IB TOK完全攻略|EssayとExhibitionで満点を取るためのステップ

・TOKって何をすればいいの?
・EssayとExhibitionの違いが分からない…
・英語でうまく書けるか心配…

TOKは独特なルールや評価基準があり、最初は戸惑いますよね。

この記事では、TOKの基本、Essay・Exhibitionの書き方や構成のコツ、よく使う英語表現までわかりやすく解説します。

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IB TOKの全体像と評価の仕組みを解説

TOK(Theory of Knowledge)は「知識とは何か」や、その獲得・活用方法について考える科目です。評価は「Essay(外部評価)」と「Exhibition(内部評価)」の2つで構成されています。

この章では、TOKとはどんな科目か、そしてスコアアップや評価基準で注意すべき点を確認しましょう。

TOKで求められる「知識観」|Essay・Exhibitionの役割

TOKでは「知識とは何か」「どうやって知識を手に入れられるか」を深く考えていきます。そこで大切になってくるのが、「知識観」という考え方です。

これは、「何をもって知識とするか」「どのように知識を評価するか」という姿勢や視点を意味します。

「五感で体験して得た情報は信頼できるのか?」

「権威のある人の発言は全て知識と呼べるのか?」

このような問いを投げかけ、「知識とは何なのか」を考えるのが知識観であり、TOKでとても重要な視点です。

またTOKでは、EssayとExhibitionという2つの課題で評価されます。

■Essay

IBが毎回定める「Prescribed Titles(指定されたタイトル)」について、AOK(知識の領域)とWOK(知の獲得手段)を使い、論理的な主張を書く課題です。

AOKとWOKについては後で説明しますね!

■Exhibition

身近なアイテム3つを選び、それをTOKのプロンプト(問い)と結びつける課題です。たとえば「過去の知識は、現在の知識に影響を与えるか?」というプロンプトだったとします。身近なアイテムとして「古いカメラ」や「家族写真」を用いて「なぜこのカメラ(身近なもの)が記憶と知識に関連するのか(問い)」を、具体的に説明するといったものです。これにより、現実世界と知識の本質がどうつながっているのかを示します。

EssayもExhibitionも「知識観」を示す課題で、TOKで大切な「批判的思考」と「現実との関連づけ」が評価されます。

AOK・WOKとは何か

TOKでは、AOK(知識の領域)とWOK(知るための方法)という2つの考え方を使います。

AOK(Areas of Knowledge)は、「知識のジャンル」だと考えるとわかりやすいでしょう。たとえば、自然科学・数学・歴史・芸術・倫理・人間科学などのことです。

それぞれのジャンルで、「知識とは何か?」という考え方や、知識の集め方が異なります。たとえば自然科学(Physics、Chemistryなど)では、実験データが知識となります。いっぽう歴史では、当時の手紙・写真・新聞などの証拠や、それらをどう解釈するかが重要です。

AOKによって「知識のつくられ方」や「どうやって集めるのか」が異なるということを理解しておきましょう。

WOK(Ways of Knowing)は、人が「どうやって知識を手に入れるのか」の手段を表します。たとえば、感覚・言語・理性・感情などがWOKに含まれます。

見たり聞いたりして知識を得るのが「感覚」、話し合って知識を得るのが「言語」といった感じですね!

このAOKとWOKは、EssayでもExhibitionでも考えの土台になります。

たとえばEssayでは、「このAOKでの知識は、どんなWOKを使って成立しているか?」という分析に使うことが必要です。

Exhibitionでも、「このアイテムがどんなAOKに関係し、どのWOKを通じて知識が生まれているか」を示すことで、説得力あるコメントになります。

「知識を語るためのフレーム」としてAOK・WOKを活用しましょう。

スコア配分・高得点を取るための基本ルール

TOKの配点ですが、EssayとExhibitionそれぞれが10点満点で採点され、合計20点です。これを30点満点に換算し、IB DPにおける最大3点のコア点に反映されます。

この3点は、大学出願でも重視されるとても大切な得点です!

Essayで高得点を取るには、「自分の意見をしっかり説明できているか」をよく確認しましょう。文章の流れに無理や矛盾があったり、例がはっきりしないと点数が下がります。また、1600語を超えると減点されるので注意が必要です。

Exhibitionでは、「プロンプト(問い)と選んだアイテムがちゃんと関係しているか」が評価されます。たとえば「過去の知識は、現在の知識に影響を与えるか?」というプロンプトに、ただ思い出の写真を選ぶだけでなく、「なぜこの写真がその問いと関係あるのか」をしっかり説明しないといけません。

「何を説明しているのか」だけでなく、「なぜそう言えるのか」を自分の言葉でわかりやすく説明することが大切です。

IB TOKのEssay対策4ステップ

TOKのEssayではタイトル(Prescribed Title)を選び、それに合った知識の例や考え方を整理して書かないといけません。

ここでは、Essayを完成させるまでの4つのステップを紹介します。

タイトル選びで失敗しないためのポイント3つ

TOKのEssayでは、IBが決めている6つの「タイトル(Prescribed Titles)」の中から1つを選び、それに対する自分の考えを論理的に書いていきます。最初にどのタイトルを選ぶかがとても大事です。

6つのPrescribed Titles(簡略訳)

  1. 楽観主義は、知識の生産において常に有益か?
  2. 知識は、確実さよりも好奇心によって発展するか?
  3. 知識における「意見」と「偏見」の違いは何?
  4. 私たちの世界理解を、専門知識が制限することはあるか?
  5. テクノロジーは知識の伝達にどのように影響するか?
  6. 数学において創造性はどのように現れるか?

