IB Visual Artsを攻略!スコアを上げる方法を課題別で解説

・Visual Artsって何から始めればいいの?
・展示やポートフォリオのスケジュールが立てられない…
・他の教科やIAとも両立できるか心配!

IBのVisual Artsは課題の量も多いうえ、表現や分析の力も必要です。計画的に進めないと追い詰められてしまいますよね。

この記事では、Visual Artsで評価される方法、課題ごとの進め方、日々の記録や振り返りの工夫を解説しています。

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IB Visual Artsで知っておくべき評価ポイントと工夫

Visual Artsで高スコアを取るには、まず評価ポイントを正しく理解しましょう!ここでは、Visual Artsの3つの評価される力と、HLとSLの違いを解説していきます。

Visual Artsの評価ポイント

Visual Artsには「Criterion A~E」という5つの評価ポイントがあり、それぞれ3つの力(技術・分析・表現)に分類できます。

1つ目は「技術力」。これは、絵の描き方・ペンや絵の具などの道具をちゃんと工夫して使えているかどうかです。いろんな表現方法にチャレンジして、作品にこめた意図に合った技法を選べているかが評価されます。

2つ目は「分析力」作品のテーマ・背景にある文化を読み取って、それに対する自分の考えをしっかり書けているかが大切です。

3つ目は「表現力」自分の作品にこめた思いやテーマを、英語できちんと説明できるかという力です。難しい単語を使う必要はありませんが、美術に合った表現を使えていると評価が上がります。

この3つをバランスよく満たせれば、完成度にプラスされるので高い評価を狙えますよ。

Visual Artsでスコア7を取る生徒の工夫

スコア7の生徒は、スコアを上げるための工夫に力を入れています。下記は工夫の例です。

■定期的なピアレビュー

友人や先生に作品を見せて、自分の意図が伝わっているか確認しましょう。構成のズレを早めに修正できます。

写真撮影の工夫

「Process Portfolio」という経過記録の課題に写真を載せる際は、iPhoneや画像修正ツールで背景を整えましょう。高品質な制作記録になり、資料としての説得力もアップします。

■アートジャーナルを習慣化する

「何を・なぜ・どう作ったか」を日々書き留めておけば、考えたことを忘れるのを防げます。

人からフィードバックをもらったり、記録したりして軌道修正をすることは大切です。心がけて作品作りを進めましょう。

HLとSLの違いを比較しよう

HL(Higher Level)とSL(Standard Level)では、課題の量や作品クオリティが違います。

たとえばComparative Study(作品を比較して分析する課題)では、SLだと3点以上のアート作品を比較・分析し、10〜15ページのスライドにまとめます。HLでは「それらの作品に、自分の作品がどう影響されたか」を3〜5ページ加筆しなければなりません。

