【AAとAIどっち?】IB Mathで失敗しない科目選びのコツ|IB卒業生インタビューあり

・MathのAAとAIって何が違うの?どっちを選べばいい?
・理系志望でもAIは不利にならないかな?
・HLとSLのどっちにすればいいか、誰かに相談したい…

この悩みを持つIB生はとても多いです!進路や自分の得意に合わない選択をしてしまうと、後悔する可能性もあります。

この記事では、「シラバスの違い」「試験の傾向」「進路との相性」「学習戦略」というポイントから、AAとAIの違いと選び方をわかりやすく解説します。さらに、自己診断チャートやIB卒業生へのインタビューもあるので、ぜひ最後まで読んでみてください!

本記事を監修するIB専門塾の国際バカロレアアカデミーでは、世界トップレベルのIB卒業生が個別指導をしてくれます。学習計画から進路相談まで、完全オンラインで世界中どこからでも受講可能です。

IB MathでAAとAIで異なる2つのポイント

IBのMathにはAA(Analysis and Approaches)とAI(Applications and Interpretation)という2つのコースがあり、それぞれ学ぶ内容や評価方法が異なります。AAとAIの具体的な違いを把握しましょう。

勉強する目的の違い【AA→理論重視/AI→実用重視】

AA(Analysis and Approaches)は、純粋な数学・理論重視のスタイルです。

  • 微分積分
  • 代数
  • 証明

こういった「まさに数学」と言える内容でできており、数学的思考力が鍛えられます。

一方、 AI(Applications and Interpretation)は、実用的な応用重視です。

  • 統計
  • 確率
  • モデリング

このような、グラフや電卓を活用しながらデータ解釈を学ぶ内容になっています。

学習目的や学び方が大きく異なるので、自身の得意や興味に合わせて選ぶことが大切です。

評価基準の違い【AA→計算過程を評価/AI→データ応用を評価】

上記のように学ぶ内容が違うので、評価基準もAAとAIでハッキリ分かれます。

AAでは、「どのように答えを出したか」という考えの過程論理の流れが評価対象です。展開や証明問題など、途中式や説明が必要な問題が多いからですね。

一方でAIでは、データやグラフを読み解き、どう活用するかという応用力・解釈力が見られます。過去の問題では以下のようなテーマがありました。

  • 伝染病の感染数の予測:コロナウイルスの感染者数を日ごとに記録し、関数を使って今後の広がり方を予測する
  • 惑星の軌道の動きの再現:観測データを使って天体の動きを式で表し、次はどこに現れるか計算する
  • 売上の予測と分析:商品の広告費と売上の関係をグラフや数式にして、どのくらい売れるか予測する

「AA:数学自体を深く学ぶコース」「AI:数学を現実問題に応用するコース」といえます。試験の出題スタイルからも、どちらが自分に合っているかを考えましょう!

IBのMathではAAとAIどっちを取るべき?進路から考える基準

大学進学を考えたとき、「AAとAIのどちらが有利か」「それぞれ学べばどんな学部に入れるか」は気になるポイントですよね。どちらを選ぶべきかの判断に使える、3つのポイントを紹介します。

AAが活きる進路【工学・理系・医療】

AAは理系分野の基盤になる科目です。AAで学んだことが活きる学部や職業を解説します。

■工学・物理・コンピュータサイエンス

AAのHL(Higher Level)では、微分積分・線形代数・関数の理論などを深く学びます。

  • 工学系
  • 物理系
  • プログラミング
  • アルゴリズム設計

これらの内容につながる数学力が身につくので、志望している人はAAの方がいいでしょう。

オックスフォード・ケンブリッジ・MITなど多くのトップ大学で、AA HLが推奨か必須です。

■理論・純粋数学・研究分野

AAでは「論理的思考力」や「理論のもと筋道立てて説明する力」が鍛えられるので、数学専門職・研究職・大学院進学を目指す学生に向いています。

■医療・理学

医療研究の分野を目指すならAA HLは信頼度が高いです。AA SLでも基礎を学べるので、SLから始めるのもいいでしょう。

AIが活きる進路【社会科学・ビジネス・環境学】

AIの学習が活きる大学や学部は、AAとはまた大きく違います。

■社会科学・心理学・教育

これらの学部は「アンケートを統計処理して仮説を検証する」というような授業が多いです。AIは統計やデータ分析がメインなので、身につけたスキルがそのまま役立ちます。

■ビジネス・経済・マーケティング

AIでは、売上や顧客数などのデータを使って「こうすれば、売上が何%増える」といった予測や分析が学べます。たとえばトロント大学のビジネス系学部では、AI HLが入学要件です。

■環境学・生命科学

これらの学部では「空気がどれくらい汚れているか」や「水の状態はどうか」など、多くのデータを集めての調査があります。データをグラフにまとめたり、傾向を読み取ったりするAIのスキルは、こういった学部で役立ちます。

日本・海外の大学での評価

日本では、国公立大学を中心にAAを重視する傾向があります。特に理工系ではAAの履修が出願条件になっていることもあるため、しっかり確認しましょう。

■理工系(工学・情報・データサイエンスなど)

