IBのバイリンガルディプロマとは?DPとの違いや向き不向きを完全解説

・バイリンガルディプロマって何なんだろう?

・英語と日本語、どうやって両方で勉強するの?

・うちの子に向いているかな?

そんな疑問を持つ保護者の方は多いです。

この記事では、IBバイリンガルディプロマのしくみやメリット、向いているお子様のタイプを解説します。

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IBバイリンガルディプロマは「2つの言語で学ぶIB資格」

バイリンガルディプロマは、IBの高等教育課程である「IBディプロマ」よりもさらに進んだ資格です。

英語と日本語など、2つの言語で学び、成果を残した生徒に与えられるもので、グローバルな視点や言語力を証明する、強力な資格です。

まずはそのしくみや取得条件について、わかりやすく説明します。

通常のIB DPとの違い

通常の IB DP(ディプロマプログラム)に対して、バイリンガルディプロマは2つ以上の言語で科目を履修し、評価を受ける教育プログラムです。

IB DP:1つの言語(英語などの授業言語・第一言語)でプログラムが進む

バイリンガルディプロマ:2つ以上の言語で学び・考え・表現する

言語を扱う能力をより明確に示せる点が、DPとの違いです。

「バイリンガル」と認められるための条件

バイリンガルディプロマを学んだ証明を得るためには、大きく2つのルートがあります。

■条件 ① 

Group 1(言語と文学)から2言語の科目を履修し、7段階のスコアのうち3以上を両方で取得することです。

たとえば「English AとJapanese Aそれぞれで、3以上のスコアを取る」などの必要があります。

■条件 ②

Group 1の言語科目を1つ、かつGroup 3(個人と社会)やGroup 4(自然科学)の科目を、Group 1の言語と異なる言語で履修し、両方で3以上のスコアを取ることです。

たとえばEnglish Aを英語で学び、PhysicsやHistoryを日本語で学ぶ、といった形になります。

どちらかの条件を満たせば、バイリンガルディプロマの称号が認められるのです。

取得している生徒の割合と背景

バイリンガルディプロマを取得する生徒は、IB取得者の中でも決して多くはありません。

2018~2022年にIBが公表した統計では、DP取得者のうちでバイリンガルディプロマ取得者の割合は、概ね22~28%となっています。

少なさの背景は次の通りです。

  • バイリンガルディプロマ実施のために必要な、先生の言語・科目指導のスキル、時間割や履修科目との調整が学校としてできていない
  • バイリンガルDPを取得するメリット(大学入試・キャリア・言語運用能力)が十分に周知されていない学校・地域もある
  • 「普通のDPだけでも十分」「2言語で複数科目をできる自信がない」と思う人も多い