またProcess Portfolio(過程記録の課題)でも、SLは9~18ページ、HLは13~25ページという違いがあります。

Exhibition(展示課題)でも、SLが4〜7作品提出と400語の展示意図説明なのに対し、HLは8〜11作品・700語と大きく違います。

HLでは量だけでなく、分析の深さや質も評価されます。HLで高いスコアを狙うには、計画性とじっくりの考察を心がけましょう。

【課題別】IB Visual Artsの提出物クオリティを上げる方法

IB Visual Artsには3つの提出課題があります。各課題で「何をどう準備すれば評価されるのか」を把握し、スコアにつなげましょう。

【Comparative Study】作品選び・分析方法・構成のコツ

Comparative Studyは、異なる文化やアーティストの作品を3点以上選び、分析する課題です。

まずは自分が興味を持てるテーマ(人間、自然、色彩など)を決め、それに合った作品を選びましょう。

それらを比較する際は、「見た目の特徴(色・構図)」「作品が生まれた文化的背景」「目的や意味」の3つの視点を意識すると、深い分析ができます。

また構成は、次の順で書くのがおすすめです。

  1. 序論
  2. 各作品の分析
  3. 作品どうしの比較

図や表を使うと、より伝わりやすくなるのでオススメですよ。

ただ作品を並べるのではなく、「なぜこの作品を選んだか」「どんな点に注目して比較したか」が分かる構成を心がけましょう。

【Process Portfolio】技法・制作プロセスの記録法

Process Portfolioは、作品を作る過程をスライド形式でまとめる課題です。最終作品の提出だけでなく、以下の内容も含めましょう。

■技法・素材の実験と記録

絵の具・版画・立体など技法や素材を使って制作実験をし、写真やスキャンで記録します。技法は少なくとも2~3種類は必要です。

■アイデア・調査の記録

スケッチ・メモ・参考にしたアーティストの情報などを残し、作品の背景やアイデアの出どころを示します。

■振り返りと改善の記述

その技法や構成を選んだ理由・改善点などの振り返りを書きます。

読みやすいスライドの構成と専門用語の使用が求められます。気を配って作成しましょう。

この「実験→記録→振り返り」で整理すると、技術や思考が評価されてスコアアップにつながります。

【Exhibition】テーマの一貫性・解説文の書き方

Exhibitionは、自分で制作した作品を4〜7点(SL)または8〜11点(HL)選んで展示する課題です。解説文も必要で、SLは400語以内、HLは700語以内で提出します。

展示の際は、以下に注意して進めましょう。

■テーマに統一感を持たせる

作品は共通のテーマやスタイルでつなげましょう。展示全体にまとまりが出て、評価ポイントの「一貫性」「構成力」を満たせます。

■展示の構成にも気を配る

作品の並び順や配置に意味・物語を持たせると、鑑賞者に展示の意図が伝わりやすくなります。HLでは特に、観る人の属性・作品との関係性も意識してください。

また解説文は以下の構成で書きましょう。

序論(1段落):展示のテーマと目的を簡潔に示します。

作品選定と技法(2段落):なぜこの作品を選んだのかや、使用した技法や素材を説明します。

鑑賞者への意図(3段落):観る人に伝えたいこと、見せ方に込めた工夫を述べます。

展示も解説文も、順序を意識して作成すれば意図が伝わりやすくなります。観る人の立場になって考えてみましょう。

 美術用語・表現の使い回しテンプレート

Visual Artsでは、自分の作品や分析を英語で説明する力も評価されます。次のような、よく使う用語とその例文のテンプレートを覚えて使いまわせば、専門用語に自信がない人でも書きやすくなります。

■Composition(構成)

“The composition guides the viewer’s eye from left to right.”

「構成によって、見る人の視線が左から右へ自然に流れるようにしています。」

■Contrast(対比)

“I used contrast between light and dark colours to evoke tension.”

「明るい色と暗い色の対比を使って、緊張感を表現しました。」

■Texture(質感)

“The rough texture of the paint adds a tactile quality to the piece.”

「絵の具のざらざらした質感が、触れたくなるような感覚を作品に加えています。」

■Symbolism(象徴性)

“The recurring circle symbolises unity and wholeness.”

「繰り返し描かれる円は、統一感と全体性を象徴しています。」

比較分析や展示解説で使える文章テンプレートも用意しました。よく出てくる用語は[ ]でくくっています。

“This work reflects [theme] through its [technique/media], which emphasises [concept].”

「この作品は、[技法/素材] を通じて [テーマ] を表現しており、[コンセプト] を強調しています。」

“By contrasting [element A] and [element B], I highlight [insight].”

「[要素A] と [要素B] を対比させることで、私は [気づき・狙い] を際立たせました。」

これらはそのまま使えるテンプレです。自分の作品に当てはめて使い、説得力のある文章を作る練習をしましょう。

IB Visual Artsでスコア7を取った先輩たちの工夫

Visual Artsでスコア7を獲得した先輩たちは、どのような工夫をしていたのでしょうか?

課題ごとに実施した工夫を、先輩たちにインタビューしました!

成功例①:【Comparative Study】評価された切り口と書き方

Comparative Studyでは、どんな工夫をしていましたか?

はい、ジャンルの違う3つの作品を選ぶよう心がけましたね。たとえば、西洋の絵画と日本のポスターを比べるなど、見た目も文化も違う作品を選ぶような感じです。それぞれの作品について、「どんな絵か」「どんな意味があるか」「どうしてその表現を使ったか」を自分なりに考えて書きました。

なるほど、面白いですね。特に意識したポイントはありますか?

