IBDPとは?全体像と仕組みがわかる!科目・評価・進路をやさしく解説

・IB校への進学を子どもと考えているが、制度がよくわからない … 
・大学進学への影響はあるの?
・IBDPに関する信頼できる情報が知りたい!

IBDPについて、こんな悩みありませんか?

導入校が増え、進学先の選択肢として注目が高まっていますが、情報が少なく不安を感じる保護者も多いですよね。

この記事では、IBDPの基本構成、学習期間、評価方法、コア科目(TOK・EE・CAS)、進路との関係などを解説します。

記事を読んだあとさらにサポートが欲しくなった方には、IB専門塾の国際バカロレアアカデミーの個別指導がオススメです。

  • 世界トップレベルのIB卒業生による指導
  • 一人ひとりに合わせた学習計画と進捗(しんちょく)管理

などが受けられ、お子様にピッタリの勉強法が見つかります。

IBDPとは?ディプロマ・プログラムの基本概要

IBDPがどんな目的で行われているのか、国際的な評価について詳しくお伝えします。

IBDPの正式名称と目的

IBDPは「International Baccalaureate Diploma Programme」の略で、16歳〜19歳の生徒を対象とした2年間の国際的な教育プログラムです。

学術的な探究だけでなく、倫理観・思考力・自己管理能力なども磨き、グローバルに活躍できる人材の育成を目的としています。

なお、IBDPでは科目ごとに評価のポイントが違いますし、また学校によってもスケジュールや負担のかかり方に差があることも。

特に新しく導入された学校では、先輩や実績が少なく情報が少ないケースもあるため、入学前の情報収集を徹底しましょう。

IBDPが採用されている学校と国際的な評価

IBDPは世界160以上の国と地域、約5,800以上の学校で導入されているプログラムです。

日本国内にもIB認定校が増えており、2025年7月現在は全国で73校。IBDPの修了資格は、世界中の大学で広く認知・評価されています。

IB認定校や入試について、こちらの記事に詳しく書いていますのでご覧ください。

日本国内のIB認定校の種類

日本には、PYP(初等教育)・MYP(中等教育)・DP(ディプロマプログラム)のすべてを提供する一貫校から、DPのみを実施する高校までさまざまなタイプの学校があります。

公立・私立・インターナショナルスクールなど、運営主体によって教育方針や学習環境に大きな違いがあることも。

お子様の年齢・言語力・今後の進路をふまえて、どの段階からIBに入るかを検討しましょう。

DPとMYP・PYPとの違い

IBの教育プログラムは年齢に合わせて3段階に分かれており、それぞれが異なる目的と役割を持っています。

  • PYP(初等教育プログラム):主に学ぶことの楽しさや探究心を育てる
  • MYP(中等教育プログラム):批判的思考力や多角的な見方を身につける
  • DP(ディプロマ・プログラム):大学進学のための高度な学びが中心

3つとも目的が異なりますが、実はそれぞれでつながりを持って設定されています。どうつながっているかを解説しましょう。

MYPやPYPからDPへのつながり

PYP・MYP経験者は、DPに進学するときに強みになる点がいくつかあります。

  • IB特有の学び方に慣れる(探究型学習・リフレクション・レポート作成・グループワークなど)
  • 英語によるプレゼンやライティング経験があるため、TOKやEEなどのコア科目でも力を発揮しやすい

サポート体制は学校により異なりますので、情報を集めるのがベストです。情報を収集する時には、実際のIB卒業者に聞くのがいいでしょう。

身近にIB卒業者がいない場合は、IB卒業生が個別指導をしてくれる国際バカロレアアカデミーの利用がおすすめです!

IBDPのカリキュラム構成と学習内容

IBDPのカリキュラムは、幅広い分野を学ぶ6科目と、思考力・表現力・社会性を高めるコア科目からの構成となっており、お子様の国際的に成長するよう設計されています。

6つの科目グループとは?