このようなハードルを超えた生徒に与えられるものなので、取得できれば他の生徒よりも強みをアピールできます。

IBバイリンガルディプロマを取得する3つのメリット

バイリンガルディプロマには、考え方や進路の選択肢を広げられるメリットがあります。

主な3つのメリットを紹介しましょう。

① 英語力と日本語力の両方を高められる

バイリンガルディプロマを取得すると、英語・日本語両方の言語能力を高められます。

2言語で履修・評価を行うことが要件になっているので、当然のことながら異なる言語で学び、考える力を鍛えられるからです。

英語で歴史のテーマを議論し、日本語で文学作品を分析する生徒は、「どちらの言語でも理解して説明する経験」をたくさん積めますよね。

こうした経験を通して、英語・日本語で学んだり発信したりする力が身につくのです。

② 海外・国内どちらの大学進学にも強い

バイリンガルディプロマの資格を持っていると、国内外の大学進学時で有利になることがあります。

IB DP自体が、世界110か国以上の大学で認められている資格だからです。

英語圏の大学:バイリンガルとして学んで考えた経験を持っていることが、語学力・思考力で評価され、競争力がアップします。

日本国内の大学:「英語+日本語の両方で学んだ」という切り口で、推薦・入試の強みとなります。

進学先の選択肢を広げるカギとして、バイリンガルディプロマが使えるのです。

③ 将来の国際的なキャリアにも活かせる

将来グローバルな仕事に就きたいというお子様にとっても、バイリンガルディプロマは大きな強みになります。

2つの言語で学び・考え・表現したという実績で、「多言語での対応力・異文化理解力」を示せるでしょう。

アメリカなど海外の採用においても、「言語+思考力+探究力」の組み合わせが高く評価されています。

バイリンガルディプロマはその証明となるため、将来のキャリアの選択肢を広げることにつながるのです。

IBバイリンガルディプロマ取得の注意点

IBバイリンガルディプロマは魅力的な資格ですが、いくつかの注意点もあります。

学習面や評価の難しさ、そしてご家庭で支えるべきポイントを整理していきます。

Language A科目を2つ取る難しさ

バイリンガルディプロマの条件の一つとして、Group 1(言語と文学)で異なる2言語の科目を選び、それぞれで3以上のスコアを得る必要があります。

この「Language A(言語と文学)科目」は、ただ受け身の学習を行うわけではありません。

  • 文学作品の分析
  • 批判的思考
  • 作文や発表 など

こういった「主体的に取り組む課題」を、2言語で学ぶのはハードルが高いです。

さらに、HL(Higher Level = 高等レベル)を選択すると授業時間が多くなり、履修・課題・試験の負担が増えることもあります。

2言語でLanguage Aを履修することは、言語力・思考力・表現力を同時に鍛える必要があり、ハードルが高めなのです。

評価・採点で苦労しやすいポイント

英語と日本語など2つの言語で学ぶため、採点にバイリンガルディプロマならではの難しさがあります。

  • 「英語で書いた論文」と「日本語で書いた論文」を、同じ基準で判断するのが難しい
  • 「母語じゃない言語で説明する課題」では、生徒ごとの語学力で表現にばらつきがあり、厳密な評価が難しい
  • 教えられる先生・教材の準備に学校ごとで差があり、準備が整っていない学校では力が伸びにくい

このように、家庭・学校環境の差まで影響を受けやすいのです。

ご家庭でできる語学力アップの方法

このような苦労を乗り越えるため、「言語に触れる習慣をつくる」ことを意識しましょう。

学ぶ2言語の両方を使い、読書や翻訳などの時間を週に数回作ると、言語の運用力がアップします。

次のようなことに積極的に取り組みましょう。

  • 日本語で書かれた本を読み、感想や気づきを英語で書く
  • 英語ニュースを1本見て、そのあと日本語で意見を話しあう
  • 日本語で書いた日記を、今度は英語に翻訳する

ご家庭で採点するならGoogle翻訳を使うのもいいですし、学校の先生に採点を頼めれば改善点などもフィードバックしてもらえますね。

こうしたご家庭での学習環境を整え、バイリンガルディプロマの学びを後押ししましょう。

IBバイリンガルディプロマはどんな子に向いている?

言語の得意/不得意や学び方によって、バイリンガルディプロマに向いているかのタイプがはっきり分かれます。

どんなお子様がバイリンガルディプロマに向いているかを、具体的に見ていきましょう。

探究心がある・考えを表現するのが好きな子

・学ぶことを自分で探したい!

・自分の意見を言ったり人と議論したりするのが好き!

このように考えるお子様には、バイリンガルディプロマが特に合っています。

「なぜこの出来事が起こったのか」を疑問に思って調べたり、「自分はこう考えた」とまとめて発表することが好きなら、バイリンガルディプロマならではの言語の壁を超え、力が伸びていくでしょう。

一方で、受け身でただ板書を写すだけのお子様だと、「2言語での深い学び」に苦戦する可能性があります。

自分から「知りたい」「伝えたい」と思えるお子様が、バイリンガルディプロマで力を発揮できるのです。

英語と日本語をバランスよく学びたい子

2つの言語をバランスよく学び、両方とも使いこなしたいお子様にも、バイリンガルディプロマは向いています。

  • 英語で理科
  • 日本語で歴史

このように学ぶことで、それぞれの言語で考え方や説明のしかたが少しずつ違うことに気づけるのです。

その違いを理解して使い分けるうちに、英語でも日本語でも自分の考えを自然に表現できるようになります。

海外進学や国際キャリアを考えている子

・海外進学したい!

・将来はグローバルな企業で働きたい!

このように考えるお子様にとって、バイリンガルディプロマは強みになります。

出願書類でバイリンガルディプロマを学んだことを書けば、ただの語学力ではなく「異なる言語・文化の中で学べる力」を証明できます。

またグローバル企業や国際機関での就職では、言葉だけでなく「多言語で考え、人に伝えながら働ける人材」が求められています。

国際的な場を視野に入れている子なら、バイリンガルディプロマがその一歩を支える選択肢となるでしょう。

IBバイリンガルディプロマは国際的な未来へのパスポート

「IBバイリンガルディプロマのしくみ・メリット・向いている子の特徴」を解説しました。

  • IBバイリンガルディプロマは「2言語で学び、一定の成果を収めた生徒に与えられる国際資格」
  • 2つの言語で「理解・考え・伝える力」を育て、将来の進学やキャリアの土台になる
  • 学習量が多くなるため、家庭と学校が協力し、ムリのない環境づくりが重要
  • 海外・国内どちらの進路にも対応できるよう、早めに進学や将来を話し合っておくことがカギ

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