・IBのBiologyって何から勉強すればいいの?
・SLとHL、どっちを選ぶべき?違いがよく分からない…
・IAのテーマってどう決めればいいの?
IB Biologyは専門用語も多く、試験形式や評価方法も独特。迷うのも無理はありません。
この記事を読めば、Biologyの試験構成、SL・HLの違い、効果的な学習法やIA対策までしっかり理解できますよ。
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Contents
IB BiologyのSLとHLを選ぶポイント
BiologyのSL(Standard Level)・HL(Higher Level)のどちらを選ぶかで、学習バランスが大きく変わります。そのため、どちらにするか悩む生徒は多いです。
まずはSLとHLの違いを整理し、自分に合った選択をするためのポイントを紹介しましょう。
授業時間・負担・評価の違い
SLとHLの違いをまとめてみました。
比較項目 | SL(Standard Level) | HL(Higher Level) |
---|---|---|
授業時間 | 約150時間(2年間) | 約240時間(2年間) |
学習負担 | 基礎的な内容が中心で軽め | 高度なトピックを含み、課題・復習量も多い |
試験構成・評価 | Paper 1・2+IA(内部評価) ※Paper 3は2025年新シラバスで廃止 | SLと同じ |
評価比重 | Paper 1:36% Paper 2:44% IA:20% | SLと同じ |
求められる力 | 観察・理解が中心 | 応用力・分析力・批判的思考が必要 |
このように、HLの方が授業時間や負担面で大変なことが多いです。しっかりと把握し、無理のない計画を立てましょう。
大学が求める履修レベル
志望大学がどちらを求めているかも、SL/HLのどちらを選ぶかに関わってきます。
特に医学・生物学・獣医学などを専攻したい場合、HLの履修が必要な大学が多いです。
- 大学の公式サイト
- IB認定校の進路資料
- 進学アドバイザーのアドバイス
などで確認し、自分の進学希望に合わせて履修レベルを選びましょう。
得意・苦手だけで判断しない
「理科が得意だからHL、苦手だからSL」と、単純な理由だけで選択するのはやめましょう。
IBはBiologyだけでなく、6科目+課外活動(EE・ToK・CAS)を勉強しなくてはいけません。なので1科目を負担の大きいHLにすると、その分だけ他教科にかけられる時間や力が減ってしまいます。
希望大学の要件がHLでないならば、他の教科の勉強時間を確保することも大切です。得意・不得意だけでなく、全体のバランスも考えて決めましょう。
自分に合うのはSL?HL?タイプ別の選び方
学習タイプ・進路 | おすすめの履修レベル |
医学・生物学・獣医学など、大学でBiology系の専攻を考えている | HL(Higher Level) ※大学の入学要件でHLが指定されていることが多いため |
実験やグラフの読み取り、データ分析が得意で、探究型の学習が好き | HL ※批判的思考や分析力が問われる出題が多いため |
志望大学でBiologyが必修でない、またはHLが求められていない | SL(Standard Level) ※他教科に時間をかけやすくなるため |
Biologyの学習に不安がある、理系科目より文系科目が得意 | SL ※基本的な内容に絞られており、学習負担が軽め |
自分の希望進路や勉強スタイルに合わせて、無理なく続けられる方を選びましょう。
2025年シラバスで変わるIB Biology
Biologyは2025年から新しいシラバスになり、学習内容や出題方法が大きく変わりました。
新シラバスの特徴を理解し、それに合った学習戦略を立てましょう。
4テーマ+4階層の概要|出題傾向
2025年の新シラバスでは、「テーマ(Theme)」と「階層(Level of Organization)」という2つの軸で、学習内容が整理されています。テーマと階層の関係は、次の通りです。
①Unity and Diversity(統一性と多様性):
生き物の共通点や違いについて学びます。
②Form and Function(形と機能):
「生き物の体の形が機能にどう関係するか」について学びます。
③Interaction and Interdependence(相互作用と相互依存):
生態系や食物連鎖など、生き物どうしや環境との関わりについて学びます。
④Continuity and Change(継続と変化):
遺伝や進化などについて学びます。
そして、これらのテーマは以下の4つの階層に分かれています。
- Molecules(分子)
- Cells(細胞)
- Organisms(生物個体)
- Ecosystems(生態系)
出題の傾向としては「トピックを組み合わせて考える問題」が増えています。たとえば、
「呼吸」と「光合成」の関係性を比較させる問題
「細胞の構造」と「遺伝の仕組み」を結びつけて説明させる問題
などです。単元ごとの知識だけでなく、テーマを組み合わせて理解・応用する力が求められるようになりました。
試験構成と評価方法の変更点|学習戦略の立て方
シラバスが新しくなり、Biologyの試験構成も大きく変更されています。これまでの3ペーパー制(Paper 1・2・3)ではなく、HL・SLともにPaper 1・Paper 2のみとなりました。
大きなポイントは、
「データを読み取る力」
「内容のつながりを考える力」
が重視されていることです。すでに紹介したように、いくつかのテーマを組み合わせて考える教科になり、試験でもその力を試す問題が増えています。
このような変化にそなえるには、
・どうしてそうなるんだろう?
