IBのIAで失敗しない方法!テーマ選びから教科別の対策まで完全解説

・IAのテーマってどう決めたらいいんだろう?
・評価基準をどう意識したらいいか分からない…
・締切までにしあげられるか不安…

IBのIAは成績に大きく影響するので、悩みやプレッシャーを感じる場面がたくさんありますよね。

この記事を読めば、テーマ選び・評価基準の理解・時間管理や科目別の攻略法までを具体的に学べます。

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IB IAの基礎知識と特徴をわかりやすく解説

IBプログラムにおいて、IA(Internal Assessment:内部評価)は必ず取り組む重要課題です。

仕組みや特徴を理解しておかないと、ムダな時間を使ったり、評価されない取り組みをしてしまったりするリスクがあります。

まずはIAの全体像を理解しましょう。

IAがIBスコアに占める比率と重要さ

IAは各科目の最終スコアにおいて、20%〜30%の比率がある重要な課題です。

各教科グループにおけるIAの占める割合を一覧にしました。

教科カテゴリーIAの配点割合
Group 1
(言語および文学)
HL:約20%
SL:約30%
(書き課題または口頭試験)
Group 2
(外国語)
約25%
(個人口述)
Group 3
(Individuals & Societies)
Business:約25%
Economics:約30% 
Group 4
(理科)
約20% 
Group 5
(数学)
約20%

※具体的な割合は科目やレベル(HL/SL)により異なります。

IAは外部試験だけでなく、レポートや探究活動を通じて「考える力」や「探究の過程」が評価されます。

ですので計画的に準備すれば、試験で伸び悩んだ部分を補い、スコア全体を底上げが期待できます。

つまりIAは成績を安定させる「保険」としても機能するので、高得点を狙うべき重要課題といえます。

IAの流れと外部試験との違い

IBでは、「IA」と「EA(External Assessment:外部試験)」の2つで成績が評価されます。

IAの採点は学校の先生が、EAの採点はIB本部が行うため、この2つで評価されるポイントが違います。

■IA

各科目の先生が課題(実験・口頭発表・レポートなど)を採点し、IB本部に提出した資料が評価されます。

「学びの過程」や「どれだけ深く探究できているか」が評価される点です。

■EA

IB本部から試験問題が提供され、試験実施→提出後に、統一された基準でIBの外部試験官が採点します。

「知識がついているか」や「時間内での解答力」が評価ポイントです。

IA・EAそれぞれの準備をするうえで、この違いを知っていることは大切ですので把握しておきましょう。

IB IAで高得点を取るための評価基準・トピック選び

IAの「Criteria(評価基準)」に沿って準備することが、何よりも重要です。

ここではIAのCriteriaと、テーマ選びを成功させるための方法を解説します。

IAのCriteria・高得点のポイント

IAで高得点を狙うなら、IBが定める「Criteria」をしっかり理解して取り組みましょう。

各教科ごとのIAでCriteriaが異なるため、どのようにCriteriaを満たせばいいかを理解しないと点数につながりません。

数学IAのCriteria

  • Presentation(構成力)
  • Mathematical communication(数学的な表現)
  • Personal engagement(興味の関与)
  • Reflection(振り返り)
  • Use of mathematics(数学の活用)