IBDPでは、生徒は6つの科目グループからそれぞれ1科目ずつを選択し、バランスよく学習します。

科目グループ一覧

  • 言語
  • 人文科学
  • 自然科学
  • 数学
  • 芸術
  • 選択(追加の言語や科学など)

HL(ハイレベル)とSL(スタンダードレベル)の違い

各科目はHL(ハイレベル)SL(スタンダードレベル)に分かれ、HLはより深い学習内容と授業時間を求められます。通常、3科目はHL、残りの3科目はSLでの履修です。

HLとSLでは内容も授業時間も異なり、進路にも影響があります。進路や得意・不得意に合わせて科目を選びましょう。

コア科目(TOK・EE・CAS)とは何か?

教科の勉強以外に、「コア科目」と呼ばれる科目があります。それぞれまったく異なる特徴を持っているので、それぞれを把握しておきましょう。

TOK(知の理論)

「私たちはどうやって物事を知るのか?」というテーマをもとに、「知識って何なのか」「どこまで信じていいのか」を考える科目です。

「正しさって誰が決めるの?」「平和ってどうやったら実現できるの?」といった、答えが出せないような問いに向き合い、自分で考え、疑問を持つ力を伸ばしていきます。

EE(課題論文)

生徒自身が興味のあるテーマを選び、4,000字の論文を英語で執筆する課題です。

テーマ設定・構成・リサーチ・文章力が問われる高度な課題で、大学のレポートにも活用できる力が鍛えられます。

CAS(創造性・活動・奉仕)

クラブ活動やボランティアなど、学外での体験を積む活動です。

課外活動や、自分たちで活動内容を考える中で、コミュニケーションや想いやりについて先生から投げかけがあり、学力以外の人格形成につながります。

IBDPの評価方法と得点システム

IBDPの評価方法と、平均点について解説します。

45点満点の内訳とコア科目の配点

IBの成績は、6科目それぞれが7点満点で評価され、合計42点です。

そこにTOK(知の理論)とEE(課題論文)というコア科目の評価によって、最大3点が加算され、満点は45点。

このうち、IBDPを取得するには、最低でも24点が必要とされています。

合格率や世界・日本の平均点の傾向

世界平均点は年によって変動しますが、おおむね30点前後です。2024年11月の公式統計によると約73%の合格率となっています。

日本のIB認定校の多くではこれを上回る結果を出しているので、教育の質の高さが伺えますね。

IBDPは大学進学に有利?進路との関係性

IBDPでの学びが、大学進学にどう影響するか解説していきましょう。

海外での評価と入学基準

多くの海外大学では、IBDP修了者が有利になるチャンスがあります。

特に欧米を中心としたトップ大学では、IBスコアが正式な出願条件になっている場合も多く、世界中から優秀なIB生が集まります。

  • イギリスのオックスフォード大学・ケンブリッジ大学:40点以上の高スコアを求められる。
  • アメリカのハーバード大学・スタンフォード大学:IBの学習内容や探究的な姿勢が評価され、入学選考で有利になることがある。
  • カナダのトロント大学やオーストラリアのメルボルン大学:IBスコアによる奨学金の支給、一部科目の単位認定が行われるなど、IBDPが進学後にも大きなメリットがある。

このような要件やメリットもあるため、海外の大学進学を考えている方はIBDPでその道を開きましょう!

日本国内でのIB入試の広がり

日本でもIB入試を導入する大学が増えています。東京大学、京都大学などの国公立でも、IB資格での入試枠が設けられています。

IBでの学びや論文作成の経験は、国際関係・理系・リベラルアーツなど幅広い分野での活用が可能です。英語で学んだ実績は、特にグローバル系の学部で歓迎されます。

進学先で何に重きをおかれているのか、先を見通した学びが進学へのポイントになりますよ。

英語が不安な人向けのIBDPの履修方法

英語が苦手なお子様には英語サポートが充実している学校もあります。

特に注目すべきなのが、デュアルランゲージ(日本語併用)制度がある学校や、ESL(英語サポート)がある学校の存在です。

デュアルランゲージ(日本語併用)の実態

デュアルランゲージ制度とは、IBDPの一部科目(最大4科目まで)を英語ではなく日本語で学ぶことができる制度です。

IBDPのこの制度を利用すれば、英語での負担を軽減しながらもIB資格が取得できます。

特徴

  • 原則6科目中4科目まで日本語で学習可能(残り2科目は英語)
  • TOK(知の理論)やCASなどのコア科目も、日本語で学べる学校あり
  • 英語が苦手な生徒でも挑戦しやすく、心理的ハードルが下がる