・どの部分の学びとつながっているのかな?
を考えながら勉強することが大事です。ノートに図や表を使ってまとめると、頭の中もスッキリしてつながりが見えてきますよ。
新シラバスに対応した教材も、積極的に使うようにしましょう。
IB Biology高得点を狙うための学習法・おすすめリソース
新シラバスでは、暗記だけでなく「論理的思考力」や「応用力」が求められるので、これまでの勉強方法では対応しきれないことも。
そこで思考力や応用力を上げるための工夫、試験対策に使えるリソースを紹介します。勉強に取り入れ、スコアアップを目指しましょう。
思考を整理する「まとめノート」&「マインドマップ」
Biologyは情報量が多く、内容のつながりも複雑。しっかり理解するためには「思考の整理」が欠かせません。そのための手段が、まとめノートとマインドマップを活用することです。
■まとめノート
ただ板書を写したものではなく、「授業内容を自分の言葉で書き換えたノート」です。たとえば、以下の点を自分の言葉で整理すると、理解が深まります。
- この単元で学んだ基本内容(しくみ・はたらき・定義など)
- よく出る用語とその意味
- 他の単元とのつながり(例:細胞と分子の関係など)
■マインドマップ
テーマどうしのつながりを図で見えるようにしたもので、パッと見て内容をつかみやすくなる効果があります。
特に新シラバスでは、違うテーマの知識を関連づけないといけないので、図にすれば全体像が見えやすくなりますね。
この2つの方法を組み合わせて勉強すれば、試験問題にも対応できるようになります。
Mark Scheme(採点基準)を活用したトレーニング
採点官が何を求めているかを理解し、それに沿った回答を書くことも大事です。そのために、Mark Scheme(マークスキーム)=採点基準表を活用しましょう。
Mark Schemeは、どのような答えが「満点」「部分点」「無得点」と評価されるかが書かれているものです。これを見て自己採点をすれば、どう表現すれば得点につながるか判断できます。
過去問を解いてMark Schemeと照合し、
- 必要なキーワード
- 表現方法
- 記述の正確さ
をチェックしましょう。IB独自の論述に慣れ、点数の取り方がわかるようになりますよ!
Biologyおすすめサイト
ここでは、生徒の間でも評価の高いBiology学習サイトを2つ紹介します。
過去問形式の練習問題や、動画解説が充実しているサイトです。特にHL受験者にとっては、本番に近い形式の模擬演習ができるのが大きな魅力ですね。
トピックごとの重要ポイントをビジュアルとともに整理してくれているため、苦手分野でも理解できるようになります。新シラバスのテーマ構成にも対応しており、教科書よりもわかりやすいと感じる生徒も多いですよ。
これらを使いこなし、Biologyの勉強を進めていきましょう。
通学時間やスキマ時間を生かそう!アプリと時短テク紹介
通学中や休み時間などの「スキマ時間」も活用しましょう。日々の積み重ねがいずれ大きな差になります。
たとえば、Quizletはスマートフォンで簡単に操作できるフラッシュカードアプリで、単語確認に最適です。
「ながら学習」として、ポッドキャストや解説音声を活用するのもおすすめ。耳だけで学べるので、疲れたときや移動中でも取り組みやすいですね。
初めは5分間だけでも構いません。スキマ時間を有効活用する意識を少しずつつけていきましょう。
EAL生徒向け|記述力を鍛える方法
英語が母語でないEAL(English as an Additional Language)生徒にとって、Biology最大の壁は「専門的な内容を英語で正確に記述する力」です。
そのためのコツは、生物用語を「例文つき」で覚えることです。たとえば「osmosis(浸透)」という単語は、
Water moves across a semi-permeable membrane by osmosis.