見た目の違いだけじゃなくて、その時代の背景とか、作品に込められた思いも比べるようにしました。あと、履修レベルがHLだったので、自分が作った作品と似ているところや、影響を受けた部分も書きましたね。

Comparative Studyでは、「なぜその作品を選んだのか」「何が似ていて何が違うのか」を自分の言葉でしっかり書くことが大切です。難しい表現は使わなくても、考えていることが伝われば高評価につながります。

成功例②:【Process Portfolio】スライドを利用した記録法

Process Portfolioで、どんな工夫をしていましたか?

まず絵画・版画・立体など、3種類以上の技法を使って実験しました。例えば、色の重ね方や紙の質感を変えてみて、その過程を写真で記録しています。

それは具体的でわかりやすいですね。記録はどのように整理したのですか?

制作の過程をスライドで1ユニットごとにまとめていました。ためこんじゃうと忘れてしまうので…。最初に意図を書き、実験結果の写真を載せ、最後に「なぜその技法を選んだか」の振り返りました。

技法と「意図→写真→振り返り」のセットで整理すれば、技術力と考察力が評価されやすくなりますね。

 成功例③:【Exhibition】コンセプトと構成をつなげる戦略

展示のテーマを決める際、どんな点に気をつけましたか?

同じ色合いやモチーフで展示全体をまとめました。たとえば、青い海をモチーフにした絵画と立体作品を並べ、観る人が自然を感じられるように意図するといった感じですね。

それは観る人も理解しやすいですね。解説文はどう書きましたか?

最初に「海のつながり」というテーマを400語以内で説明し、次に各作品について「なぜこの素材を選んだか」「どう並べたか」を書きました。特にHLでは、観る人に何を感じてほしいかも書くといいと先生に言われましたね。

テーマを統一し、展示の構成・観客まで意識した解説文を書くと、評価がアップするということですね。

IB Visual Artsのスケジュール・モチベーション管理術

Visual Artsは大きな課題が3つもあるので、時間が足りずに焦る生徒も多くいます。そのため、日々の記録や制作を少しずつ積み重ね、無理なく課題をしあげることが大切です。

忙しくても続けられるスケジュール管理とモチベーション維持の工夫をご紹介しましょう。

提出までの年間スケジュールと計画の立て方

Visual Artsでは、2年間のしっかりしたスケジュール管理が欠かせません。期限までに余裕をもって完成させるために、まず1年目と2年目の年間計画を作成することが大切です。

課題開始時から「テーマ決定」「作品制作」「リサーチ投稿」「振り返り記録」などの時期を、ゴールから逆算してあらかじめ区切っておくと見通しが立ちます。

1日30分〜1時間をVisual Artsにあてる習慣を作りましょう。週ごとに「何をするか」を分けておくと継続しやすくなりますよ。

また、提出1ヶ月前にはスケジュールに余白を作り、下記に取りかかる時間を設けましょう。

  • 各課題の見直し
  • 写真整理
  • 解説文やComparative Studyのブラッシュアップ

その時その時でやることを決めていてはいけません。いつまでに何を終わらせるのか、しっかり計画を立ててくださいね!

他科目と両立する「週○時間集中法」

Visual Artsだけでなく、他科目のテストやCASなども並行して行わないといけません。そこでおすすめなのが「週○時間集中法」です。

「平日は1日1時間、週末は2〜3時間をVisual Artsに割り当てる」といった方法ですね。

月曜:プロセス記録

火曜:比較分析

水曜:制作

このように、曜日で区切った毎週の予定表を作って毎日実行すると、集中できるうえに抜け漏れも防げます。

週末には振り返りをして、次週への改善点を洗い出しましょう!

Visual Artsと他科目をバランスよく進められるよう、やることを習慣化するのが大切です。

やる気が出ない日の「分割タスク」とテクニック

疲れて今日はやる気が出ない…。

こういうことは誰にでもあります。そんな日は一歩だけでも少し前に進み、明日に繋げましょう。そんな「分割タスク」をこなすテクニックをいくつかお伝えします。

■ブロッキング

大きな提出物を、小さな作業に分割して少しずつ実行するテクニックです。たとえば「Comparative Studyの1ページ分だけ分析する」「Process Portfolioの写真整理だけやる」のように、取りかかるタスクのハードルを下げて実行しましょう。

「小さな達成感」を意識する

分割したタスクの1つを終えるごとに「今日はここまでできた」と自分で認めると、モチベーションが維持しやすくなります。1つタスクが終わるごとにチェックリストを埋めるのもいいですね!

