んだことと次回の方向性
ただ起こったことを並べるのではなく、「なぜその選択をしたか」「どんな失敗があったか」「次にどうつなげるか」を示すことが大切です。
IAの質を高めるシンプルな工夫
環境面や文章の作り方など、IAのクオリティを高める工夫が評価アップにつながります。
ここではその具体的な方法を紹介しましょう。
ソフトや録音環境の整え方
音楽制作の専門知識がなくても、ソフトと録音環境を整えるだけでIAのクオリティをアップできます。
良い音環境が作品の伝わりやすさを左右するからです。
まずデジタル音楽制作ソフト(DAW)と楽譜作成ソフトを選びましょう。
無料・安価なものでも十分使えます。
例:Audacity・Cakewalk・MuseScore・GarageBand(Appleソフト) など
次に録音環境ですが、必ずしもスタジオ並みにする必要はありません。
静かな部屋を使い、マイクをちゃんと設置するだけで大きく音質が改善します。
- 壁際や床の反響を抑えるクッションや毛布などを活用する
- 録音前に音量レベルを適切に調整する
こういった工夫をしましょう。
高度な技術なしでも、ソフト選び+環境調整+レベル管理を意識するだけで、作品の完成度が見違えるほどアップします。
excerptの組み立て方
excerpt(エグザープト)とは、IAで使う実験例・断片的な音楽作品のことです。
このexcerptをうまく組み立てることも、作品のクオリティを高めるポイントになります。
なぜexcerptが重要かというと、たった一つの作品だけでは音楽的な成長をアピールしにくいからです。
複数のexcerptによって試行錯誤や成長を伝えられるので、説得力のある作品になります。
以下のような構成を心がけましょう。
excerptの構成
Excerpt 1(そのまま演奏する)
選んだ素材をほぼそのまま使って、メロディやハーモニーをシンプルに演奏してみる
Excerpt 2(変化を加える)
リズムを変える、ハモリを少し変える、拍子を入れ替えるなど、原型から手を加えてみる
Excerpt 3(オリジナリティを出す)
Excerpt 1とExcerpt 2を融合させたり、アクセントやオリジナルの工夫を加えて完成形に近づける
各excerptには、次のような説明を添えるとより良いです。
- なぜその変化を加えたか
- どこがうまくいったか、どこで悩んだか
- 次のexcerptでどう発展させようと考えたか
こうした構成にすると、「考えながら進化させた作品」であることを伝えやすくなります。
語数制限を守りながら書くコツ
語数制限を超えると減点されてしまいますので、制限をしっかり守りましょう。
文章を作る前に使える語数かを確認し、各パート(導入・実験説明・分析・結論)の目安語数を割り振ります。
その上で下記工夫をしながらIAを進めましょう。
- まず「伝えたい要点リスト」を作る
- 必要ない言葉や重複を省く
- 長い文を短く分ける
- 指示語(これ・それ)を減らす など
「語数を意識しながら構成すること」と「不要な言葉を削ること」がカギになります。
ハイスコアにつながる考え方
ただ作曲や演奏をこなすだけでは、IAでハイスコアを狙えません。
オリジナリティや論理性のあるIAが高く評価されます。
ここではIAのオリジナリティを出しながら、評価基準をしっかり満たすための考え方を解説しましょう。
オリジナリティを出すための工夫
IAでオリジナリティを出すことは、ハイスコアを取るための大事なポイントです。
評価者は「正しいテクニック」だけでなく、「誰にもマネできない表現力」も重視するからです。
オリジナリティを出すために、次のような工夫を心がけましょう。
好きなジャンルの要素を取り込む
ロック、ジャズ、民族音楽といった、自分が興味ある音楽ジャンルの要素を少し混ぜる
ちょっとした変拍子・不規則リズムを使う
シンプルな4/4拍子だけでなく、5/4や7/8を一部入れて聴き手の注意を引く
楽器の奏法でアクセントをつける
ギターならハーモニクス(高音を出す奏法)、ピアノなら装飾音符(面白みを出すオマケの音)、打楽器ならシンコペーション(裏拍の強調) など
音色やエフェクトを活用する
リバーブを少し足す、電子音を入れる、アコースティックとデジタルを混ぜる など
正確なテクニックを守りつつ、小さな個性を加えて強い印象を残しましょう。
文化や社会的テーマをうまく取り入れる
文化や社会的テーマを音楽に取り入れることは、作品に深みを与えてくれます。
なぜならこうしたテーマを取り入れることで、物語性が評価されるからです。
・太鼓のリズムとピアノを重ねて、祭りと日常の対比を描こう!
・民族音楽と電子音楽を使って「過去と現在の交差」を表現しよう!
こうした工夫により、「この作品はよく考え込まれているな」という印象を与えられます。
避けたい失敗例【浅い分析や根拠不足】
浅い分析や根拠が不足しているIAは、点数を落とすリスクがあります。
「なぜその選択をしたのか」「どう判断したのか」を示すようにしましょう。
よくある失敗例
「この素材が好きだから使いました」とだけ書いている
「リズムがテーマと合うから」「文化的背景と関係しているから」など、好きな理由を具体的に説明しましょう。
実験をただ「こうしました」だけで終わる
「なぜこの方法を試したのか」「別の手法と比べてどう違うのか」などを書き加えます。
excerptが1つしかない
最初の試みと改良版で最低2つ準備し、どんな変化を加えたかを明確にしましょう。
結果だけを並べて「良くなりました」で終わる
「どこをどう直したことで良くなったのか」「改善前との違い」を具体的に述べることで、深みのあるIAになります。
分析を深め、根拠を丁寧に示すことが、説得力のあるIAを作るカギです。
Music IAを成功させる工夫と環境づくりを把握しよう
IB MusicのIAの基本と成功のポイントを解説しました。
- 素材とテーマや背景と結びつけることが大切
- 作曲・演奏・録音を段階的に進め、試行錯誤の記録を残すこと
- ふり返りでは「どう変えたか」「次にどう生かすか」を必ず示す
- ソフトや録音環境を工夫するだけでクオリティがアップする
- オリジナリティや社会的テーマを取り入れると、作品に深みが出る
・IAの進め方を一から整理してほしい…
・具体的にどんなテーマや素材を選べばいいか迷っている…
・高得点につながる方法をアドバイスしてほしい!
そんな方はIB専門塾の国際バカロレアアカデミーの個別指導・進路指導がオススメです。
経験豊富な先生が、一人ひとりに合わせてサポートします。