(水は浸透によって半透膜を通過します。)
のように文で覚えると、試験でもそのまま使いやすくなりますね。
また、記述問題では構文の型を覚えておくことも役立ちます。
- 原因→結果
- 比較→対比
など、よく使う表現をテンプレート化しておくと、EAL生徒でも文章を作るときに迷わなくなります。学校の先生に添削してもらいながら、短文での練習から始めましょう。
IB BiologyのIAで7を目指そう!構成からレポート作成まで解説
BiologyのIA(Internal Assessment)は、最大24点の配点の試験です。最終スコアに直結する試験のため、早めの準備が求められます。
ここでは、自信を持ってIAに取り組むための、実践的なヒントを紹介しましょう。
テーマ選びで失敗しないためのポイントと例
IAは、最初の「テーマ選び」で成功がほぼ決まると言えます。良いテーマとは、
- 明確な仮説を立てられる
- データが取りやすい
- 自分の興味と重なる
という特徴があります。ボンヤリしていたり、実験が複雑すぎたりすると、途中で行き詰まる可能性が高いです。
実際によく扱われている、再現性が高くて評価されやすいテーマ例を紹介します。
- 光の強さと光合成速度の関係(葉の酸素生成量の測定)
- 温度が酵素の反応速度に与える影響
- 異なるpH条件下での酵母の発酵量の比較
- 水中植物の成長とCO₂濃度の関係
- 抗菌作用を持つ植物抽出液の比較(例:にんにく vs レモン)
- 種子の発芽率に対する塩分濃度の影響
- 異なる水温が魚の呼吸回数に与える影響
- 飲料に含まれる糖度とエネルギー量の比較
- スマートフォン使用時間と睡眠の質の相関調査(アンケート型)
- オーガニック食品と通常食品の腐敗速度の比較
また、「IBの評価基準に合っているか」と「実験を安全で正確に行えるか」を常に意識してテーマを選びましょう。興味があるだけだと、データ不足や再現できないという落とし穴に落ちる可能性があります。
ロジカルな文章構成とは?
IAでは、実験結果をただ出すだけではなく、
「その結果から何がわかるのか」
「その結果にどんな意味があるのか」
を自分の言葉で説明することが、とても大切です。
高得点を取るには、データと結論に結びつけたかを、筋道立ててはっきりと書きましょう。
ステップ1:データをまとめて見える化する
・平均や差を出す(例:平均の高さ、ばらつき)
・グラフにして、どんな動きがあるか見えるようにする
・「〜が増えると、〜も増えた」などの関係を言葉でまとめる
ステップ2:なぜその結果になったか考える
・自分の予想と合っていたかふり返る
・生物のしくみ(例:酵素のはたらき)を使って理由を説明する
・違う結果が出た場合は、「なぜそうなったか」も考える
ステップ3:実験の弱点と直し方を書く
・うまくいかなかった点(例:温度が安定しなかった)を書く
・次にどうすればよくなるか(例:時間をもっと長くする)を提案する
・ただの反省でなく「次につながる考え」を書くと良い
スコアUPにつながる!信頼されるデータの見せ方
「信頼できるデータを提示できるか」も、Biologyの評価ポイントのひとつです。
信頼性を高めるためには、実験の繰り返しが欠かせません。1回だけの実験データだと、偶然の可能性もありますよね。少なくとも3回以上繰り返し、平均値と誤差の範囲を示しましょう。
また、
- 使った道具がどれくらい正確か(例:±〇〇ml)をはっきり書く
- 温度や光のような周りの条件をそろえる
などの工夫をすれば、「この実験の結果は信頼できるな!」と思ってもらいやすくなります。
評価する人の目線に立ち、信頼できるデータを出すよう心がけましょう。
やってはいけないIA例からヒントを学ぼう
BiologyのIAでよくある失敗には、共通したパターンがあります。同じミスを避けるためにも確認しておきましょう。
①テーマがボンヤリしていて仮説が立てられない
たとえば「植物の成長を調べる」といったテーマ。これだとやることが広すぎて焦点が定まらず、評価が低くなります。
「光の強さが〇〇植物の葉の面積に与える影響」のように、「自分で変えるもの(温度や時間)」と「その変化でどうなったかを調べるもの(重さや数)」をハッキリさせられるテーマにしましょう。
②実験方法が難しい・データが不十分
測定の機器が正確でなかったり、再現が難しい実験を選んだりするのは避けましょう。信頼性が下がり、評価が下がってしまいます。
③結果が仮説と違っており、分析を曖昧
仮説が外れていても問題ではありません。「結果をもとに論理的に説明する姿勢」が、IBで評価されるポイントです。
これらの失敗例と改善策を知り、IAの準備を進めましょう。
IB卒業生に聞いた!Biologyを履修して後悔しないために知っておくべき現実と対処法
Biologyを選んだ生徒の中には、
内容が難しすぎてついていけない…
覚える専門用語が多すぎる!