週1回でスケジュールを見直す

見直しの時間を取り、達成タスクと課題をチェックする習慣があれば、不安や遅れを防げます。

心が重い日でも少し進む力をつけ、一歩ずつスコアアップにつなげましょう。

IB Visual Artsの提出物作成に役立つツール・リソースまとめ

Visual Artsの提出物では「質」と「説得力」が欠かせません。

アイデア整理や作業効率アップで使える方法・ツール・テンプレートを紹介します。

評価ルーブリックを理解する方法

Visual Artsでは「Criterion A~E」という5つの評価ポイントがあると解説しましたが、ただこれらを知っているだけではもったいないです。「何が評価されるのか」を知っておき、自分の作品がそれらを満たせているかチェックしましょう。

たとえば、Criterion Aには次の内容が書かれています。

「技法の選択が意図と一致しているか?」

これを「この絵にアクリル絵の具を使ったのはなぜ? 鉛筆ではダメだったのか?」と問い直してみます。すると、「なぜそれを選んだのか」という意識がはっきりしてきます。

各Criterionを「テンプレート化」しておくのもおすすめです。

  • 使った技法とその理由
  • 参考にしたアーティスト
  • 今回のテーマとのつながり

これらのチェック項目をノートやアプリにまとめておけば、評価ポイントと照らし合わせながら制作を進められます。

Criterion A~Eを「自分が作品を良くするためのチェックリスト」として使い、作品の質を上げていきましょう。

参考になる優秀作品・チュートリアル・分析例のリンク集

優秀な提出物や分析の例を参考にするのは、とても大切です。どんな構成や表現が評価されるのか分かりますし、自分の作品と比較して改善もできます。

以下は、各提出物の作成で役立つ実例のリンク集です。

【Comparative Study

InThinking:Comparative Study Gallery

異なる文化・アーティスト作品の高評価例がたくさん掲載されていて、比較方法や構成を理解できます。

RevisionDojo:「Example of an IB Visual Arts Comparative Study」

「形式的な特徴・文化背景・象徴性」の掘り下げ方が丁寧に解説されています。

【Process Portfolio】

Clastify:IB Visual Arts Process Portfolio examples

グレード7の高得点者によるProcess Portfolio実例がまとめられているサイト。制作過程や振り返りの方法が参考になります。

InThinking:Joanna’s Process Portfolio HL
HL課程の最高得点ポートフォリオを公開。異なる技法の実験とまとめ方がとても参考になります。

【Exhibition】

InThinking:DP Visual Arts Exhibition Gallery
実際の学生作品と解説文が一緒に掲載されており、展示の構成力と説明の書き方が学べます。

NPHS Photography:IB Exhibition Examples
写真作品を中心にした展示例を掲載。観る人を意識した配置・意図の書き方を詳しく学べます。

提出物の完成度を高めるために、ぜひ参考にして自分の制作に取り入れてみてください。

制作や管理に役立つAIツール・記録アプリ・テンプレ集

IB Visual Artsの制作と記録に役立つツールをまとめました。ぜひ活用してみましょう!

Googleスライド(Process Portfolio用)

グレード7を取っている生徒には「スライドで制作過程をまとめる」という方法をしている人も多いです。写真・図版・注釈を整理するのに向いています。

Lightroom(写真補正アプリ)

作品写真の色調や明るさを整え、提出資料のクオリティを高めましょう。

ManageBac+eCoursework(提出管理プラットフォーム)
IB提出用ツールで、ファイルの整理・チェックがスムーズに行えます。学校が導入している場合はどんどん活用しましょう。

自分に合うツールを選んで組み合わせ、制作をよりスムーズに進めていきましょう。

IB Visual Artsの攻略法や成功例を学んで作品を作ろう

Visual Artsの評価基準と、スコアを上げるためと取り組み方を解説しました!

  • 制作と記録は並行して行おう。日々の積み重ねの習慣化が大切
  • HLは量だけでなく、深い考察と構成の一貫性が必要
  • 評価ポイントを「チェックリスト」としてまとめて活用しよう
  • 各課題の意図を理解し、余裕を持って準備を進めよう

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