人文学系科目(経済学や歴史など)IAのCriteria

  • 明確で評価可能なRQ(Research Question)
  • 研究の深さ
  • 構成や流れの分かりやすさ
  • 表現の一貫性

自分が書く内容が「どの基準で評価されるのか」をチェックしながら、構成・分析・考察を進めIAを作成しましょう。

トピック選びの3大要素【興味×難易度×資料の入手しやすさ】

トピック選びを成功させるには、まず自分が興味のあるテーマを選ぶようにしましょう。

自分が興味のあるテーマなら続けやすいため、最後までモチベーションを保ったまま続けられるため、Criteriaに結びつけて評価されやすくなります。

さらに選ぶテーマは「難しすぎず簡単すぎないこと」が大切です。

難解なテーマは途中で挫折しやすく、簡単すぎると探究の深みが不足して評価されにくくなってしまいます。

また必要な資料が入手できるテーマを選ぶことも重要です。

「興味関心が高い」「ちょうどいい難易度」「資料の入手しやすさ」を軸にテーマを選びましょう。

Research Question(RQ)の立て方と実例

RQ(Research Question:研究課題)はIA全体の品質を左右する、最も大切な要素です。

  • 検証可能であること
  • 変数を明示できること
  • その研究をする背景が明確で、具体的であること

この点を考慮してRQを設定しましょう。

例えばBiologyなら、

「植物の光合成の速度は、光の波長によってどう変化するか?」

こういったものであれば、測定可能で具体的なRQが取り組みやすく、光の波長という変数も表しやすいです。

ビジネスマネジメントなら、

「コカ・コーラ社は、より持続可能な方向に製造方法を変えるべきか?」

このようなものだと、企業の現状や業界動向を背景にして、持続可能性という具体的テーマで検証可能な分析や提案ができます。

「測定可能で結果が分かりやすい」「変数が表しやすい」「研究の背景がある」といった条件を満たしたRQを決め、調査の方向を決めましょう。

IBでの効率的なIA執筆方法

IAは限られた期間でまとめる必要があるため、効率的に執筆する必要があります。

そのための執筆の型と、時間管理や資料整理の工夫を紹介しましょう。

IAレポートの基本構成【IMRAD形式を活用しよう】

効率的なIA執筆の型の一つとして、IMRAD形式(Introduction・Methods・ Results・and Discussion) があります。

Introduction(序論)

研究の目的・背景・RQを明示し、読み手に「何を調べ、それがなぜ重要なのか」を理解してもらいます。

Methods(方法)

調査の手順・使用した資料・実験デザインを具体的に記述し、他者が再現できるレベルで書きます。

Results(結果)

得られたデータや観察結果を、表やグラフで整理して読みやすくします。

Discussion(考察)

「結果がRQにどう結びついたのか」・得た発見の意義・反省・次の課題などを述べます。

IMRAD形式はリサーチ内容を読者に分かりやすく伝えられる型ですので、IAのクオリティを高めるためにも有効活用しましょう。

リサーチ資料の収集・整理の方法

リサーチ資料の「収集」と「整理」が、スムーズなIA執筆のカギです。

まず目的に合った資料を集めるために、Google ScholarやJSTORなど信頼できる学術リソースを活用しましょう。

これらを活用して、教科別の重要概念や一次情報を集めます。

次に資料の整理です。デジタルフォルダをテーマ別/章別に分け、EvernoteやGoogleフォルダなどを活用して管理します。

各資料に「出典(書籍名やURL、ページ番号など)」をメモしておくと、スムーズに引用でき、盗用リスクも防げます。

収集と整理の手順を決めることで、IAのクオリティを効率的に上げることが可能です。

引用・参考文献と盗用回避

IAでは引用や参考文献を正しく行わないと「盗用(無断で利用)」とみなされます。

最悪の場合スコアが無効になることもあるため、特に注意が必要です。

引用や参考文献を示す場合は、以下の方法で書くようにしましょう。

■APAスタイル

本文中引用(著者名と出版年)

「Examiners reward clarity, analysis, and evaluation」 (Mateen, 2025)

参考文献一覧(著者名は姓とイニシャル、出版年をカッコ)

Mateen, R. (2025). How to Write a Perfect IB Internal Assessment (IA) – Step-by-Step Guide. Baccalytics.

■MLAスタイル

本文中引用(著者名とページ番号のみ)

 “Examiners reward clarity, analysis, and evaluation” (Mateen 23)

参考文献一覧(著者名は姓と名前をフルで記載、出版年は末尾)

Mateen, Rabia. How to Write a Perfect IB Internal Assessment (IA) – Step-by-Step Guide. Baccalytics, 2025.

APAスタイルは心理学・社会科学分野、MLAは人文系分野でよく使われます。

引用と参考文献管理をちゃんと行って盗用を防ぎ、IAの信頼性と完成度を高めましょう。

【科目別】IB IA攻略のヒント

IAは科目ごとに、形式や評価ポイントが大きく異なります。

代表的な科目ごとのIA攻略ポイントを整理し、どう取り組めば高得点につながるのかを紹介しましょう。

Math 【テーマ設定とデータ活用】

MathのIAで高得点を取るには、まずテーマ選びが重要です。

テーマ選びの軸としては、数式やグラフなどの「数理モデル」で説明できることを重視しましょう。

  • 「気温とアイスの売上」
  • 「身長と体重」

このような数字で関係を表せるテーマであれば、説得力のある分析ができます。

次に大切なのがデータです。自分で集めた実験データや、信頼できる統計情報を使い、その数値をグラフや式に当てはめて考察します。

データが少なすぎたり信頼性が低かったりすると、浅い分析になってしまい評価も下がるので、しっかり準備しましょう。

興味のあるテーマであることももちろん大切ですが、「数字やグラフで説明できること」も重視して選ぶことをおすすめします。

Science 【実験と考察のポイント】

ScienceのIAでは、「しっかりした実験設計」と「実験結果から結論を考察する力」が重要です。

まずRQを明確に決め、どの変数を操作して測定するのかを決めましょう。

たとえば「植物の光合成に影響する要素」を調べたいとします。

その時に考えられる変数とその操作は、以下の通りです。

  • 光の強さを変える
  • 二酸化炭素の生成量を測る

実験は少なくとも3回測定して信頼できるデータにしましょう。誤差やばらつきにも触れるとより良いです。

また「なぜその方法で測定したのか」という背景や、実験結果からの結論の考察を加えると、説得力がアップして評価されやすくなります。

事前の準備と考察をしっかりしておきましょう。

Humanities(人文学系)【リサーチの進め方】

Humanities(人文学系)のIAでは、まず信頼できる一次資料を探すことがスタートです。

歴史 → 古文書

地理 → データマップ

経済 → 統計レポート

これらが一次情報にあたります。

次にそれらを読み解く「読み込み(close reading)」や「批判的分析」を行い、自分の研究の方向性をハッキリさせましょう。

読み込み(close reading)