■導入校(一部)

  • 横浜国際高等学校(神奈川)
  • 仙台育英学園高等学校(宮城)
  • 筑波大学附属坂戸高等学校(埼玉)
  • 甲府西高等学校(山梨)

■注意点

運用方法は学校によって大きく異なるため、学校説明会やパンフレットで確認が必要

「日本語で学べる」といっても、課題や発表の一部は英語で行う必要がある場合もあるため、完全に英語不要ではない点には注意してください。

保護者が気になる「IBDPで得られる力」卒業生に聞きました

・うちの子の英語力で大丈夫かな?
・IBDPで本当に成長できるの?

保護者の方からよく聞かれる疑問について、実際にIBDPを経験した卒業生(現在は国際バカロレアアカデミー講師)に、体験談を聞いてみました。

IBを始めたときって、どれくらいの英語力だったんですか?

IB入学時の英語力は英検準2級程度で、とても得意というわけではありませんでした。また、帰国生やネイティブの生徒も多く、最初はかなりギャップを感じたのを覚えています。

そのとき親に言われて励まされたのが「環境に飛び込んでしまえば、自然と自分も伸びていくよ」という言葉で、それを信じて前向きに取り組めるようになりました。

なるほど。そこからどうやって英語力を伸ばしたんですか?

とにかく予習をがんばりました。授業で出そうな単語やテーマを事前に調べておくと、内容が頭に入りやすいし、自分から発言する勇気も出てくるんですよね。

授業のテーマをあらかじめ調べるなど、予習を工夫することで少しずつ自信がつきました。親もスケジュール管理を手伝ってくれたり、学習時間を確保してくれたりしたことも、助けになったと思います。

IBのクラスって高校に一つ外国があるような感じがしますよね! 授業以外でも英語は使ってたんですか?

はい、友達との雑談とかクラブ活動でも基本英語だったので、日常会話で使える表現もどんどん覚えていきました。

これからIBを考えてる人にアドバイスをお願いします!

IBを検討されている保護者の方には、お子さんの現在の英語力だけで判断せず、学校のサポート体制・学習環境をよく確認してあげてほしいです。私も「無理かも」と思いながら挑戦しましたが、環境や支えがあったからこそ成長できました。

IBDPを支える学習サポートの選び方

IBDPでは高いレベルの思考力や表現力が求められるので、お子様一人ひとりに合った学習支援が必要です。

特に自学自習だけでは補いきれない部分をどうサポートするかが、成功のカギです。ここでは、IBDPを支える具体的な学習サポートの方法を紹介します。

IB専門の塾や家庭教師の活用

IBに特化した指導を行う塾や家庭教師もあり、特にTOK(知の理論)やEE(課題論文)などのコア科目に悩んだ際に力強い味方です。

IBを経験した専門知識を持った講師の指導を受けることで、学習の方向性がはっきりして、モチベーションの維持にもつながります。

国際バカロレアアカデミーはオンラインでの個別指導なので、地域関係なく質の高いサポートを受けられる点も魅力。

悩み始めると不安になったり、勉強に集中できなくなったりしますので、1人1人に寄り添った個別のサポートを体感してみましょう!

おすすめ教材や学習ツールの紹介

IBに対応した英語教材や過去問題集、学習アプリなどを活用すれば、家庭でも効率よく勉強を続けられます。

こういったデジタルツールは多くのIB生にとても人気です。計画的に学習ツールを取り入れることが成果につながりますよ。

家庭でできるサポートとは?