次の3つのポイントを押さえて選びましょう。

■自分が興味を持てるタイトルを選ぶ

好きなタイトル・身近なタイトルなら、調べ物も執筆も楽しく進められます。

■自分が得意なAOKを選ぶ

自分が得意な教科(歴史や科学など)に関連するタイトルを選べば、例示がしやすく説得力ある文章が書けます。

■タイトルを自分の言葉で言い換え理解する

各タイトルの意味は分かりにくいものもあるので、自分の言葉で言い換えて理解しましょう。たとえば「楽観主義は、知識の生産において常に有益か?」というタイトルは、「新しい知識を作るとき、失敗を恐れず前向きに考えることは、いい結果につながるだろうか?」と言い換えられれば理解しやすいですね。

この3つを意識すれば、自分に合ったタイトルで高得点Essayに踏み出せるでしょう。

Claim–Counterclaim構造と段落設計の基本

Essayの本論は、Claim(主張)→ Counterclaim(反論)という形で組み立てると説得力がアップします。使う知識分類(AOK)ごとに、次の流れで構成しましょう。

① まずClaim(主張)を示す

主張をひとことで書き、具体的な実例(自分の経験やニュースなど)で裏づけします。そして「この例はなぜ主張の裏づけになるのか」を説明し、そのAOKで得られる教訓をまとめましょう。

② 次にCounterclaim(反論)を書く

Claimとは逆の意見や別の可能性を示し、やはりこちらも別の例で裏づけをします。その例が示す問題点も論じられれば、自分の考えの幅広さをアピールできます。

このパターンをAOKごとに繰り返せれば、バランスのいい考察が可能です。

さらに最後の段落では、両方の主張を比較して「自分はどちらの主張に近いか」「どの状況なら主張が変わる可能性があるか」をまとめましょう。

AOK・WOKの組み合わせ|Real-life Situationの使い方

AOK(知識の領域)とWOK(知る方法)を組み合わせ、実生活の例(Real-life Situation/RLS)に当てはめて考えることも大切です。

たとえば「自然科学(AOK)」と「理性(WOK)」を組み合わせて、「新型スマートフォンの購入をどのように判断するべきか」という例で説明しましょう。

① RLSを簡潔に描写する

「新型スマートフォンのスペックが自然科学誌で紹介され、それを読んだ多くの消費者がよく考えて購入の判断をした」という状況を挙げる。

② そのRLSがどのAOKとWOKに関係するか示す

消費者が感覚ではなく、自然科学(AOK)のデータを、理性で参考にして購入の意思決定をした(WOK)ことを説明する。

③ AOK・WOKがClaimとCounterclaimをどう支えているかを説明する

「科学的知識と理性で判断すれば、納得感のある選択ができる」一方で、「感覚や直感に頼る判断のほうが、満足度や幸福感につながることもある(Counterclaim)」というように、理性vs感覚の構図で議論を展開する。

④ 自分の立場はどちらかを書き、状況による判断の変化も考察する
「スマートフォンのように高額で長く使う製品では、データに基づく理性的な選択のほうがいい」と主張しつつ、「予備のスマートフォンを選ぶようなときや、見た目や手触りを重視したい場合は、『なんとなく好き』といった感覚で選ぶ方が満足度が高くなることもある。」と、状況によって主張が変わることを記載する。

このような流れで書くと、論理的で説得力のあるエッセイになります。

高得点Essayの構成と表現

高得点のTOKエッセイは、分かりやすくて論理的な構成がカギです。イントロ→本文→結論の流れを意識しましょう。

まずイントロでは、タイトルの意味を自分の言葉で定義し、自分の立場をはっきり示します。たとえば「楽観主義は知識を生み出すことに利点はあるが、偏りを生むこともある」といったように、両面を意識した立場が大切です。

本文では、2つのAOK(例:自然科学と歴史)ごとにClaimとCounterclaimを展開し、実例と分析を交えて比較しましょう。このとき、AOK・WOKの使い方が一貫していると、説得力がアップします。

最後の結論で、ClaimとCounterclaimを整理し、自分の考えを簡潔にまとめます。これで自分の理解と考えを伝えることが可能です。

このように、「明確な立場 → AOKごとの議論 → バランスの取れた結論」の流れを意識して、執筆の練習をしましょう。

IB TOKのExhibitionでカギとなる3点設計

Exhibitionはプロンプトとアイテムを関連づけて説明しますが、「なぜそのアイテムを選んだか」「それがどんな考察につながるか」という考え方が重要です。

ここではExhibitionで必要なプロンプト・アイテム・コメント文の3要素をどう設計するかを中心に、準備のポイントを解説します。

プロンプト選び|アイテムの関連づけ方

Exhibitionでは、まず35のプロンプトから1つを選びます。自分が興味を持てるプロンプトを選びましょう。

次に、3つの具体的な物や画像(アイテム)を選びます。アイテムの選び方は次の3点です。

①具体的で実在するものを選ぶ( 博物館のチケット・自分が使用した製品など)

