IB EEとは?書き方のコツやスケジュールの立て方をIB専門塾が解説

・EEって何?どう始めたらいいの?
・EEの書き方に自信がない…
・スケジュールの立て方を知りたい!

EE(Extended Essay)は英語で書く長い論文。時間も手間もかかるうえ、評価にも大きく関わるからこそ、不安になる人も多いでしょう。

この記事では、EEの基本構造、科目・RQの選び方、資料探し、書き方、リフレクション、スケジュール管理のコツまでをまるごと解説します!これからEEに取りかかる初心者の方でも理解できるように書きましたので、安心して読んでくださいね。

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IB EEで最初に押さえる3つの基本

IBのなかでも、EEは特に「計画性」「実行力」「論理的な考え方」が必要な課題です。いきなり執筆を始めるのではなく、正しく進めるための事前準備が成功のカギとなります。

EEに取り組む前に理解しておきたい3つの基本ポイントを解説しましょう。

Extended Essay(EE)とは?【目的・評価方法】

EEはIB DPの必須課題の論文で、高校生が自分で設計・研究し、本文を最大4,000語で完成させるリサーチプロジェクトです。

評価は外部試験官によって行われ、構成やものごとを論理的考えて意見の裏づけにする力・資料選びなどが評価されます。

EEで身につく力は、以下の3点です。

  • 調査力・分析力:テーマの背景を調べ、情報を整理・評価できます。
  • アカデミックな文章作成スキル:序論・本論・結論といった構成を、英語で整えられます。
  • 思考力・表現力:根拠をもって自身の意見をまとめ、説得力ある文章で表現できます。

EEは大学入学に影響する課題でもあるので、A評価を狙いたいですね。

「D以下」はDP不合格の原因ともなるため、最低でもC以上を目指しましょう!

EEは自ら研究して進める大きな論文なので、自主性を持って取り組むことが大事です。

EEに必要な要素と構成

以下の6つが、EEを構成する要素です。それぞれが論理的につながっていれば高く評価されます。

タイトルページ

論文タイトル・リサーチクエスチョン・科目名・語数を書きます。氏名や学校名は不要です。

目次

全体の構成を一覧にし、ページ番号も正確に記入しましょう。

序論・本論・結論

それぞれのパートで以下を書きます。

  • 序論:調査の背景・目的
  • 本論:分析と証拠を展開
  • 結論:論点を総括

参考文献リスト

本文中で引用したすべての資料をリストアップします。

附録(必要に応じて)

図表や調査データを補足的に提示。本文に含めない詳細資料を整理します。

これらを意識すれば、形式面の減点を防ぎつつ、論理的で説得力のある構成ができあがります。

提出スケジュールと全体の時間配分|IB全体とどう両立する?

EEは約40時間をかけて準備と執筆を進めることが推奨されており、学校によっては1〜2年次で進行します。早い段階で自分なりのスケジュールを立て、他の学習やCAS・TOKとのバランスをとることが大事です。

まずは、だいたいの提出期限を確認し、そこから逆算してやること一つひとつの〆切を決めましょう。

  • テーマ決定→1年次終盤
  • ドラフト提出→2年次初夏
  • 最終版提出→2年次中頃

こういった具合です。

だいたいの期限は学校で指定していたり、IB公式に沿って決まっていたりします。学校に確認しましょう!

週あたり30~50分をEE用の時間として設けるのもオススメです。まとめてやるよりも、作業が負担にならず質もアップします。

事前に時間配分を決め、試験や他の課題に追われないスケジュールを立てましょう。

テーマとRQで差がつく!科目選びとリサーチ設計の進め方

EEはIBで履修している教科の中から1科目を選び、その分野についての論文を書きます。ですので科目選びはとても大切です。

ここでは、EEの「科目選び」と「RQ(リサーチクエスチョン)の設定」の方法を解説します。準備をしっかりおこない、高評価を目指しましょう!

失敗しないEE科目の選び方・評価されやすい分野

EEの科目選びは「好き」「得意」「調査しやすい」の3点がそろうことが重要です。このような科目で書く方が内容が充実しますし、モチベーション維持にもなります。

特にLanguage A(英語・母語系)やIndividuals & Societies(歴史・経済など)は、エッセイ形式での表現が得意・好きな生徒にとって取り組みやすく、高得点が出やすい科目です。

ただ、科目によって必要な調査の形(例:理系なら実験、歴史なら資料集め)が違うので、「どこまでできるか(時間があるか・必要な資料を手に入れられるか)」も同時に把握しておきましょう!