保護者様による、学習計画の確認・生活リズムの管理・ストレスケアなどのサポートは、IBDPの2年間を乗り越えるうえで欠かせません。

特に保護者様がIB経験がない場合、親の学習方法とは異なるやり方であるため、親がベストなアドバイスをしてあげるのが難しいこともありますよね。

過度な干渉ではなく、「見守り」と「励まし」が関わり方のポイントですよ!

子どもがのびのびと学べるように環境を整えたり、必要なら家庭教師とつなげておくことが大切です。また、週末には気分転換の時間をとるなど、リフレッシュも大切だということを頭にいれておいてください。

IBDP認定校の選び方と通うまでの準備

IBDPの学びを充実させるには、どの学校で学ぶかも大切です。

学校ごとの特色・支援体制・環境の違いを理解し、子どもに合った進路を見つけましょう。

入試方法や出願スケジュールのポイント

IB認定校の入試は、学校によって方式が異なります。

書類選考・面接・小論文・英語試験などがあり、複数の選抜方法を組み合わせて実施するケースも。

募集時期も早い傾向があるため、希望校の出願スケジュールを確認し、十分な準備期間をとることが成功のカギです。

学費や通学環境

IB認定校の多くは私立であり、年間の学費が高額になる場合もあります。

学費には授業料のほか、教材費・施設使用料・試験料などが含まれることが多く、学校によって大きな差があります。

通学時間や交通手段、スクールバスの有無なども含めて、日常生活に無理のない通学環境かどうかを見極めましょう。

もっと詳しい情報はこちらをご覧ください。

【関連記事】IB高校完全ガイド|認定校一覧・入試・卒業後まで解説

IB DP卒業生にIBのメリットをインタビュー

国際バカロレアアカデミーの講師(IB卒業生)に、IBDPについて話を伺いました。

IBDPを受講しようと思ったきっかけは何だったんですか?

一番の理由は、「自分で考えて、表現する力をもっと伸ばしたい」と思ったからです。IBでは、自分の興味のある分野をとことん探求できたり、生徒メインで授業が進んだりするので、「これまで受けてきた授業とは全然違うな」と感じて。そういうスタイルにすごく惹かれました。

実際にIBを通じて、どんな力が身についたと思いますか?

IBって、知識だけじゃなくて「人としてどうあるべきか」みたいなこともすごく大事にしているんですよね。日々の学びの中で、「探求する力」とか「深く考える力」が自然と身についたと感じます。

あと、プレゼンやリサーチ、文章を読む・書く力は本当に鍛えられました。社会人になった今でも、めちゃくちゃ役立っています。特にプレゼンは、どう伝えたら相手に届くかを考えるクセがついたというか、それが自然と身についていたんですよね。

それはすごいですね!IBに興味がある生徒や保護者に伝えたいことってありますか?

…正直に言うと、IBって楽じゃないです。途中で「もう無理かも…」って思ったこともありました。でも、得られるものは本当に大きいです。
たとえば課題をひとつ終えるたびに「やりきった!」っていう小さな達成感があって、それを積み重ねることで、挑戦する力とか自信が育っていった気がします。
だから、「大変そうだからやめておこう」じゃなくて、「どんなふうに成長できるか」に目を向けてほしいなって思いますね。

セルフマネジメント力、周りとの協力など、IBでは「知識」以上に「人としての力」が育ちます。得られるものも大きいです。迷っている方がいるなら、ぜひ一歩を踏み出してください。

IBDPでお子さまに合った進路選択をするために

IBDPは、思考力・表現力・国際性を育てる教育プログラムとして、大きな可能性があります。一方で学習負担も大きいため、本人の意思と家庭の支えが必要です。

IBDPを選ぶかどうかは、学校の情報だけでなく、お子さまの個性や将来の希望を丁寧に考慮して判断しましょう。

・うちの子、IB高校でやっていけるのかな?
・英語が苦手だけど、IB高校で大丈夫かな?
・インターと一条校、どちらがあっているのだろう?

IBについて少しでも不安や悩みを感じられた方は、IBに特化した国際バカロレアアカデミーのサービスをご覧ください。

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