②プロンプトを異なる視点でとらえる3点にする

③プロンプトとアイテムの関連が分かりやすいものを選ぶ

たとえば「『知っている』とはどういう状態を指すのか?」というプロンプトであれば、以下のアイテムを例として挙げられます。

  • 学校の成績表(テストの点数は『知っていること』の証明になるか?)
  • SNSでの誤情報のスクリーンショット(多くの人が信じていても、それは本当の知識と言えるのか?)
  • 図書館のカード(本を借りただけで『知っている』状態と言えるか?)

このような異なる切り口のアイテムを選べば、プロンプトへのいろんな角度からのアプローチが可能です。

興味のあるプロンプトとアイテム選びがちゃんとできていないと、説得力のある構成は出来上がりません。しっかり準備をしましょう。

950語コメントに入れる要素・評価される構成

Exhibitionでは、3つのアイテムとプロンプトの関係を、最大950語のコメントで説明することが必要です。

このコメントは「アイテムとプロンプトの関連性」「分かりやすさ」「自身の経験や考えとのつながり」で評価されます。

読み手に伝わるコメントを書くには、以下の構成を意識すると評価されやすいです。

①プロンプトの提示

選んだプロンプトを簡潔に紹介し、どの視点から考えるかを書きます。

②各アイテムの考察

それぞれのアイテムについて、

  • 何のアイテムか(説明)
  • なぜ選んだか
  • そのアイテムがプロンプトがどう関係するか

をセットで書きます。

③まとめ
全体をふり返り、「知識とは何か」についての自分の見解を一言でまとめます。

こうすれば内容に一貫性があり、読み手にも伝わりやすくなる構成になります。しっかり意識して準備しましょう。

減点を防ぐ!自己チェック項目と表現の注意点

コメントが評価基準をちゃんと満たせていないと、高得点は取れません。以下の自己点検リストで、コメント全体を振り返りましょう。

  • プロンプトと各アイテムの関係を、文章中で3回以上触れているか? 
  • アイテムを選んだ理由が、自身の体験や考えと結びついているか? 
  • 一つひとつの主張に対して、具体例や観察結果などの証拠がついているか? 
  • 抽象的な説明だけになっていて、考察が少なくなっていないか?
  • プロンプトの意味を履き違えて捉えていないか?

このチェックリストを使ってコメントを改善すれば、読みやすく説得力のある作品に仕上がりますよ。

IB TOKの表現力強化術【非ネイティブ向け】

非ネイティブの方へ向けて、EssayやExhibitionコメントでの英文表現・セルフチェック方法を紹介します。AIツールを活用した表現確認など、実際に使えるレベルのスキルなので把握しておきましょう。

EssayとExhibitionで使えるフレーズと言い換え例

EssayやExhibition コメントで評価される表現には、TOKの用語を使って自然な英文の定型表現を使う必要があります。わかりやすい言い換えを知っておけば、言語力に自信がなくても説得力がある文章にすることが可能です。

EssayやExhibitionですぐ使えるフレーズ例

  • “This example illustrates…” → 「この例は~を示しています」
  • “I argue that…” → 「私は~と主張します」
  • “One possible counterclaim is that…” → 「反対の立場として考えられるのは~です」
  • “By using reason and observation in the natural sciences…” → 「自然科学で理性と観察を用いることで…」
  • “This object represents a different perspective because…” → 「このアイテムは別の視点を表しています。それは~だからです」

これらのフレーズを使うと、Claim/Counterclaim構造やAOK・WOKの説明がスムーズに伝わります。

AIツールを使ったセルフチェックの方法

AIツールを使って構成・表現・論理のチェックを行うと、EssayやExhibitionコメントをより改善できます。

AIは文法や構成だけでなく、TOKの構成や表現の流れを分析し、修正点を見つけてくれるので便利ですよ。

  • JoJo AI:Essayの構成や論点が正しいかを診断し、Claim/Counterclaim構造を良くするのに役立ちます。
  • QuillBotのEssay Checker:文法や語彙のチェック、自然な言い換え表現の提案で、表現の幅を広げられます。

AIを使えば文章の質をよりアップできます。ただしAIの情報が100%正しいとは限りません。自分で正しい情報を手に入れることを大事にしましょう。

TOK高得点へのステップを把握して準備しよう

TOKの基本と、高得点を取るためのステップを解説しました。

  • TOKはAOKとWOKを使って論理的に進めよう
  • EssayはClaim–Counterclaim構造とReal-life Situationがカギ
  • Exhibitionはプロンプトとアイテムの関連づけが重要
  • 英語表現は「テンプレート+自分の言葉」で組み立てよう
  • チェックリストを活用して得点アップ!

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