自分がやる気を持って取り組め、かつ実験や情報集めをしっかりできる科目を選ぶことが大切です。

A判定につながるテーマ・RQ設定方法

RQ(リサーチクエスチョン)とは、EEで自分が調べる「問い」のことです。この問いに答えるため、資料を集めて論文を進めていくので、最も重要な要素といえますね。

A判定に必要な、RQの決め方と実際の事例を紹介します。

前提として、明確で・期限内に分析可能な問いを作ることを心がけましょう。IB公式ガイドでも「答えがあいまいにならず、4,000語・約40時間で研究できる問い」がよいとされています。

次に、下のステップに沿ってRQを設計しましょう。

ステップ①:科目の選定

ステップ②:関心のある現象・テーマの選定

ステップ③:「To what extent…(どの程度)」など問い方を使い、何を調べたいのかを述べる

たとえば、English Aで「文学作品の中に出てくる歴史的・文化的な要素が、物語にどのような影響を与えているか」というテーマを選んだ場合、次のようなRQを立てられます。

“To what extent does Shakespeare use Elizabethan cultural elements in Romeo and Juliet to enhance the sense of tragedy?”

「『ロミオとジュリエット』の中で、シェイクスピアはエリザベス朝時代の文化的要素をどの程度使って、物語の悲劇性を高めているか?」

さらに、「証拠として何の資料を使うか」や調べる方法をしっかり書くと、より高得点が狙えますよ!

この流れで、読者にも理解してもらえるRQを立てていきましょう。

IB EEの資料探し・構成・引用のコツ

信頼できる資料の集め方・論文の構成方法・正しい引用ルールを知って、EEを書き進めていくことがスコアに直結します。

ここでは、EEを書くうえで必要なスキルについて解説していきましょう。

信頼できるリソース・サイト・文献

EEで使う資料は信頼性が高くなくてはいけません。

まずはIB公式が推奨する学術データベース(JSTOREBSCOhostGoogle Scholarなど)や、大学・公共の教育機関サイトから資料を集めましょう。

また、IB公式が出している公式ガイド過去のA評価EEは、書き方や構成の参考になります。

各科目の資料は、LibGuides(図書館員がタイトルごとのガイドを作成しているサービス)にもまとめられており、資料庫の使い方を学ぶのにも役立ちますよ!

これらを活用すれば、信頼できる情報をもとにした説得力のある論文が作れます。

EEの書き方と構成テクニック

EEは「序論 → 本論 → 結論」の3部構成が基本です。この構成で書けば、論理的に話を展開できるので、読み手に納得してもらいやすくなります。

序論

RQを書き、「なぜそのテーマが重要か」の背景を簡潔に説明します。

本論

手に入れた情報や分析結果を、段落ごとに整理して議論を進めます。「RQにどう答えたか」を示すことがポイントです。

結論

自分の主張をまとめましょう。「今回の研究でできなかったこと」や「今後の課題」も簡単に書いておけば評価が上がります。

この流れを意識すれば、構成の基本が身につきます。実際に高スコアのEEもこの構成が多いので、日々練習してマスターしていきましょう。

引用・参考文献リストの正しい書き方と注意点

EEでは本文中で使ったすべての資料を正しく引用し、最後に参考文献リスト(Works Cited)を作成しないといけません。盗用を防ぎ、自分の主張が信頼できる情報に基づいていることを示すためです。

引用スタイルの指定はありませんが、一般的な形式はあります。

■MLA形式

  • 文中では、著者の姓ページ番号をカッコで示す方法です。

  →例:(Smith 45)

  • 参考文献リストでは、著者の姓名・書誌情報をまとめます。

  →例:Smith, John. “The History of Literature”. Oxford University Press, 2019.

  • 英語系科目でよく使われる形式です。

■APA形式

  • 文中では、著者の姓発行年をカッコで示す方法です。

  →例:(Smith, 2019)

  • 参考文献リストでは、著者名・出版年・タイトル・出版元を省略せず書きます。

   →例(書籍):Smith, John. (2019). “The history of literature”. Oxford University Press.

  • 主に社会科学系(心理学・教育学・経済学など)で使われる形式です。

どちらを使っても構いませんが、2つを混ぜて使わず、どちらか一つで統一することが大事です。

引用と参考文献リストの正しい書き方を把握し、信頼性のあるEEを目指しましょう。

リフレクションで高評価を狙うためのポイント3つ

EEの最後には、「リフレクション」と呼ばれる振り返りのレポートを提出します。EE全体の評価に関わる大切なパートです。

ここでは「リフレクションとは何か」と、高評価を得るために押さえるべきポイントを3つ解説します。

リフレクションとは?記述の目的と評価との関係性

リフレクションはEEと一緒に提出する振り返りレポートで、先生との3回の面談終了後に執筆し、最大500語でまとめます。

リフレクションの目的は,

  • どんなふうにテーマを決めて調べていったか
  • そのとき何を考えて、どう行動したか

などを自分の言葉でふり返って、主体的に取り組んだことを伝えることです。

ただの記録ではなく、自分がなぜその方針を選び、困難をどう乗り越えてきたかを明らかにするものなんですね。

リフレクションはEE全体スコアの約18〜20%を占めます。リフレクション次第で、最終評価が大きく変わる可能性もゼロではありません。

EE本体とは別にリフレクションの準備をしっかり行い、丁寧に取り組んでいきましょう。

リフレクションで書くべき内容と例

リフレクションを通じて、「自分で考え、行動した証拠」を明確に示すことが評価につながります。

以下のように、3つの振り返りをそれぞれ140〜170語、合計で500語以内で書きましょう。

First reflection(初回)