岡山大学・九州工業大学・鹿児島大学などの国公立大学の出願条件では、AAのHLまたはSLの指定がある場合が多いです。

■文系・教養系(教育学・国際学など)

筑波大学・広島大学などでは、教育学部や国際教養系学部を中心にAA・AIのどちらでも出願可能なケースがあります。

海外では、大学や学部によって、AAとAIで要件が分かれています。志望校の要件をしっかり確認しましょう。

英国(オックスフォード、ケンブリッジ、UCL等)

工学・物理・数学・コンピュータサイエンスといった理工系学部では、AA HLが必須条件です。経済・心理・社会科学などはAI HLでも評価されます。

北米(カナダ・アメリカ)
カナダのUBCでは、工学部志望者にAA HLまたはSLを求めており、AI SLは非推奨です。トロント大学ではAI HLでも出願可能ですが、専攻によって異なります。

その他(オランダ、香港、オーストラリアなど)
香港大学やシドニー大学などでも、理工系ではAA HLが要件で、AI SLでは入試要件を満たせないことも。

国内外問わず、希望する大学の要件はしっかりチェックしておきましょう。

あなたはどっち向き?IB Math AA/AI自己診断チャート

ここでは、一人一人の得意/不得意や進路の違いをもとに「自分に向いているのはAAかAI?HLかSL?」を見極めるための自己診断チャートをご用意しました。

コース向いている人の特徴避けた方がいい人の特徴
AA HL・数学の理論を深掘りが好き
・工学や理系志望
・記述力に自信あり
・証明や理論に興味がない
・短文の解答が得意
AA SL・理論も多少学びたい
・国内大学の理系学部を視野に入れている
・数学はやや得意
・計算以外が苦手
・理論の仕組みを考えるのが面倒
・論理的説明に抵抗がある
AI HL・データ分析や応用に興味がある
・ビジネスや社会科学志望
・英語資料やプレゼンにも強い
・データ操作や考察が嫌い
・長文問題やプレゼンが苦手
・数式の意味より手順通り解くのが好き
AI SL・数学を実用的に使いたい
・統計やグラフ操作が得意
・海外大の非理系志望
・表やグラフが苦手
・実生活での数学の活用に関心が薄い
・分析より計算が好き

AA HL/AA SL向きの生徒タイプとは?実例で紹介

SLと比べ、やはりHLは高度な分析や思考が必要になります。

AAのHLを選んだある生徒は、IAで「最適な軌道設計によって、宇宙船が受ける放射線を最小化する方法」をテーマに選び、高度な微分を使ってGrade 7を獲得していました。

このように、「なぜそうなるのか?」を高度な数学で説明したい人には、AAのHLがとても合います。

一方、AAのSLを選んだ別の生徒は、「円錐や円柱の体積と表面積を最小化する関係」をテーマにし、幾何と最適化の基礎的な概念をIAで扱い、Grade 7評価を得ました 。

理論的思考をしっかり学びたい人には、SLが合っています。特に大学受験も考えて「数式の論理が好き」という人には、SLでも十分に価値があるでしょう。

AI HL/AI SL向きの生徒タイプとは?実例で紹介

AIは、数学を使って実生活の問題を解決したい人に向いています。

AIのHLの例として、「配送ルートの最適化」をテーマにしたIAがあります。この生徒は、複数の配送先と交通データを組み合わせ、GDC電卓で「総移動距離・時間」を最小化するアルゴリズムを構築し、Grade 7を獲得しました。

一方、AIのSLでは、社会や生活により密着したテーマが好まれます。

ある生徒は「モノポリーゲームの勝率を統計で探る」をテーマにしました。実際に繰り返しプレイしたデータから成功確率をモデル化し、Grade 7を獲得しています。

「誕生日の一致確率(バースデーパラドックス)」をSLのテーマに選び、クラスメートへのアンケートと統計分析で成果を出した例も。

AIでもHLとSLで難易度が大きく違います。よく考えて選ぶようにしましょう。

IB MathのAA /AIでGrade7を目指すための戦略

Mathで最高評価のGrade7を取るためには、戦略的な学習が欠かせません。AAとAIそれぞれの戦略を紹介します。

勉強スタイルと戦略の違いを知ろう

AAで高得点を狙うためには、「理論の理解」と「記述力の強化」が必要です。

具体的には、過去問を繰り返し解く際に、下記を考えノートに残しましょう。

  • なぜその公式を使ったのか
  • その手順を選んだ理由は何か

さらに、「シラバス(授業で学ぶ内容)の項目を一つずつ確認しながら、難しい内容は細かく分けて、順を追って少しずつ理解していく」ことも大切です。

一方AIでは、「GDC電卓」の操作と、データ分析に強くなることがスコアにつながります。自分の学習習慣を作り、関数・統計・モデル構築の演習を定期的に行いましょう。

AIは「電卓の扱い方も含めたスキルを徹底的に磨く」ことがスコアにつながります!