と悩む人も多くいます。
そこで、実際にBiologyを履修した卒業生にインタビューをしました!履修を後悔しないためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
1学期で挫折しやすい理由とその乗り越え方
Biologyを履修し始めた生徒の中で、最初の1学期で苦手意識を持つ人が多くいます。
原因のひとつは、覚えないといけない専門用語と概念がたくさん登場し、
内容を理解する前に、暗記しないといけない…
と感じてしまうからです。
その負担もあり、他のIB科目や課外活動(CAS、EE、ToK)と両立できず、「自分には向いていない…」と判断してしまうことがあります。
この状況を避けるには、まず週単位・月単位で計画を立てて、復習をルーティン化しましょう!無計画で覚えることをため込むと、後で取り戻すのがドンドン難しくなります。
また、わからないことは早めに先生やクラスメートに質問し、「1人で抱え込まない環境」を作るのも大切です。
1学期では完璧を目指さず、「最低限の理解+小さな達成感」を積み重ねましょう。それが長く勉強を続けるコツです。
高得点者の習慣と考え方とは?
Biologyで高得点を取る生徒には、「日々の勉強の取り組み方と姿勢」に共通点があります。
一つ目の共通点は、「その日の勉強内容を、簡単にまとめ直す習慣を持っている」ということです。
記憶が新しいうちに整理することで、定着と復習がスムーズにできます。授業ノートも単なるメモではなく、「後で自分が見て理解するための資料」として作成しています。
さらに、彼らは試験対策でMark Scheme(採点基準)を活用し、
どう書けば点が取れるかな?
と意識して演習をしています。出題意図を理解できれば、スコアにつながる勉強ができるからですね。
何より大切な共通点は、「毎日少しずつやる」の価値を理解していることです。短くても継続的に取り組むことが、高得点につながる大きなポイントですね。
卒業生インタビュー|選んで良かった点と苦労した点
国際バカロレアアカデミーで指導している先生(IB卒業生)に、Biologyを勉強して良かったこと・苦労したことをインタビューしてみました!
Biologyを学んでみて、どうでしたか?
正直、最初は暗記量に圧倒されました。毎週新しいトピックが出てくるので、ついていくのが大変で…。
それでも最後までやり切ったんですよね!学ぶなかで、どういう成長を感じましたか?
はい。IAやEEに取り組んでいくうちに、自分で調べて考える力がつきました。特にIAでは、興味のあるテーマを選んで、試行錯誤しながら実験をしていったことがすごく印象に残っています。やり終えたときは本当に達成感がありました。
それは大きな成長ですね。他の教科とのバランスはどうでしたか?
うまく時間を使うことが大事だと感じています。週ごとの復習をちゃんとしながら、他の教科の勉強時間も意識して確保するようになりました。
なるほど。IBのBiologyは確かに負担が大きいですけど、そのぶん学びや経験も多いですね。
本当にその通りだと思います。大変だったけど、やって良かったと思える科目でした。
新しいIB Biologyで後悔しないための対処法を知っておこう
「Biologyの試験構成や学習戦略、SLとHLの違い」について解説しました!
- Biologyは2025年から新シラバスになった
- SLとHLで授業時間・負担・必要なスキルに差がある
- 科学的リテラシーや分析力が求められるため、学習スタイルの選び方もカギ
- テーマのつながりを意識した理解と、論理的に書く力がスコアアップになる
・IAのテーマ設定が不安で、どこから手をつけていいか分からない…
・SLかHLか迷っていて、自分にどちらが向いているか判断できない
・英語の専門用語が多くて、授業についていけるか不安…
そんな悩みを抱える方は、国際バカロレアアカデミーの個別指導や進路相談をぜひご活用ください。