文章や資料を一行ずつ丁寧に読み込み、意味を細かく読み取る方法

批判的分析(critical analysis)

ただ事実を知るのではなく、「これはなぜ起こったのか」という背景や意味まで考えながら読み解く方法

そして「自分とは違う意見があること」を考慮しつつ主張を組み立てられれば、高得点につながります。

良質な資料選びとその分析が基盤となるため、リサーチを計画的に進めていきましょう。

ビジネスマネジメント・Economics 【事例選びと分析の切り口】

ビジネスや経済のIAでは、 扱う事例(企業や政策)をしっかり選ぶことが高得点につながります。

なぜならその事例選びが分析のスタート地点となり、説得力のある結論を導くための基盤になるからです。

例①:ビジネスマネジメント

自分がアクセス可能な地元企業の課題(例:サービス改善や新戦略)をテーマにするのがおすすめです。

インタビューやアンケートなどの一次情報が入手でき、分析が深められます。

例②:Economics

税金や補助金など政策に関する最近のニュース記事の分析・評価がおすすめです。

信頼性のある情報源(BBCやThe Guardianなど) を使えば、自分の分析の根拠になります。

このような身近な事例・確かな情報があれば、説得力のあるIAを作成できます。

Language & Literature【口頭試験と文章課題の違い】

Language & Literature(言語と文学)のIAでは、口頭試験文章課題の2つがあり、それぞれ評価ポイントが異なります。

■口頭試験

学習した文学作品とノンフィクション作品から、一部を抜粋します。

その抜粋に関する社会問題について10分間話し、先生と5分間の質疑応答を行う形式です。

話し方・言葉の選び方・構成力が評価されます。

■文章課題

指定された文学作品に基づいたエッセイを1200〜1500語で書きます。

論理的な展開・深い理解・表現力・引用の正確さが評価の対象です。

口頭試験では「話して伝える力」、文章課題では「書いて示す力」が必要な点が大きな違いです。

IB IAで失敗しないためのチェックポイント

IAは早くから準備していても、思わぬ落とし穴にはまりやすい課題です。

IAでよくある失敗例と、その回避方法を確認していきましょう。

テーマ設定の失敗

テーマ選びが良くないと、IAの方向性が決まらず、努力しても得点につながらない可能性があります。

・データが十分に集められず、考察が浅くなった…

・難しすぎるテーマを選んでしまい、途中で挫折しちゃった…

このようなテーマ選びでは、分析も十分にできず評価基準に届きません。

  • 必要なデータが手に入るかを事前に確認する
  • 数式やグラフにできるテーマを選ぶ

こういったことに注意をしながらテーマを選びましょう。

時間管理・締切の失敗

締切をしっかり把握していないとスケジュールが崩れ、クオリティの低い課題になりかねません。

「学校が設定した締切=公式の締切」と思われがちですが、学校の締切は「IBへの提出のための前段階」という設定です。

この差を理解せずに遅れると、課題を提出できないリスクがあります。

特にIAは複数のステップ(調査→下書き→修正→最終提出)で作っていくので、各段階での時間管理が必要です。

下記の時間管理のコツを心に留め、スケジュールを確認しながら進めましょう。

締切を把握する

IBと学校、両方の提出日を表やカレンダーに書き込む習慣をつけましょう。

逆算スケジュールを作る

提出までの作業(企画・ドラフト作成・修正・最終チェック)をリスト化し、締切から逆算して「自分締切」を設定してください。

夏休みなど長期休みに準備を始める

他の課題が始まる前に、トピック選びやリサーチを進めておくと、後の作業がスムーズになります。

「学校締切とIB締切の違い」を認識し、逆算計画を心がければ余裕を持ってしあげられます。

IB IAを安心して進めるための指針を知っておこう

「IAの基礎から高得点を狙うための具体的な方法」について解説しました。

  • 自分の興味と評価基準を満たすテーマ選びが成功のカギ
  • 計画的な時間管理とデータ収集で、安定した成果を出すことが大切
  • 引用ルールや英語表現を整えることが、信頼性と完成度を高める
  • 科目ごとの攻略法で、効率よく得点につなげることが可能

・IAのテーマが本当にこれでいいのか不安…
・計画の立て方や締切管理に自信がない。
・書いた内容が評価基準に合っているのか確認したい!

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