共通して効果的な習慣として、以下の点がオススメです。意識して取り組みましょう。

  • 新しいことを学んだ直後、問題を3~5題演習する
  • 苦手分野は早めに対策する
  • 過去問は本番の時間と同じ感覚で解く

おすすめ教材と学習リソース

Mathの学習教材として、有名なものをご紹介します。

Revision Village(英語・AA/AI対応)

  • IB生の約80%が利用という実績。
  • AA・AIのSL/HL全レベルをカバー。過去問・解説動画・模試が充実しています。

Christos NikolaidisのIBノート(英語)

  • Math AA/AIそれぞれの公式整理ノート、問題集、HL向けPaper 3対策資料などが無料で公開されています。
  • 教師や生徒から「体系的でわかりやすい」と高評価。

Intermathematics(英語)

  • AA/AIのSL・HLすべてに対応。PDFワークシートやPaper 3演習問題が300以上揃っています。

QANDA(日本語対応)

  • AIによる解法の案内+補足動画を確認できます。

GDC/TI電卓と過去問演習がカギ

Grade 7獲得には、「GDC(グラフ描画電卓)の操作スキル」「過去問演習」は必要です。

特にAA/AIのHLでは、グラフを描いたり方程式を解いたりする場面が多いです。電卓を使いこなし、どの場面でどんな機能を使ったかを、正確で素早く答案に示す必要があります。

そのためには、過去問を繰り返し解くことが何より効果的です。試験と同じ形式で練習を重ねれば、出題傾向や問題パターンに合わせた電卓の操作手順が自身につきます。

IBのMathは「どのようにして答えを出したか」が評価される科目です。GDCの練習を、必ず過去問演習でマスターしましょう。

IB卒業生にMathのAA /AIについてインタビュー!

IB専門塾「国際バカロレアアカデミー」には、自身もIB生だった先生がたくさんいます。

今回、MathでAAとAIそれぞれを選んだ先生にインタビューしました!AAかAI、またHLかSLの選択が、実際にどのように役立つのか答えてくれましたので、ぜひ読んでみてください。

AAを選んだIB卒業生にインタビュー

まず、AAを選んだSさんとAさんにインタビューしました。

まずはAAでHL・SLそれぞれを選んだ理由を教えてくれますか?

私はAAのHLを選択しました。選んだ理由は、ただ数字の問題を解くだけじゃなくて「なぜそうなるのか」を突き詰めるのが好きだったからです。証明とか、筋道を立てて考えるのが面白くて。

それならAA、特にHLはピッタリですね。大学の理系分野でも求められる力ですし。

私はSLを選びました。計算の正確さだけじゃなくて、「なぜそうなるのか」を考えるのが好きでした。たとえば、ピタゴラスの定理の証明をいろんな方法で調べたりして、納得できたときが一番楽しかったです。

その姿勢はAAに向いていますね。AAでは、公式や証明の考え方から数学の「理屈」を深く理解する力が求められますから。

AAを選んで、大学でもその道を進んだんですか?

はい、現在は工学部でプログラミングの勉強をしていて、AAで習った証明や関数の扱いがすごく役立っています。

私は心理学を学んでますが、統計や実験データを扱うときにAAの学びがすごく活きてますね。

AIを選んだIB卒業生にインタビュー

続いては AIを選んだ先生たちに話を聞いてみました。

AIを選んだことで、日常や大学生活で困ったことはありましたか?

私はAIのSLを選択しましたが、大学でマーケティングの授業を取ったときに、アンケート結果をグラフ化したり、キャンペーンの効果を統計で検証したりする場面がありました。AIで習った回帰分析やグラフの読み取り力が、すごく活かされたなと感じています。

現実的なデータ処理に強いのがAIの特徴ですよね。

私はAIのHLでした。IAでは『地域の気温推移から、地元農産物の収穫時期を予測する』というテーマを選んで研究をしました。GDC電卓を使ってデータ整理と仮説検証をし、先生からも「実社会で使えるね」と褒められました。

それはすごい!AIで学んだ技能がちゃんと活かせていますね。

そうですね。私は経済学部に進みましたが、AIで学んだ「確率分布」や「統計テスト」が大学の授業で使えたので、研究に自信を持って取り組めました。AIの勉強をしていて本当に良かったです。

IB Math AAとAIの違いを知り、自分に合う科目を見極めよう

IB MathのAAとAIの違いと選び方について詳しく解説しました。

  • AAは理論重視、AIは実用重視というカリキュラムの差
  • 試験形式やGDC電卓の活用場面にも違いがある
  • AAは理系・工学系、AIはビジネス・社会科学系に適している
  • 教材選びや過去問の使い方も、得点戦略に大きく影響する

・AAとAI、自分ではどちらがいいか決めきれない…
・海外大の志望学部で、AAが必要か不安
・AIを選んでも、理系進学に支障がないか相談したい!

そんな方は、IB専門塾の国際バカロレアアカデミーの無料相談をご活用ください。IBの指導をしてくれる先生が、あなたの状況に合わせた最適な学習戦略を一緒に考えてくれます!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です