IB World Religionsとは?授業の流れと試験対策をわかりやすく解説

・ World Religionsってどんな授業なの?

・試験で点を取るにはどう勉強すればいいんだろう?

・IAのテーマ決めはどうすればいいのか知りたい!

そんな悩みを持つIB生は多いはずです。

この記事では、授業の流れや試験対策・IAの進め方・効率的な勉強法まで一通り解説します。

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IB World Religionsを学ぶメリット3つ

IBのWorld Religionsは「いろんな宗教の文化・価値観を理解する教科」です。

まずはWorld Religionsを学ぶメリットを紹介します。

いろんな宗教を知って世界観が広がる

World Religionsは宗教を知るだけでなく、自分の世界観を広げられる科目です。

この科目では5つの宗教を最初に学び、そのうち二つを詳しく研究します。

これにより「宗教ごとの違い」だけでなく、「異なる宗教で共通する信念」や「信仰する人達の考え方」が見えるしくみです。

またいろんな倫理観や価値観に触れることで、異国・異文化の人とも理解し合う姿勢がイメージできるようになります。

・自分の「当たり前」が他の宗教では当たり前じゃないと知って、視野が広がった。

・将来は海外で学びたいから、他の文化や宗教を尊重できるようになろう!


このようにただ宗教の知識を増やすだけでなく、自分の視野を広げて人との違いを受け入れる力につながります。

比べて考える力・「なぜ?」を深める思考

・この宗教では、なぜこういう考え方をするんだろう?

・何のためにこの儀式を行うんだろう?

World Religionsではこのようなことを考え、それぞれを比べながら研究します。

たとえば授業で「ある宗教の信仰者は、なぜその伝統を守るのか」を学んだあと、別の宗教の伝統と比べる、といった具合です。

  • 共通点は?
  • 違うところは?
  • 何が原因で違う?

こうした問いが、ただの暗記力ではない「理解力」を育てます。

エッセイの試験で自分の意見を論理的にまとめることにもつながる力です。

IB World Religionsの授業の流れ

World Religionsの授業ではPart 1・2・3と段階を追って、いろんな宗教を理解できる流れが組まれています。

この流れを詳しく知っておくと、授業の目的や試験へのつながりが理解でき、しっかり準備できるようになるでしょう。

Part1|世界の宗教をざっくり理解する

Part1「世界宗教の導入」では、世界の主な宗教を広く浅く学びます。

まずヒンドゥー教・仏教・キリスト教など9つの宗教から5つを選び、以下を学んで理解を深める流れです。

  • 「人生とは何か?」「人はどこへ向かうのか?どうやってそこへたどり着くのか?」という問い
  • 信じられている教え・儀式など、宗教の基礎となる要素
  • 信者の日常生活・礼拝・行事・価値観など、どのような日常なのか

この段階で「象徴」「神性」などの宗教用語を整理し、各宗教でどのように使われるかを把握します。

これにより、混乱せず学ぶことが可能です。

Part2|ひとつの宗教をじっくり調べる

Part2「詳細研究」では、Part1の宗教5つの中からさらに2つを選び、深く理解します。

2つの宗教は、3つのグループに分けられたうち、異なるグループから選ばなくてはいけません。

グループ宗教
グループ1ヒンドゥー教
仏教
シク教
グループ2ユダヤ教
キリスト教
イスラム教
グループ3道教
ジャイナ教
バハイ教

選んだ宗教を、「rituals(儀式)」「sacred texts(聖典)」「doctrines/beliefs(信条)」などのテーマに沿って学びます。

学校の教材だけでなく、聖典の原文抜粋・解釈、信者の話、礼拝場所の見学などを活用して学ぶことが大事です。

この深掘り学習により理解が深まり、背景や影響を踏まえた答案が書けるようになります。

Part3|自分で調べるIA(内部評価)