テーマを選んだ理由・最初に考えたRQ・相談した内容・どんな視点で調べ始めたかなど。

Interim reflection(中間)

調査中の学び・RQの修正・難しかった点と対策・進捗状況など。

Final reflection(最終 / Viva後)

自分の成長や課題・今後の興味など。未来に繋がる思考を示すのが評価される。

「Viva」は先生との短いインタビューで、研究の振り返りを口頭で行う場です。

これらを意識すれば、書く内容に迷わず、高評価につながる記述ができるようになります。

スーパーバイザー面談で得点を伸ばすコツ

スーパーバイザーとは、EEで指導を担当する先生のことです 通常は自分が選んだ科目の先生が選ばれ、テーマ・構成・資料の探し方などをサポートしてくれます。

EEでは、スーパーバイザーとの3回の面談が必須で、それぞれが評価に関わります。面談で自分の研究姿勢や考え方をしっかり伝えましょう。

各面談でのポイントは以下のとおりです。

  • 初回面談:研究テーマや参考文献リストを用意し、計画を伝える
  • 中間面談:進み具合や悩みを整理し、次に進む方向を相談する
  • 最終面談(ドラフト後):改善点や質問をまとめ、主体的な姿勢を見せる

スーパーバイザーとの面談にしっかり取り組めば、リフレクションの質も高まり、EE全体の評価もより良くなります。

IB EEを途中で挫折しないためのセルフマネジメント術

EEは約1年にわたる長期プロジェクト。途中で行き詰まってしまうケースも少なくありません。

EEを最後までやり遂げるためのスケジュール管理やメンタル面の工夫など、セルフマネジメントの方法を紹介します。

モチベーションを保つテクニック

英語で書くことに不安がある人は、途中でEEのモチベーションが下がってしまうことも。ですがこの不安とうまく付き合えば、逆にモチベーションを上げるチャンスにもなります。

まず、自分がどこで英語に不安を感じるかを言葉にしてみましょう。それを先生や保護者など周囲に相談することが大切です。

次に、小さな目標を立てて進めるのもいいでしょう。

今日は英語で論文の序文を50語書く!
参考文献を3件読んでメモを取る!

このような小目標があると、達成感が積み重なりモチベーションを保てます。

「100語書くたびにご褒美を用意する」みたいな方法もいいですね!

「英語日記を書く」「活動を図やイラストで整理する」など活動を記録するのも、不安を少しずつ減らすことにつながります。

英語の不安に向き合いつつ、少しずつ前に進む習慣を作れば、EEも走りきれますね。

やることを見える化するスケジュール・タスク管理術

EEのゴールまでのスケジュールを見える化し、計画を細かく設定すると挫折を防げます。

まず提出期限から逆算し、自分なりのマイルストーン(中間目標)を設定していきましょう。

たとえば提出期限がDP2(2年生)の11月である場合、以下のように細かく設定できます。

マイルストーン目安の時期(学年・月)内容の例
テーマ決定DP1 5月頃科目とテーマを決める
RQ確定DP1 6月〜7月RQを明確に決める
情報収集
資料リサーチ完了
DP1 8月〜9月書籍・論文・統計など資料を集める
信頼性を確認
アウトライン・構成の作成DP1 10月章立てや論理展開を決める
全体の構成を設計
初稿の提出DP1 12月全文を書き上げ、スーパーバイザーからフィードバックをもらう
修正
最終稿の完成
DP2 8月〜9月フィードバックをもとに修正し、提出直前の完成版をしあげる
リフレクション記入
Viva準備
DP2 9月〜10月振り返りコメントを記入
Vivaに備える
最終提出DP2 11月上旬完成したEEとリフレクションを提出

また、週間や日ごとのタスクを書き出すのもオススメです。「今週はリサーチ3件読む」「序論を100語書く」など分かりやすくしておけば、スムーズに進められますね。

期限を学校に確認し、スケジュールを細かく・分かりやすく組むことを心がけましょう。

IB EEは細かなスケジュールと準備で乗り切ろう

高評価をもらえるEEを提出するための準備・書き方・振り返りのコツを解説しました!

  • EE成功のためには、テーマ決定とRQ設計を早く決めることが大切
  • 情報収集・構成・引用は、信頼性と形式を意識する
  • 書きっぱなしで終わらせず、リフレクションや面談の質も上げる
  • スケジュール管理と他の人からの支援も大切

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