Part3の「IA(内部評価)」は宗教に関するテーマを自分で決めて研究し、文章でまとめる課題です。

World ReligionsのIA

  • 文章量は1,500〜1,800語程度。
  • テーマは信仰体験、儀式、教義、信者の習慣など。
  • 調査の対象はグループ・個人どちらの信者でも構いません。
  • 最初にResearch Question(研究質問)を明確に設定し、それを研究します。(例:この儀式は信者にとってどんな意味があるのか?)
  • 情報を集める方法として、一次情報(聖典の抜粋・信者のインタビューなど)と二次資料(教科書・論文など)を使いましょう。

IAをしっかり準備して取り組めば、自分で考え調べる力が身につきます。

World Religionsのテストで点を伸ばすコツ

World Religionsの試験では知識の暗記だけでなく、それをどう使うかがカギです。

ここでは各試験形式ごとの攻略ポイントを紹介しましょう。

Paper1|短答問題を落とさないポイント

Paper1は短い文章・抜粋を読み、その内容を使って定義・説明・応用する問題が中心です。

ポイントは「内容を正確に理解し、伝えること」。知識だけでなく、解釈する力や分析力も問われます。

例えば以下のような問題です。

“Analyse the Hindu concept of varnashramdharma.”

(ヒンドゥー教のヴァルナシュラムダルマの概念を分析しなさい。)

これに対しては、ただ概念の説明だけでは足りません。

  • この宗教の教えが日常にどんな影響を与えているか
  • 現代ではどのような存在か

このような内容を含めると、さらに良い答案になります。

時間内に正しく文章を読み、設問通りに答える練習を重ねていきましょう。

Paper2|エッセイで点を取る書き方

Paper2はいくつかの宗教を比較しつつ、指示語(command term)に沿った回答をするテストです。

Paper2では深く学んだ2つの宗教を使い、テーマに沿ってEssayを書きます。

例えば以下のような問題の書き方です。

“Discuss the different types of sacred texts.”

(さまざまな種類の聖典について議論しなさい。)

①導入
・まず「このテーマでは何を比較して議論するか」を明確にする
②本文
・2つの宗教それぞれの聖典の役割・使われ方を比較する
・「それぞれどの場面で重要か」「信者にとってどのように日常生活と密接か」などを述べる
③結論
・「どちらの聖典がより影響力があるか」や「両方とも異なる役割を持っていて選べない」などの結論を述べる
・自分の考えをまとめて記述する

このような構造で具体例を交えて比較しつつ、自分の立場を明らかにすれば評価されます。

Command Termについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでください。

Rubric(採点基準)を意識した答え方

Rubric(採点基準)を理解して答案を書くと、ハイスコアを取りやすくなります。

World ReligionsのRubricで評価されるのは主に以下3つの能力です。

World Religionsの評価ポイント

知識・理解

  • 宗教の教義・聖典・儀式などを正確に説明できているか

適用と分析

  • その知識を使って、例を挙げながら比較したり、文章を解釈したりできるか

統合(synthesis)・評価(evaluation)

  • 複数の情報をまとめて自分の見解を述べられるか
  • 証拠の信頼性を考え、論理的にまとめられるか

これらのRubricを満たすためには、下記の方法を取り入れましょう。

  • 問いの 指示語(command term) を最初にチェックする。
  • 答案で例を1つか2つ使い、この例でどう教えが生きているか」を書く。
  • 結論部分で自分の考えを述べる。「どちらがより重要か」「その教えにどんな価値があるか」など。

Rubricを頭に置いて、期待される構成と内容を満たせれば点が伸びます。

Rubricの基本的な考えを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

World ReligionsのIAをしあげるステップ

IA(内部評価)はWorld Religionsの学びをまとめ、自分の興味を生かせる大切な課題です。

IAを完成させるためのステップを紹介します。

ステップ① 興味のある分野のテーマにする

自分が「これをもっと知りたい・問いたい」と思えるIAテーマを選びましょう。

テーマに興味が持てると調査・執筆のモチベーションが保て、クオリティも上がるからです。

テーマがぼんやりしていたり興味が薄かったりすると、説得力が弱くなってしまい評価されません。

・自分の町にある教会を見て、「信者にとってどんな意味の場所なんだろう?』って思ったのがテーマのきっかけだった。

・十字架などのシンボルを、信者が身につけたり教会で使ったりする理由を調べたい!

このような興味を持てるテーマを選び、「なぜこのテーマなのか」「どの宗教・どの視点で調べるか」を明確にすると、IAの説得力と評価がアップします。

ステップ② 資料やデータを集めて調査を進める

調査を進めるためには、良い資料やデータをきちんと集めることが大切です。

以下のような手順が役立ちます。

①信頼できる一次資料を探す
聖典の抜粋、教会・寺での礼拝の観察、信者へのインタビューなど
②二次資料で理解を深める
入門書・学術記事・大学のサイトなどで、そのテーマがどう研究されているかを調べる
③資料の質をチェックする
その著者・出版社が信頼できるか、情報が偏っていないかを確認する
④複数の地域・宗派・文化からのデータを比べる
同じ宗教でも国や儀式によって違いがあるので、それを調べて比較することが深みを増す

こうした手順を踏むことで、「なぜその情報が重要か」「どこが違うか」という分析ができるようになり、高く評価されます。

ステップ③ 評価基準に合わせてレポートをまとめる

IAでも評価基準(Rubric)を意識して組み立てましょう。

IAには5つの評価ポイントがあります。

  1. なぜそのテーマを選んだか/最初の下調べができているか
  2. 調査の計画がはっきりしていて、「何を調べるか」が明確か
  3. 特に重要だと思うことをまとめ、研究質問に答えているか
  4. 自分が調べた方法を振り返り、いいところ・改善すべきところを考えているか
  5. 引用の仕方、文字数、形式など正しいルールを守っているか

Rubricを頭に入れて自分のレポートを見直せば、より完成度が高いIAが書けます。

World Religionsの勉強をラクに進める方法

World Religionsは覚えること、やることが多い科目です。

ですが効率よく整理して覚え、解く練習をすれば負担はグンと減ります。

ここではムリなく学習を続けるための勉強法を紹介しましょう。

ノートや図を使って宗教の特徴を整理する

ノートや図を使って整理することで、たくさんの宗教の違い・共通点が頭に残りやすくなります。

World Religionsでは教義・儀式・象徴・価値観など多くの要素を扱うため、ただ文章で覚えると混乱しやすいからです。

以下の方法を試してみましょう。

  • 宗教ごとにノートを分け、「教え」「儀式」「象徴」「信者の行動」などの見出しを作る
  • 複数の宗教を横に並べた表を作成し、「儀式」「教典」「信仰体験」などの項目で比較する
  • マインドマップやチャートなどの図を使って「ある儀式がどの宗教でどんな意味を持つか」をつなげる

こうした整理法を使えば「比較して考える力」がつき、テストやエッセイ問題で答えを出しやすくなります。

過去問を使って本番の時間感覚を身につける

過去問を使って「時間配分」の練習することは、テストで焦らず答えるためにとても効果的です。

次のことを意識して実行し、自分用の時間配分を考えましょう。

  • 本番と同じ条件で練習する
  • 問題ごとの時間配分を決める
  • 見直し時間を設ける
  • どのタイプの問題(定義・比較・分析など)で時間がかかったか記録する

時間感覚を体に覚えさせて練習を重ねることで、落ち着いて回答できるようになります。

IB World Religionsを攻略するポイントを把握しよう

World Religionsの試験・IAを攻略するためのコツを解説しました。

  • World Religionsを学ぶメリット:視野の広がり・批判的思考・進学への強み
  • 授業の流れ(Part1〜3)を把握し、学習方法を整理する
  • Paper1・Paper2それぞれの形式と対策を掴み、答案の書き方を練習
  • IAでは興味のあるテーマを選び、資料を集め、評価基準に沿ってまとめる
  • 勉強法として、ノートや図表で宗教を整理し、過去問演習で得点力を高める

・どのテーマを選べばいいかわからない…

・リサーチ方法や資料の信頼性を判断してほしい!

・答案の採点基準を教えてもらいたい!

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